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「原作者=地主の心得」と言う、今の映像業界に於ける建築主と、脚本・演出・俳優の関係

「原作者=地主の心得」と言う、今の映像業界に於ける建築主と、脚本・演出・俳優の関係

珍しく「日曜日の朝」なのに"ドラマの感想"を書けない朝

珍しく、「日曜日の朝」なのに “ドラマの感想” を書けない朝を迎えている。その書けない理由は、下記の3つ。

【理由1】NHK総合「土曜ドラマ」枠で"新作" の放送が無い

細かく理由を書いてみる。NHK総合「土曜ドラマ」枠では、ドラマ『ひきこもり先生』(2021年7月10日最終回)の次回作が放送されていない。因みに、次回作のプレスリリースもない状態。因みに、NHK総合「土曜ドラマ」枠は、諸説あるが開始は2005年。ここ数年で話題になったのは、次の作品だろうか。

 ●玉山鉄二 主演『バカボンのパパよりバカなパパ』(2018年)
 ●井上真央 主演『少年寅次郎』(2019年)
 ●柄本佑 主演『心の傷を癒すということ』(2020年)
 ●江口洋介 主演『天使にリクエストを~人生最後の願い~』(2020年)
 ●加藤シゲアキ ほか主演『六畳間のピアノマン』(2021年)
 ●安田顕主演『きよしこ』(2021年) ※敬称略

ジャンルは特に決まった感じはないが、全体的に “家族が持ち続ける永久の愛” みたいなものが共通点のような作品へ、人気が集まっているように思う。

【理由2】NHK総合「ドラマ10」枠でも"新作" の放送が無い

NHK総合『ドラマ10』でドラマ『半径5メートル』(2021年6月25日最終回)の次回作が放送されていない。因みに、NHK総合『ドラマ10』は、1989年から続く毎週土曜日午後10時の放送枠で、ここ数年で話題になったのは、次の作品だろうか。

 ●清原果耶 主演『透明なゆりかご』(2018年)
 ●岡田将生 主演『昭和元禄落語心中(2018年)
 ●小芝風花 主演『トクサツガガガ』(2019年)
 ●多部未華子 主演『これは経費で落ちません!』(2019年)
 ●井上真央 主演『少年寅次郎スペシャル』(2020年) ※敬称略

こちらは、NHK総合だから放送できる “ある種のキワモノ” 的なドラマよりも、NHK界隈だけでなく、民放のワイドショーでも話題に挙がる程に、ある種の社会現象にまで人気が高まった連ドラを放送し続けている放送枠だ。

【理由3】放送中の「民放の夏ドラマ」に見たい作品が無い

この理由は、わざわざ書く必要もないが。敢えて書くなら、上記のNHKの2作品へ感想を書く労力を注ぎ込みたいため、見なくても良いものは見ないと言うスタンスだ。因みに、7月31日に第1話が放送予定のテレ東系ドラマ『ザ・ハイスクール ヒーローズ』については、第1話を見てから、感想の有無を決めるつもりだ。

都内在住の義理の両親に会いに行きたいのだが、コロナ禍で

と言うわけで、どれ位の期間ぶりだか知らないが、仕事もなく、感想もなく、妻は義理の両親の介護の手伝い(私も行きたいのだが、と県境を跨ぐ移動、一軒家に大勢が集まるリスク、私がまだワクチンを1回しか摂取していない現実を考慮して、ケアマネージャーさんと話した結果、自宅で「家事とブログ当番」になった。

そこで、今回は、いつものドラマの感想とは違った投稿をしようと思う。不要不急の外出を避ける際の、ひまつぶしの役にでも立てば幸いだ。



原作ファンが怒る「ざんねんな映像化」頻発の背景

さて、これまで私は、「脚本、演出、俳優」について、自分なりの意見や考えを綴って来た。しかし、「原作」と言うものについては、これまで本気で掘り下げた記憶がない。それに火を点けたのが、偶然見つけた下記の投稿だ。

