緊急取調室 4th SEASON (第1話/初回10分拡大スペシャル・2021/7/8) 感想

テレビ朝日系・木曜ドラマ『緊急取調室 4th SEASON』(公式サイト)
第1話/初回10分拡大スペシャル『女神の帰還』の感想。
緊急事案対応取調班、通称キントリの刑事・有希子(天海祐希)が出張で乗った飛行機が離陸直前、カリスマ活動家の塔子(桃井かおり)にハイジャックされた。有希子が説得し、警乗警察官の山上(工藤阿須加)も対応するが、爆弾を持ち込んだと言う塔子は同乗する国土交通副大臣の宮越(大谷亮平)を呼べと要求。そんな中、宮越の秘書の東(今井朋彦)が塔子ともみ合い、命を落とす。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
シリーズ構成:井上由美子(過去作/緊急取調室シリーズ)
脚本:井上由美子(過去作/緊急取調室1~4、ハラスメントゲーム、遺産争族、BG~身辺警護人~)
演出:常廣丈太(過去作/緊急取調室1~4、BG~身辺警護人~) 第1話
樹下直美過去作/オトナ高校、未解決の女シリーズ、コタローは1人暮らし)
音楽:林ゆうき(過去作/DOCTORS~最強の名医、緊急取調室1,2、あさが来た)
主題歌:緑黄色社会「LITMUS(リトマス)」
制作協力:アズバーズ(過去作/緊急取調室2、民生、虹色カルテ、コタローは1人暮らし)
死んだ秘書の息子・奨太を演じていたのが、朝ドラ『エール』で幼少期の古山裕二を演じた石田星空くん
本編の感想の前に、ドラマファンとして見逃せなかったことを書いておく。恐らく、気付いていた読者さんもいらっしゃったと思うが。
国土交通副大臣・宮越肇(大谷亮平)の第一秘書・東修ニ(今井朋彦)の息子・奨太 を演じていたのが、2020年3月末~11月末まで放送された、NHK・連続テレビ小説『エール』で、主人公「古山裕一」の幼少期を見事に演じてくれた「石田星空くん」だったこと。
無口なのに言う時は言うと言う芯のあるキャラクターが、裕一と重なって、ちょっと感動してしまった。そして、コロナ禍でも石田星空くんが元気でいることも嬉しかった。
「肯定的な感想」と「やや否定的な感想」の両方を書く
さて、本作の感想だ。基本的に私は『キントリ』の大ファンだから、2年ぶりに再開してくれただけでも嬉しい。その一方で、今期で『キントリ』シリーズが終わってしまうのは、とても残念だ。
だから、この第1話に関しての感想も、大きく「肯定的な感想」と「やや否定的な感想」が共存してしまった。従って、感想が複雑になって、わかり難かったり、読みにくいかも知れないが、どうか最後まで、お付き合い願いたい。
今作は大々的な番宣によって、"2つのこと"が既に明らかだ
さあ、どっちの感想から書こうか。では、敢えて「やや否定的な感想」から書いてみる。今作は大々的な事前の番宣によって、2つのことが既に明らかになっている。知りたくない人は飛ばしても良いが、数話後には描かれるから、知りたくなくても知ることになるが。
山上善春(工藤阿須加)が「4th SEASONの目玉の新キャラ」
まず、1つ目は、元緊急事案対応取調班のメンバー・中田善次郎(大杉漣)の息子で、今回は「警乗警察官」としてゲスト的な登場で自分の素性を明かした山上善春(工藤阿須加)が、今後『キントリ』のメンバーたちに大きく絡む、謂わば「4th SEASONの目玉の新キャラ」であると言うこと。
警視庁刑事部 部長・北斗偉(池田成志)も新キャラ
2つ目は、序盤の警察組織内での会議の中心人物であった、警視庁刑事部 部長・北斗偉(池田成志)と言う、今シーズンからの新キャラの登場だ。
新キャラ・山上を強調するために前半が引き延ばされ過ぎた
この2つが、第1話でどのような役割を担ったから「やや否定的な感想」になったのか。
まず、新キャラの山上の存在を強調するために。異常な程にハイジャックの放送尺が長くなったこと。 元SITのメンバーで、あの真壁有希子(天海祐希)がいるのだから、もっと簡単に解決、いや解決までいかなくても、もう少し本作らしいテンポアップで魅せることなんて、このキャストとスタッフなら簡単なはず。
でも、開始10位での真壁がカリスマ活動家の塔子(桃井かおり)と顔を合わせた頃から、引き伸ばしが始まった。まあ、今シリーズをずっと見て来て、「本作は結果的に裏切らない仕上がりのドラマ」だと好意的に見ているから、「きっと先があるはず」と思って見た。
でも、もしこれが初見だったら、「10拡大して、その10分目からダラダラなの!?」と思ったと思う。物語として動き出したのも、実際には夜中に集合して、「キントリが9月まで」と言ったところだったし。新キャラを強調したいのは分かるが、そもそも10分拡大して、キントリが取り調べらしきものをしていない状態で、私はどうかと思う。
「残り3か月の組織」のドラマに"縦軸"なんて必要だろうか?
もう1つに気になったのが、やはり、本作もやるのか? と落胆仕掛けた、最近の連ドラでお約束の “縦軸” だ。ほぼ1話完結だからこそ、勧善懲悪の面白さや潔さ、後味の良さがあったのに。わざわざ、「残り3か月の組織」に “縦軸” なんて必要だろうか? 万が一、ひっくり返るような結末になるなら良いが。
その不要としか思えない “縦軸” のためにも、北斗偉(池田成志)を新キャラとして投入して来た。結局、本人も台詞で言っていたように、誰に何を言われようとも我が道を行くのが真壁有希子であり、キントリメンバーなのだから、今後は出来るだけ “縦軸” はカットでお願いしたい。
「2時間スペシャル」で"一気に"解決編まで見たかった!
それと、やや否定的な感想として、なぜ今回を「2時間スペシャル」にして、一話完結で、ファンを魅了しなかったのかってこと。これだけ過去にも高視聴率を叩き出しているシリーズなのだから、「10分拡大」なんてことは言わずに、「2時間スペシャル」で “一気に” 見たかった。
「女優・桃井かおり」の強大な存在感を見せつけられた
さて、ここまで苦言を書いておいて、今さら「肯定的な感想」もないが。やはり、言っておくべきは「女優・桃井かおり」の強大な存在感。流石の天海祐希さんをもってしても、「女優・桃井かおり」から湧き出る不思議さや妖艶さや異常性は、彼女の人生から生まれたもの。それが、活かされた事件であることは褒めたい(結末は分からないが)。
『キントリ』メンバーが絡んで動くだけで、先が見たくなる
そして、もう1つは、例え取り調べシーンが無くても、『キントリ』メンバーが絡んで動くと、それだけでドラマとして「何かが起こりそう」とか「先が見たくなる」と言う気分になってくること。これは “初見” の人には分からないかも知れない。しかし、シリーズのファンとしては、嬉しいことだ。
あとがき
敢えて、「やや否定的な感想」を書いたのも、私の “キントリ愛” の一つだと思って、許して下さい。次回は、通常放送なので、見応えのある「解決編」に期待します。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/15732/
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