連続テレビ小説「おかえりモネ」 (第34回・2021/7/1) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おかえりモネ』(公式サイト)
第34回/第7週『サヤカさんの木』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
暴風雨から一夜明け、サヤカ(夏木マリ)は朝岡(西島秀俊)が気象情報を伝えるテレビ画面に見入る百音(清原果耶)の様子に気がつく。未知(蒔田彩珠)の進路を心配していた耕治(内野聖陽)だったが、百音の助言も受けて未知に任せることに。ある日、森林組合の面々が前日のラグビーの試合結果で盛り上がる中で、百音はその試合にも朝岡たちの会社が関わっていると知り、気象情報会社への興味をいっそう募らせていく。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2,7週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4週
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5,6週
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん)
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
お知らせ
第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。
昨日のある読者さんへの返信を「みっきーのプチ映像講座」に
前回の感想に、ある読者さんから、「このドラマは顔のアップが多い理由が分かりますか?」みたいな質問を頂いた。そこで、是非とも読んでない読者さには知って欲しいことなので「みっきーのプチ映像講座」として読んで頂きたい。既に読んだ人、素人の解説なんて酔いたくない人は、だいぶ下↓の方までスルーして結構だ…
数年前からアニメーションに登場人物のアップが増えている
今から書くことは、ただの素人の私の意見だ。演説でも主張でも理論でもない。あくまでも、最近の映像作品と視聴者の関係性を見て感じたことを書く。では、最初に私から貴方へ質問。貴方は、数年前から、全てとは言わないが、結構有名な作品を無踏めて。一定数のアニメーション作品に於いて「登場人物のアップ」が増えているのにお気付きだろうか。
ここ最近SNS普及で視聴者の物語への理解力が低下している
理由は幾つかある。中でも私が考える有力な理由が、(誤解を恐れずに書くと)ここ数年のSNSによるリアタイ視聴者の増加によって、視聴者の物語への理解力が低下していること。
要は、最近の若年層を中心にテレビのリアタイ資料はスマホ片手。そして、ある登場人物が物語上で重要な台詞を “何気なく” 言ったとする、すると、理解力が低下している視聴者は、物語を追い掛けるのと、ネットでバズるのに必死になって、その何気なく言った大事な台詞を聞き逃す。
作り手の、物語への理解力が低下している視聴者対策がこれ
すると、困るのは作り手だ。そこで、作り手は次のような対策を講じる。
1.重要台詞を言う登場人物は、出来るだけアップにして目立せる。
2.重要な台詞は、出来るだけ重要だとわかるように喋らせる。
3.重要な台詞は、難しい表現を使わない。
最近のアニメと『おかえりモネ』が圧倒的に違うのは…
『おかえりモネ』も、この対策を朝ドラに持ち込んでいると思われる(あくまでも、私の想像だが)。
しかし、最近のアニメと『おかえりモネ』が圧倒的に違うのは、「演者の表情(演技)だけで伝えようとするカット」が必ずあるってこと。特に、主人公・百音(清原果耶)はハッキリ意見を言わない。だから、相手が言ったことを理解し、感じたのかも曖昧な描写になる。
でも、この百音の表情だけから受ける “曖昧さ” や “あやふや加減” で、脚本家と演出家が創出しようとしているものこそが、「揺れ動く、19歳の女の子(って、言って良いのかな?」らしい、感情表現」ではないのかってこと。
本作だって、流し見さえしていなければ、内容は伝わる
この対策や方法は、好みが分かれる。時に、分かり易いドラマや、伏線や回収こそがドラマの面白さだと思っている視聴者には、如何せん “遠回り過ぎる” ドラマになる。
でも、本作だって、流し見さえしていなければ、サヤカ(夏木マリ)と百音の誕生日が同じ「9月17日」で、サヤカが「カスリーン台風上陸の日」に生まれた人であることくらい、じっくり、偏見なく、自然に楽しんで見ていれば、想像できるのだ。内容そのものに共感するとか、納得出来るのとは違う次元の話だが。
でも、想像を嫌う、想像を面倒だと思う人もいる。そう言う類の人たちは「設定として決まっているなら、最初から分かるように表現しろ」と思うはずだ。まあ、多数決で判断するなら、この人たちの方が正論だと思うが。
挑戦的なドラマづくりを私は積極的に評価したいし応援する
でも、本作の脚本家・安達奈緒子氏とメイン監督・一木正恵氏は、意図してやらない。これまでの「何か用事をしながらでも、聴いているだけで話が見えて来る定番の朝ドラ」への “アンチテーゼ” のように、「今作は、1カット、一台詞でも逃したら、道に迷う新種の朝ドラ」を目指しているように思う。
そのことが正しいのか誤っているのかは分からない。しかし、挑戦的なドラマづくりを私は積極的に評価したい立場で、いつも数々のドラマの感想を書いている、だから、「第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。」と、敢えて冒頭で皆さんに断っているのだ。
さて、ここからが今回の感想だ(長過ぎ!)
