連続テレビ小説「おかえりモネ」 (第9週/土曜日版・2021/7/17) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』(公式サイト)
第9週『雨のち旅立ち』の
『土曜日版』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
登米の樹齢300年のヒバの伐採の日が近づいていたが、森林組合では伐採後の木材の保管場所について苦心していた。そんな中、百音(清原果耶)の気象予報士試験の合格の通知が来る。大喜びでサヤカ(夏木マリ)に報告しようとする百音だったが、いざサヤカを目の前にすると、なぜか伝えることができない。結局、言い出せないままヒバの伐採の日が迫る。そして、百音は木材の保管場所についてある提案をするが…。
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2,7,9週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4週
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5,6,8週
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん)
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
お知らせ
第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。そのつもりで、読んで頂ければ幸いです。
今週のエピソード、とは言ったものの…
今週のエピソード、とは言ったものの、もはや、どこからどこまでが今週のエピソードなのか分からない程、全体の時間軸や状況が曖昧に描かれ過ぎて、困ってしまったとしか言いようがない。
これまでで、最も主人公にリアリティーがなく、ファンタジーの世界の人に描かれてしまった1週間
しかし、「困ってしまった」以外に、折角「土曜日版」の感想まで読みに来て下さった、貴重な読者さんたちのために敢えて言うなら、「これまでで、最も主人公にリアリティーがなく、ファンタジーの世界の人に描かれてしまった」と言うことだ。
まだ、本作に期待を捨ててはいないから、敢えて言いたい。主人公が発する言葉、言動に説得力が “ほぼ” ないのだ。故郷へ思い、「3.11の記憶」、「樹齢300年のヒバの木を伐採することの意味」、「サヤカにウソをつくことの真意」、「試験合格から東京直行する意図」など、全てにおいて、説得力や共感できる部分が “ほぼ” ない。
もちろん、期待を捨てていないから、敢えて “ほぼ” と追記している。本当なら “ほぼ” ではなく “完全に” だ。
「百音の口数が(中学時代に比べて)少なくなったこと」の原因を本作は、"3.11"にしようとしているように見えている
まあ、視聴者の中には「まだ、社会人2年目だし」とか、「いろいろ言葉に出来ない性格なのだろう」とか都合良く考える人もいるとは思う。否定はしない。私の目から見ても「主人公は本来、言葉数が少ない人」だ。要は「口数が少ない人」ってことだ。
しかし、私が気になってしょうがないのは、その、「百音の口数が(中学時代に比べて)少なくなったこと」の原因を本作は “3.11” にしようとしているように見えているのだ。しかし、現実は “3.11” のせいにしていないと私は思っている。だって、口数が少ないのは “3.11” に関することだけだから。
気象、気象予報士、勉強、森林組合の人たちとのやり取りでは、決して口数が少なくないのだ。むしろ、今どき(と言っても、劇中はまだ2016年だが)の二十歳の女の子って感じ。
百音が自分の気持ちを喋る時は、 大体 "3.11" のことを絡めたり、視聴者に想像させたりさせる台詞が多い
だから、百音の言うことが説得力不足になりがち。何と表現したら良いのだろう。
百音が自分の気持ちを喋る時は、 大体 “3.11” のことを絡めたり、視聴者に想像させたりさせる台詞が多い。だから、金曜日の演説のように、言っていることが “ポエム(詩)” になってしまう。
“ポエム” として百音の心情は伝わっても、ポエムがあくまでも “3.11” を絡めるために創り上げた台詞だから、内容そのものが伝わって来ないのだ。
その上、利用しているのが “3.11” だけに、視聴者にあれこれ言わせない空気も、本作から漂っているのも、どうかと思う。もっと、きちんと百音も視聴者も東日本大震災に、本作を通して、もう一度考えるきっかけにした方が、朝ドラとして放送する意味が強くなると思うのだが。
もしも、今生存している登場人物たちも"3.11"で大勢被害に遭っていたと言う初期設定だったら…
次のことを書いたら、多分、多くの反発を食らうと思うが。フィクションだから、敢えて書く。
今作のヒロインが、東日本大震災がある種のトラウマになって、“3.11” を亀島で体験した人と、しなかった自分を比較し、「人の役に立つ仕事人」になる物語なら、あの日、あの時間、運良く気仙沼市にいて亀島に居なかった百音と父と母以外、要は百音にとって亀島にいた多くの知り合いや幼馴染などが被害に遭っていたと言う初期設定の方が、より伝えたいことが伝えたのでは?
その初期設定の中で、実際に体験した人と、山の上から遠くの島を見ていた人と言う明確な “違い” が表現され、亀島で生き残った人と、百音の気まずさ、葛藤、苦悩、そして自分は違う人生を歩むと言う選択肢が際立ったように思う。
勿論、この初期設定をやるには、作り手にかなりの勇気や決断が必要だと思う。でも、やっていたら、今とは違った『おかえりモネ』になったのは間違いない。
あとがき
それにしても、次週の予告。とあるコメントの返信にも書きましたが、これまた全部 “偶然” を “膳立て” として、平然とやるんですね。これなら、最初から先日も書いたように、第1回が「偶然に朝岡が森林組合に来る日」と「百音初の林間学校の付き添いの日」にして、朝倉と気象予報士、同時に乙女が憧れる少女漫画風にしたら良かったのに…
それと、残りの話数ですよね。恐らく「1/3」は過ぎているはずなのに、ストーリーは「起承転結」の “起” って雰囲気。更に、劇中は2016年。9月末まで放送して「全体を3か月半」にして、残りの「2/3」を描くのか、10月中旬まで延長して「全体を4か月」にして残りを描くのか。
ここからの「2週間=10回分」が、あると無いとでは、だいぶ描けることは違いますよね。やはり、あと15週(全25週)放送するでしょうから、10月中旬まで延長かな? サンドイッチマンさんのコメントは、だんだん面白くなってきましたね。
お願い…
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【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
1 2 3 4 5 土
第2週『いのちを守る仕事です』
6 7 8 9 10 土
第3週『故郷の海へ』
11 12 13 14 15 土
第4週『みーちゃんとカキ』
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第5週『勉強はじめました』
21 22 23 24 25 土
第6週『大人たちの青春』
26 27 28 29 30 土
第7週『サヤカさんの木』
31 32 33 34 35 土
第8週『それでも海は』
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第9週『雨のち旅立ち』
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