連続テレビ小説「おかえりモネ」 (第42回・2021/7/13) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おかえりモネ』(公式サイト)
第42回/第9週『雨のち旅立ち』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
ついに気象予報士試験に合格した百音(清原果耶)は、喜び勇んでサヤカ(夏木マリ)に報告しようとするが、いざサヤカを目の前にして、なぜか合格を告げられなくなってしまう。さらに、サヤカについてあることが分かり、ますます言い出(だ)せなくなってしまう百音。しかし、サヤカは菅波(坂口健太郎)に探りを入れるなどして、百音が合格したことを察していた。そして迎えたヒバ伐採の日……。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2,7,9週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4週
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5,6,8週
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん)
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
お知らせ
第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。そのつもりで、読んで頂ければ幸いです。
本作の感想への反応が減っているのは自業自得なのだが…
本作の感想に対する反応が、どんどん減っている。もちろん、私が「管理人が返信に困るようなご意見などには対応いたしかねます」と書いているし、実際に毎日本作を見ている人も減っているようで。私もご存知の通りに第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモード。
でも、放送開始前は、こんなに話題にならず、むしろ評価が低くなる朝ドラになるなんて、少なくとも私は思わなかった。
私が考える「良き脚本、強い物語」とは…
しかし、今回「サヤカにウソをついたモネ」を見て、あることを思った。それは、私が当blogに於いて、たまに書く「良き脚本、強い物語について」だ。
優れた脚本、良く出来たドラマは、主人公自身が自分で動くことで、物語も動くと言うこと。そして、主人公が動くことで脇役が動き、脇役が動くことで更にドラマに変化が生まれ、主人公が “強くなる” に従って、物語そのものも “強くなる” と言うこと。
物語そのものが“強くなる” と言うのがわかり難ければ、次のように置き換えても良い。観客や視聴者は当然のこと、主人公や脇役たちにとっても、物語に矛盾や不自然さがなく “ブレない” ことだと。だから「強い物語」には、強い説得力と、登場人物たちへの信頼や共感や応援する気持ちが、自然と湧いてくるのだ。
残念ながら、今の『おかえりモネ』を"強い物語"と言えない!
しかし、残念ながら、現在の『おかえりモネ』を「強い物語」であると、今の私でも擁護しきれない。
その理由は簡単だ。「百音(清原果耶)が気象予報士を目指します」と言う “動機” や “きっかけ” が不明なまま、まず主人公が動き出してしまった。それでも、普通の脚本家や演出かなら、何とか主人公自らの選択で進むべき進路を選んだように見せるのだ。
しかし、本作は、それを時間軸を前後させるわかり難い手法を使ったことで、視聴者が百音の本音を知る機会を失わせた。
菅波に「中学の理科」から教えてくれるよう懇願していれば
更に、気象学の専門家でもない菅波医師(坂口健太郎)を気象予報士の先生に見立て、菅波主導で勉強を描いてしまった。本来なら、百音が直談判して菅波に「中学の理科」から教えてくれるよう懇願するべきだったのだ。そう、こう言う展開が、主人公が動いて物語を作って行くと言うこと。本作は、これもやらなかった。
百音が「合格」をサヤカに隠してしまうと先が見えてしまう
そして、今回だ。あれだけ「誰かの役に立ちたい」と “漠然としてだが” 思って、(一応)必死に勉強して受けた試験の「合格」をサヤカ(夏木マリ)に隠した。すると、こんな意見が聴こえて来そうだ。「主人公が自ら選択したのだから、物語が前進して、良かったのだのでは?」と。確かに、百音が動いて、物語も動いた。
しかし、問題にするべきは、サヤカにウソをついた理由を、多くの視聴者たちが共感&応援できるかってこと。ここが上手くいかないと、脚本家自身が、「合格したら、東京へ行く」と言う、筋の通り難い “百音の動き” を先に決めて書き進んでることがバレてしまうのだ。
やはり、百音の誕生から時間軸通りに描けば良かったと思う
だから、何度も書いているのだ。まず、時間軸通りに、百音の誕生、震災の1年前、百音の吹奏楽部時代、東日本大震災、サヤカの家に居候しながら森林組合で働くまで、普通に描けば良かったのだ。
そして、突然に登米に現れた、テレビで人気のイケメン気象キャスター朝岡覚(西島秀俊) に、百音がちょっぴり恋をして、気象に興味を抱くようになって、更にその思いが、“まるで雲のように” どんどんと形を変えて、やがて「気象予報士の国家資格と取って、誰かの役に立ちたい」と、長期休暇も勉強を頑張ったで良かったのだ。
未知や亮がいる「亀島で役に立ちたい」と思うのが自然では?
更に言うなら、「誰かの役に立ちたい」なら、「東京」ではなく「登米」、もっと突き詰めれば、幼馴染の亮(永瀬廉)や亮の父・新次(浅野忠信)、百音の実家の稼業や妹・未知(蒔田彩珠)のために、「故郷の亀島で、まず役に立ちたい」と思うのが、主人公の自然な心の動きのように思うのだが。
あとがき
サヤカに「合格」を伝えることは、「サヤカをまた一人暮らしにしてしまう」と言う百音の “思いやり” だと、好意的に解釈したかったです。でも、“サヤカにだけ” 隠すのは、やはり好意的に解釈できませんでした。
むしろ、「大きな台風の襲来の特異日=9月17日」に生まれた者、「台風の子」の縁のある者同士として、嘘をつかずに本音を言いあって欲しかったです。特に、序盤でサヤカが自ら “文無し” なのを森林組合の人たちにまで公表しただけに。
今回は、残念な展開でした。普通に「合格」を伝えて、喜びあって、ヒバ伐採の日を迎え、描いて欲しかったです、千葉県も、今朝から雨が降り続いて、ドラマと一緒でスッキリしない1日になりそうです。
お願い…
管理人が返信に困るようなご意見などには対応いたしかねます。書くならご自身の場所でやって下さいませ。
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★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/15749/
【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
1 2 3 4 5 土
第2週『いのちを守る仕事です』
6 7 8 9 10 土
第3週『故郷の海へ』
11 12 13 14 15 土
第4週『みーちゃんとカキ』
16 17 18 19 20 土
第5週『勉強はじめました』
21 22 23 24 25 土
第6週『大人たちの青春』
26 27 28 29 30 土
第7週『サヤカさんの木』
31 32 33 34 35 土
第8週『それでも海は』
36 37 38 39 40 土
第9週『雨のち旅立ち』
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