原作ファンが怒る「ざんねんな映像化」頻発の背景
原作者は映像化にどこまで口出しできるのか -東洋経済オンライン -

     https://toyokeizai.net/articles/-/436900

原作者として、自分の小説が映像化されたあかつきには、「ファーストシーンはこんな感じで、こんな音楽が流れて、俳優の○○さんがこういう仕草で登場して……」と、理想の映像版を思い描くのは当然です。そのように製作者側に約束させたくもなるでしょう。けれども映像版の著作者は、あくまで製作者であり、原作者ではありません。

映像化において「原作者は地主」です。以下の例え話を心に留めておいてください。


紹介した記事中の"ある表現"に心が動かされた

上記の投稿の主旨は、2つ。

 ●最近、原作ファンが残念に思う映像作品が世に出回る背景
 ●原作者は、映像化作品に対して、どこまで意見を言えるのか

正直、上↑の2つについては、私は殆ど興味はない。ただ、この投稿の中の登場したある表現に心が動かされた。それが、これ。

 「原作者=地主」の心得 

映像制作の過程を「建築」「家を建てる過程」に見立てると

これまでも、幾つかのドラマの感想や、脚本や演出について解説する際に、私は、脚本、演出、俳優について、次のような役割がある。と、映像制作の過程を「建築」、「家を建てる過程」に見立てて、例えて来た。それは、次のようなものだ。

  ●脚本は、緻密な設計図
  ●俳優は、優れた建材
  ●演出は、器用な大工さん

ドラマ制作と言う “建築” に於いて最も大事なのは、緻密な設計図を基に器用な大工さんが作る「土台(基礎)」だ。

この「土台=ドラマの登場人物や状況や時代などの初期設定」が、凸凹だったり、ふにゃふにゃだったりすると、そんな土台の上に、大豪邸や巨大なビルは当然のこと、安普請の小さな我が家をを建てても、時間経過と共に崩れて倒れてしまうことは、容易に分かって頂けると思う。

更に、「ドラマ制作」と言う建築現場では、豪華で優れた建材を山ほど集めても、脚本が土台に耐える緻密な設計図であり(最近の朝ドラ『おかえりモネ』の感想では「強い物語」と比喩している)、その設計図を活かして器用な大工さんが建材を使って家を建ててこそ、誰が見ても羨ましい豪邸が建つってこと。

逆に、俳優を活かすも殺すも、脚本と演出次第ってこと。それがお分かり頂けると思う。


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いつも私が言う「強い物語」の本質を知りたいなら、是非とも読むべき一冊です。

私は、「実写化ドラマ」に対して「原作」と言う表現が嫌い

さて、私は、「実写化ドラマ」に対して「原作」と言う表現を使うことに、もう10年以上違和感を覚えている。そのことは、ブログの感想の中にも度々綴っては来たが、本格的に書いたことはなかった。今回が “お初” である。

人気本が"映像化"が決まった瞬間、「原作」と呼ばれる違和感

なぜ、「原作」と言うのがイヤなのか? それは、例えば、ある漫画や小説やエッセイ(ここでの「原作」の定義には、既に “アニメ化や実写化された映像作品” は含まない)は、そもそも「原作」ではなかったはずだから。

単純なことだ。誰かが、その漫画や小説やエッセイを「私たちがドラマ化かしよう!」とか、「映画化しよう!」と持った瞬間に、純粋に “書籍(デジタル本も含めて” だったものが「○○の原作本」と言う肩書きになる。

可能な限り「原作となった漫画・小説」と書いてるつもり…

これは、本当はちゃんと考える必要のあることで。欧米のような契約社会がものすごく発達している国では問題としては少ないが、契約社会がまだまだ未熟な日本では、曖昧になっていることが多い。

繰り返すが、そもそも漫画や小説やエッセイの執筆者(書き手)の多くが、純粋に「自分が書いた(描いた)漫画や本で儲けたい。とか、生活をしていきたいとか」考えていると思う。もちろん、一部には「映像化されやすい内容にして、更に一発当てよう!」と言う執筆者もいるとは思うが。

