シェフは名探偵 (第7話・2021/7/19) 感想

テレビ東京系・ドラマプレミア23『シェフは名探偵』(公式サイト)
第7話『高級ワインで詐欺!? 男を巡る愛憎…妊婦を襲うタルタルの罠!? 』、原作は「ヴィンテージワインと友情」と「タルタルステーキの罠」の感想。
なお、原作の小説・近藤史恵「タルト・タタンの夢」、「ヴァン・ショーをあなたに」、「マカロンはマカロン」(創元推理文庫刊)は、現在鋭意読破中!
三舟(西島秀俊)の店に嗣麻子(宮下かな子)が高価な持ち込みワインの相談で来店。嗣麻子はお嬢様で、翌日集まった仲間は彼女の行動にうんざりしている。中でも遥香(鞘師里保)は特に嫌っているようだ。また、「牛肉のタルタルステーキ」をメニューに載せてほしいという予約が。しかも翌日、「タルタルステーキは置いてあるか」と尋ねる客・緒方(熊谷真実)が現れて…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:近藤史恵「タルト・タタンの夢」
「ヴァン・ショーをあなたに」
「マカロンはマカロン」
脚本:田中眞一(過去作/みんな!エスパーだよ!、さすらい温泉♨遠藤憲一) 第1,2,3話
西条みつとし(過去作/オー・マイ・ジャンプ!~少年ジャンプが地球を救う~) 第4,5,6,7話
監督:木村ひさし(過去作/TRICKシリーズ、99.9-刑事専門弁護士-シリーズ) 第1,2,3話
瀧悠輔(過去作/僕はどこから、大豆田とわ子と三人の元夫) 第4,6,7話
向井澄(過去作/助監督作品のみ) 第5話
音楽:末廣健一郎、田ノ岡三郎
オープニングテーマ:all at once「マカロン」
エンディングテーマ:mihoro*「ミヤコワスレ」
料理のアレンジの妙、エピ―ソード同士のマリアージュ
脚本家も演出家も前回と同じ。そして、前回は本作の原作となった小説の中でも本のタイトルにも採用されている代表的な『タルト・タタンの夢』と『ヴァン・ショーをあなたに』と言う、2つのエピソードを1つのドラマに仕立てた。これこそ、料理のアレンジの妙、エピ―ソード同士のマリアージュだ。
雪解けを思わせる料理とワインのセレクトも絶妙だった
しかし、今回のアプローチは少し違った。序盤は、タルタルステーキのまつわる3人の女性のエピソードと、持ち込みワインで料理を食べる若者たちのエピソードが、同時に描かれた。でも、序盤を過ぎると、タルタルステーキの話は何処かへ飛んでしまった。
そして、ドラマは、高級ワインを持ち来むお嬢様・山下嗣麻子(宮下かな子)と、嗣麻子の幼馴染の遥香(鞘師里保) との “友情” や “気遣い” や “優しさ” についてのエピソードへ集中。雪解けを思わせる料理とワイン「シャプティエ エルミタージュ ブラン シャンタルエット」のセレクトも絶妙。
「どんなワインを 飲むかではなく 誰と飲むかは とても大事ですから」の三舟(西島秀俊)の言葉も良かった。もちろん、どんなワインを飲むかで、更に話の花が咲くことはあるが…
管理人のお節介なプチ・ワインうんちく話
因みに、ご存知でない方のために管理人のお節介なうんちく話を。なぜ今回、この「シャプティエ エルミタージュ ブラン シャンタルエット」が「友人のために 造られたワイン」なのか? ドラマの中でラベルが、ソムリエ・ゆき(石井杏奈)に持たれて、一瞬だけアップになる。良く映像を見ると、ラベル全体に「点字表記」。
そう、これはシャプティエ家の友人に、何より「シャプティエ エルミタージュ ブラン シャンタルエット」が好きな “盲目のフランス人歌手” がおり、「いつもテーブルの上にこのワインがあることが確かめられれば」と言ったことから、1995年ヴィンテージから、点字表記のラベルを採用している。
自分が"悪者"になることで、円満な人間関係を構築しようと言う共通点
そして、後半はタルタルの女性グループの話の続き。嫁姑のありがちなドラブルを嫁が友人の力を借りて姑へ反撃する話かと思いきや、こちらも、前半のエピソードのように嫁と姑の “愛情” や “気遣い” や “優しさ” についてのエピソードへ。
それも、2つのエピソードは、自分自身が “悪者” になることで、円満な人間関係を構築しようと言う共通点があった。今回の2つのエピソードの扱い方、前回と一味も二味も違って面白かった…
あとがき
第8話(7/26)、最終回(8/2)で、本作は連ドラとし、東京五輪2020で途切れることなく放送されるようで、一安心です。全く、原作の読書とドラマの展開が間に合いません。頑張って、読まなければ。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/15773/
【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話
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