TOKYO MER~走る緊急救命室~ (第1話/初回25分拡大・2021/7/4) 感想

TBSテレビ系・日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~ 』(公式サイト)
第1話/初回25分拡大『待ってては救えない命』、ラテ欄『走る手術室!! 全ての命を守るため…危険に挑む救命チーム誕生』の感想。
事故や災害の現場で患者を救う救命救急チーム「TOKYO MER」が発足した。その記念式典の最中、バスの衝突事故が発生。チームのチーフドクター・喜多見(鈴木亮平)らは現場へ急行する。そこには、命の危機にひんした大勢の患者がいた。喜多見らは、複数の患者を危険な現場で手術する前代未聞の課題に挑む。一方、喜多見の決断は厚生労働省で問題視されてしまう。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:黒岩勉(過去作/モンテ・クリスト伯、グランメゾン東京、アンサングシンデレラ、危険なビーナス)
演出:松木彩(過去作/下町ロケット2018、半沢直樹2020、危険なビーナス) 第1話
平野俊一(過去作/S最後の警官、インハンド、ノーダイド・ゲーム)
音楽:羽岡佳(過去作/チーム・バチスタシリーズ)
斎木達彦(過去作/ガールガンレディ)
櫻井美希(過去作/4分間のマリーゴールド ※兼松衆と共同)
主題歌:GReeeeN「アカリ」
医療監修:関根和彦(東京都済生会中央病院 救命救急センター)
浅利靖(北里大学病院 救命救急・災害医療センター)
長谷川剛(上尾中央総合病院)
医事指導:北里大学病院 救急救命・災害医療センター
看護指導:堀エリカ(過去作/朝ドラ「エール、日曜劇場「テセウスの船)
消防協力:東京消防庁
レスキュー指導:幾田雅明(NPO法人 日本消防ピアカウンセラー協会)
警察指導 :伊藤鋼一
"待っていては救えない命"を守るために、走る手術室で危険に挑む新しい救命チームの誕生
“待っていては救えない命” を守るために、走る手術室「最新の医療機器とオペ室を搭載した大型車両(ERカー)」で、危険に挑む新しい救命チームの誕生、そして活躍を描く医療入用ドラマのようだ。
「俺は諦めたくない」と、危険極まりない重大事故・災害・事件の現場に駆けつけ、負傷者にいち早く救命処置を施すことを信念する主人公が、ドラマ全体をけん引していく。
医療ドラマとしてはベタだが、『日曜劇場』としては新鮮!
医療ドラマとしては、若干の既視感はあるが、とにかく「ERカー」などの最新医療アイテムを盛り込むことによって、新鮮さの方が勝っているし、『半沢直樹』風の演出も、内容そのものも前作とも明らかに違うドラマになっているのも好感が持てる。
また、個々の登場人物が、それぞれに抱える “過去” や “事情” が、第1話では “ある” ことだけ描かれたため、今後に描かれることに期待をしたい。
先週末に投降した記事は、間違っていなかったように思う
さて、私は去る7月3日(土)に『「月9」で「アベンジャーズ化」、「戦闘ヒーローモノ化」が次々と制作される理由を考える』と言う記事を投稿した。
なぜ、テレビ制作の現場が、そのような方向に進んでいるのはについては、既に読んで下さった読者さんもいらっしゃるので、まだ読んでいない読者さんは、改めて、この先の感想を読む前に読んで頂ければ、私が、この先の感想で言いたいことが、良くわかると思う。
完全に本作のメインビジュアルが「戦隊ヒーローモノ化」!