いずれにしても、基本的に「映像化」が決まってから、敢えて書くが “ただの本” が「原作」と呼ばれる。だから、私のブログでは、可能な限り「原作となった漫画」とか「原作となった小説」との記載をするように努めている(全部が全部、そう書いているわけでは無い。それは、執筆者の真意が私には見えないから)。

「原作」に加え「建築主(施主)」も足すと分かり易くなる

さあ、ここで「原作」を、前述の映像制作の過程を「建築」、「家を建てる過程」に見立て考える中に放り込んでみる。すると、こんなことになる。

  ●原作者は、地主
  ●原作は、土地
  ●脚本は、緻密な設計図
  ●俳優は、優れた建材
  ●演出は、器用な大工さん

これ、非常に “いびつ” な印象を抱かないだろうか。これが、次のような関係なら、何となく分かる。

  ●原作者は、地主
  ●原作は、土地
  ●テレビ局や制作会社や大手広告代理店は、建築主(施主)
  ●脚本は、緻密な設計図
  ●俳優は、優れた建材
  ●演出は、器用な大工さん

因みに、建築主とは、建築物の工事請負契約の発注者をいい、施主(せしゅ)とも呼ばれる。

この先を突っ込むと、建築法に触れるややこしい話になるから、ここでは、あくまでも「家の発注者」、「建築費用を出す人」を建築主(施主)とする。その他の法的処理をするのは、実際は建築事務所だったりするが、今回は「ドラマ制作現場」の “比喩” として簡素化、簡略化、簡便化するのをお許し頂きたい。

私(読者のあなたも)が、ドラマ制作の責任者だとしたら?

では、私(読者のあなたも)が、大手広告代理店のドラマ制作の責任者と言う設定になろう。一応、上司から連ドラの制作費は預かっている。ドラマの内容は、原作者と交渉済みで原作も決定。脚本家、演出家、その他のスタッフ、そして主演を含めた俳優陣も確保済みと言うことにしよう。あとは、何事もなくクランクインを迎えるだけだ。

そんな時に、主演女優から私に"我儘な改変"の要望が入る…

そんな時に、主演女優から「ラブコメはイヤ。シリアスな恋愛ドラマにして!」と私に一報が入る。

多分、私が最初にやるのは、脚本家と演出家に主演女優の意向を伝えることだ。もちろん、「今から!?」との反発は避けられない。と、同時に原作者にも伝える必要がある。だって、原作者と呼ばれる前の “ただの執筆者” だった彼(彼女?)は、ラブコメとして、漫画を描いて、大ヒットしたのだから。「それを、今さら、シリアスな恋愛ドラマにって、何様!?」と怒るはず。

ドラマが大ヒットしなければ、原作者の目論見は藻屑となる

そこで、冒頭で紹介した記事に、話は入って行く。今や、大ヒットドラマになる可能性のある漫画(小説でも良いが)を描いた「原作者=地主」が何を考えるか。大きくわけて、次の2つに1つだ。

 ●オリジナルのイメージ、ファンの期待を裏切るような改変は出来ない
 ●ドラマがヒットすれば、漫画も売れて、一石二鳥

もちろん、今の設定の私は、「原作者=地主」に後者を選んでもらうしかない。前者を選ばれたら面倒が増える。そんな事をしているうちに「原作者=地主」が “3つ目の選択肢” を思い付く。

 ●今回のドラマ用に、別冊ストーリーの漫画を描いたり、ノベライズ本の企画に参加したりして、もう一儲けを企む

でも、現実はこれら、どの “3つの選択肢” の1つを選んでも、次のことが確実、現実、事実にならなければ意味がないことは、お分かりだろうか?

