推しの王子様 (第1話/初回15分拡大・2021/7/15) 感想

フジテレビ系・木曜劇場『推しの王子様』(公式サイト)
第1話/初回15分拡大『空から降る残念男子 私が人生変えてみせる 女性社長の決意!!』の感想。
自身の理想である‘ケント様’と恋に落ちる‘乙女ゲーム’が大ヒットしたベンチャー企業社長の泉美(比嘉愛未)は、副社長の光井(ディーン・フジオカ)らと臨む次回作の開発資金の調達に奔走していた。ある夜、泉美の前にケント様にそっくりの航(渡邊圭祐)が空から降ってくる。理想の容姿ながら無作法な航に失望する泉美だが、ひょんなことから彼を理想の男性に育てることになる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:阿相クミコ(過去作/ワカコ酒シリーズ、カインとアベル、後妻業、ヤヌスの鏡) 第1話
伊達さん[大人のカフェ](過去作/おじさまと猫、スピンオフ「知ってるシノハラ」)
脚本協力:伊達さん[大人のカフェ](過去作/おじさまと猫、スピンオフ「知ってるシノハラ」)) 第1話
演出:木村真人(過去作/絶対零度~Season4~2020、知ってるワイフ) 第1話
河野圭太(過去作/僕らは奇跡でできている、危険なビーナス)
倉木義典(過去作/年下彼氏#15~18、ジモトに帰れないワケあり男子の14の事情)
音楽:瀬川英史(過去作/勇者ヨシヒコ、左江内氏、今日から俺は、エール、極主夫道、DIVE!!
主題歌:Uru「Love Song」
挿入歌:DEAN FUJIOKA「Runaway」
「2人体制」の予定の脚本家が、メイン1名+脚本協力1名に
事前アナウンスでも、現在の公式サイトでも、脚本家は阿相クミコ氏と伊達さん(大人のカフェ)の「2人体制」なのに。なぜか、クレジットでは、伊達さん(大人のカフェ)が「脚本協力」へ。
恐らく、当初予定されていた主演女優・深田恭子さんが急きょ降板し、比嘉愛未さんにバトンタッチしたため、撮影済みを含めた部分の脚本の書き直しが、阿相クミコ氏だけでは間に合わず、伊達さんが応援に… と言うことだろう。まあ、スタッフを誰担当しようと、視聴者は見るだけだから、下手に勘繰るのは野暮なことだが。
『恋はDeepに』を彷彿させた、ファンタジーのようで、そうでもない作風…
自身の理想である‘ケント様’と恋に落ちる‘乙女ゲーム’が大ヒットしたベンチャー企業社長の泉美(比嘉愛未)の目の前に、理想の男性が突如出現! って感じだろうか。ファンタジーのようで、そうでもないようで。前期の日テレドラマ『恋はDeepに』に似た中途半端な印象のアバンタイトルで一息ついた。
ロマンチック・コメディではなく、ベタな恋バナにしか見えなかった
でもって、その先を見ていると、まるで商品PRを兼ねた深夜ドラマのように、様々な “今どきの要素や設定” をこれでもか! と持ち込んで、頑張っているのは認めるが。
どう見ても、公式サイトの「イントロページ」に書いてあるような「この夏1番 “尊い” ロマンチック・コメディ」と言う雰囲気は全く感じられず、更に “いつも” のディーン・フジオカさんが鎮座ましまして出演されているため、ベタな恋バナにしか見えなかった。
「出演者のファンだけが楽しめるドラマ」へなって行くか?
また、全体のキャスティングも中途半端。マウンティングに例えると、頂上より下層階級が低いって感じ。この現状では「出演者のファンだけが楽しめるドラマ」と言う感じ。
ストーリー展開も遅いし(15分拡大しちゃったし)、テンポもよろしくない。急きょ書き直した脚本で急場しのぎなのは明らかなのだから、フジテレビから主演代役を請けてくれた比嘉愛未さんへのお礼として、延長だけでも無くしてあげたら、もう少しタイトなドラマに見えたかも?
主人公の"過去"をあれだけ尺を割いて描く必要があるのか?
さて、大人の事情の話はこれ位にして、本作について。
そもそも(これが、出る時は評価が低い時)、主人公の “過去” をあれだけ尺を割いて描く必要があるのかってこと。だって、本作で重要なのは、確かに “過去” があったから “今” の主人公の初期設定があるのだが。序盤のインタビュー番組のシーンだけでも満腹状態。
やはり、主人公の “過去” に興味を抱くのは、「復讐ドラマ」とか「刑事ドラマの犯人役」くらいなもので、今回の主人公の “過去” は視聴者におって、さほど重要な要素ではないような。
どうしても"過去"を描きたいなら第1話で過去を書いて、時間軸に沿って「起承転結」すれば良かったのに
だって、そもそも(おっと、2度目だ)、“今後” や “未来” がどうなるのか? を描くドラマで、主人公の “過去” を描き過ぎても、クドいし、放送尺の無駄遣いだと思う。
まあ、どうしても描かないと、全話の構成が崩壊でもすると言うなら、単純に第1話を “過去” だけにしたら良いのでは? そして、普通に時間軸に沿って「起承転結」を描く。それで良かったと思う。
もっと、脚本と演者をメイン監督がフォローして魅せないと
また、良くわからないのが演出。
第1話の演出は、Wikipediaによれば、『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~2020』の第6話と、『知ってるワイフ』の第6話と第9話を2ndディレクターとしてこなして、この『推しの王子様』がメイン監督として初作品なのが、若干34歳の若手演出家・木村真人氏。正直、どんな作品に仕上げていきたいのか見えなかった。
それと、視聴者のメインターゲットも「出演者目当て」以外に見えて来なかった。
演出家が、もっと様々な要素をきちんと色分けするべき
今期は、警察官ドラマでも堅苦しくなく楽しいドラマもあるし、日曜劇場も意外性のある内容で頑張っている。
そう言う中で「この夏1番 “尊い” ロマンチック・コメディ」であり、「乙女ゲーム」を扱う主人公の恋バナの割に “遊び(緩さ)” がなく。やはり、メイン監督が、ラブコメなのか、恋バナなのか、ファンタジーなのかリアルなのか、きちんと色分けするべきだと思う。
あとがき
第1話で視聴離脱しても悔いはありません。なので、今回が本作への最初で最後の感想になると思ったので、書きたいことを書きました。
でも、最近のドラマ『レンタルなんもしない人』での気の優しい奥さん役を好演した比嘉愛未さんへのご祝儀として、次回まで様子見します。そして、第2話の感想が無かったら、継続視聴から離脱したと言うことで…
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/15760/
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