その投稿では「月9」について中心に書いたが。実は、本作のメインビジュアルが「戦隊ヒーローモノ化」し、攻めた宣伝活動を行っていると書いた。

©TBS
また。事故現場や災害現場にいち早く駆け付けて、最新鋭の医療器材と手術室を完備した架空の大型専用車両「ERカー」トラックは、まるで映画『アベンジャーズ』に登場する巨大な乗り物「ヘリキャリア」を彷彿させる未来感まであると書いた。
「月9」で放送中の『ナイト・ドクター』より成功している
さて、実際にこの投稿を読んだ後で、本作の第1話を見て、どう感じただろうか。私は、「アベンジャーズ化」と「戦闘ヒーローモノ化」の合体が、「月9」で放送中の『ナイト・ドクター』よりも成功しているし、見応えのある医療ドラマになっていると感じた。
各世代が、思い思いの作品を頭に描いたと思う…
まず、簡単なことから。賛否両論あると思うが、私には、7人の命懸けの医療チームが活躍する「戦隊ヒーローモノ」であり、「ERカー」などを見れば、最近ならアメリカのスーパーヒーロー映画『アベンジャーズ・シリーズ』を思い出したと思う。
また、昭和に少年少女期を過ごした中高年なら、1960年代後半に人形劇として放送された、世界各地で発生した事故や災害で絶体絶命の危機に瀕した人々を、「国際救助隊」(IR―International Rescue)と名乗る秘密組織がスーパーメカを駆使して救助する活躍を描く物語『サンダーバード』を。
そして、最近の日本のドラマなら『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』を思い出したかも知れない。そう言う幅広い視聴者層が、各自に懐かしむことが出来るでラマになっていることに、まず注目したい。
「戦隊モノ」風に、本作の「7人のチーム」を色分けすると
そして、「戦隊ヒーローモノ」の部分も、実は良く出来ている。「戦隊モノ」に造詣のある人からは異論が届きそうだが、あくまでも一般的な『秘密戦隊ゴレンジャー』風の解釈で、このドラマの「7人のチーム」を色分けすると、次のように感じた。
【ブルー】=知的でクール:臨床工学技士で医療機器のスペシャリスト・徳丸(佐野勇斗)
【イエロー】=明るいムードメーカー:外見からも麻酔科医の冬木(小手伸也)
【グリーン】=癒し系のバランサー:シングルマザーで外科病棟副看護師長・蔵前(菜々緒)
【ブラック】=すごく強い一匹狼:若手エリート官僚で医系技官の音羽(賀来賢人)
【ピンク】=女性を活かしたキャラ:ベトナム出身の看護師・ホアン・ラン・ミン(フォンチー)
【ホワイト】=まだ何の色に染まっていない:研修医・弦巻比奈(中条あやみ)
こんな感じに見えなかっただろうか? そう、小学生でも楽しめて、中学生以上ならドラマの役割と登場人物の設定が合致していることも理解できるはずだし、何より大人たちまで普通に分かり易く描かれているのだ。
『日曜劇場』お約束"政治"を介入させた人情ドラマの一面も
まあ、それだけだと本当に「アベンジャーズ化」と「戦闘ヒーローモノ化」を『日曜劇場』でもやりました… ってだけになるから、そこは政治を介入させて、お約束の「政治の世界」と「世間の現場」の違いを描く人情ドラマの要素も外していない。
また、政治を介入させると言う部分でも大活躍の予感しかしないのが、“ブラック” の音羽の存在だ。チームに属し医師として活躍するのに、政治側からは “エス(スパイ)” の役割が与えられている。従って、ドラマの “引っ掻き回し役” して、既にキャラが巧みに機能している点にも、注目した。
どうやら、これまでの “半沢直樹風” とも違う、荒唐無稽なSFチックな雰囲気漂う新たな医療度ドラマになりそうだ。
あとがき
新型コロナウイルス感染対応でたいへんな状況下で、コロナ禍の今、医療従事者を直接描くことは、やはりドラマとしては難しいです。
でも、きっと、私を含めて(私の場合は、妻がその最前線で働くい医療従事者ですが)多くの人たちが、医療従事者の人たちに “エール” や “応援” や “労い” を伝えたいのに、それが出来ないのが現実。
でも、ドラマの中の救命救急チーム「TOKYO MER」のメンバーや、そこに関わる警察、消防などの人たち、そう、劇中の医療や命を守る登場人物たちへ素直に「ありがとう!」を伝えることが出来るドラマとして、この東京五輪2020が開催されるであろう、2021年の夏に、このドラマを放送する意味と価値が大いにあると思います。
それと、小さなことですが。元ハイパーレスキュー隊員で、「TOKYO MER」を管理する(指令を伝える)危機管理対策室室長の駒場卓(橋本さとし)が座っていたのが「車椅子」でした。終盤でチラッと車椅子の持ち手が映りましたので。駒場の過去、駒場の「TOKYO MER」の思いも、今後描いて欲しいです。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/15718/
- 関連記事
-
- 連続テレビ小説「おかえりモネ」 (第36回・2021/7/5) 感想 (2021/07/05)
- ボクの殺意が恋をした (第1話・2021/7/4) 感想 (2021/07/05)
- TOKYO MER~走る緊急救命室~ (第1話/初回25分拡大・2021/7/4) 感想 (2021/07/05)
- ひきこもり先生〔連続5回〕 (第4話・2021/7/3) 感想 (2021/07/04)
- NHK特撮ドラマ「超速パラヒーロー ガンディーン」 (第2話〔全3回〕・2021/7/3) 感想 (2021/07/04)