 <ドラマの大ヒット> 

そう、主演女優の意向で「原作が改変されたドラマや映画」が “大ヒット” しなければ、全部意味がないのだ。

当blogの常連の読者さんなら、ドラマの質を決めるのは…

当blogの常連の読者さんであれば、ドラマは映画の完成度の高さ、面白さ、楽しさは、原作の良し悪しよりも、その原作をドラマ化する際の企画や、脚本化した脚本家の技術力や、脚本の意図を正しく更に上手く映像化する演出家の技術力とか、出演者の魅力や演技力の方が、大きな影響を与えることはお分かりだと思う。

私やここの常連さんなら、映像から脚本を想像できると思う

ただ、普通の視聴者や映画の観客は、違うのだ。彼ら彼女らがテレビやスクリーンを通して見ているのは、俳優の演技やきれいな映像や凝ったCG映像のはずなのに、脚本を読んだ気になってしまうのだ。

私が偉そうに言って、腹の立つ人もいるだろうが。私は脚本を読んでいなくても、演技や映像を見れば、「恐らく元の脚本には、こう言う台詞が書いてあって、こんな感じのト書きが書いてあることを(自分勝手にだが)想像できる。

それが出来るのは、自分が台本や脚本を書く立場でもあるから、どうやって文字に句と、それがどのように演技や映像にされるのか “予想” が出来るからだ。

そもそも「脚本≠原作」と勘違いしているような人なら…

でも、多くの人は、ドラマや映画の脚本自体を読んだことすらない人だと思う。そう言う人が読んだつもりになっている脚本への評価は、「原作物への評価」と「原作者への評価」とイコールになる。もちろん、冷静な原作となった作品のファンや、その執筆者のファンは、「漫画は漫画、ドラマや映画は別物」と好意的に捉えてくれる。

でも、そもそも「脚本≠原作」と勘違いしているような人だったら、それがさらに進めば、「この作者の漫画は全部つまらない」とか「次にドラマ化されて見ない」となって来る。

【まとめ1】映像制作での各立場の役割を「建築」で覚える

あまり、話を広げてしまうと、分かりづらくなってしまうから、この辺でまとめよう。

ドラマや映画制作に於ける、各立場の役割を「家を建てること」に例えると、次のようになるってことを、まず、覚えよう。

  ●原作者は、地主
  ●原作は、土地
  ●テレビ局や制作会社や大手広告代理店は、建築主(施主)
  ●脚本は、緻密な設計図
  ●俳優は、優れた建材
  ●演出は、器用な大工さん

そして、原作者や原作が無い場合は、「建築主(施主)」が、どんな土地(各放送局の放送枠)に、どんな建物(ドラマや映画)を作るのかの重役も兼ねると言うこと。

【まとめ2】原作者(地主)の意向は実際は余り活かされない

また、原作者(地主)の意向が「テレビ局等(建築主)」に活かされるのは、企画段階か第1話放送直後位までで、第2話以降、映画の場合は制作が始まった時点で伝えることは出来ない。

だから、過ちを恐れずに言うなら、ドラマや映画にとって、原作の人気や原作者の知名度は、あくまでもドラマ化や映画化のための “宣材(宣伝材料)” の意味合いが大きいと言うこと。

もちろん、原作の人気や原作者の知名度、原作自体の素晴らしさをリスペクトして、原作以上、原作とは違った作品としての “新たな価値観” の創出に大成功しているドラマや映画も、たくさん存在することも忘れてはならないことだ。

あとがき

それぞれのクリエーターで考えが違うので、一括りで語るのは難しいですが。とにかく。映像、漫画、小説にしても、「ゼロからの生みの苦しみ」が幾重にも積み重なって世に出ているのが、作品です。

その意味では、リスペクトやオマージュは別にして、原作物のいいとこ取りや、原作者の知名度頼みの、安易な企画のドラマや映画には賛成しかねます。みんな「ゼロから “1” を生み出すのに、どれだけの苦しみがあって」、その先に「達成感、満足感、視聴率、観客動員数、報酬」があると言うことを、改めて知って頂きたいです。


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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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