さて、ここからが今回の感想だ(長過ぎ!)。アバンタイトルの冒頭で「台風通過後 早朝」のテロップが入った。
朝岡(西島秀俊)出演していた “天気予報” の天気図は「10日 17:00」になっていたから、前回で描かれた台風(現実には「平成27年9月関東・東北豪雨」と呼ばれている)は、9月9日~11日にかけて関東地方及び東北地方で発生した豪雨災害のことで。
現実と照らし合わせると、宮城県の大雨特別警報が解除されたのは、9月11日の19時30分だから、に解除され「台風通過後 早朝 = 12日の早朝」で、更に「百音とサヤカの誕生日まで、あと5日ある」と解釈して良いと思う。こうやって、現実とフィクションを重ねて考えるのが、私は大好き。だから、当然、大嫌いな人もいるわけで…
普通のドラマならやる"状況説明カット"を嫌う傾向がある
主題歌明けは、天気の話でなく、トムさんこと田中(塚本晋也)の写真の話。どうやら、森林組合のギャラリーを利用して、個展を開催しているようだ。普通のドラマなら、森林組合の全景なり、個展の看板のインサートカットが入るのがお約束だが、本作はやらない。映像に映っている家具や装飾や人物たちから “予想” させる。
そう、今作に於いては「想像する」より「予想する」と表現した方が、適切なような気がして来た。「この先、物語がどう進むのか、予想する」のだ。想像は勝手にできるが、予想は具体的な情報が必要だ。その点でも、今後は出来るだけ本作の感想では “予想” と書いて、「あんな展開になるかも!?」の時は “予報” としてみようか(笑)
朝ドラは健康な人ばかりでなく病気や入院中の人も見るから
ここで恐縮だが、私事(実話9を書かせて頂く。実は、昨日、『おかえりモネ』の感想を書き終えた後、かかりつけ医へ診察に行った。これまで10年以上、私の循環器系の2つの病気の大学病院に勤務する担当医が、「コロナ患者担当の専従医」になったため、以前からのかかりつけ医が新たに “2つの循環器系の病気” の治療をすることになった。
そして、かかりつけ医に、こう言われた。「○○さんは、まだ50代で若い。この先の人生を考えたら、薬の量を倍に増やして検査数値を下げる治療に移行しませんか?」と。でも、私は薬を飲むことには抵抗はないが、今ところ普通に暮らせているのに、薬を増量するのには多少の抵抗があった。
そこで珍しく少し悩んだ様子の私に、かかりつけ医はこう加えた。「奥さんと二人暮らしでしょ。だったら、1日でも長生きして奥さんの面倒を看てあげて。今、こんなにコロナ禍で大変な中、奥さん、看護師として頑張ってるんだから」って。
因みに、かかりつけ医は、私の妻が大学病院で看護師&助産師なのを知っているし、私の仕事がコロナ禍で激減しているのも知っている。だから、こう言ってくれたのだと思う。そして、私は、今朝から夜だけ飲んでいた薬を朝晩飲むことを承諾した。
もしかしたら、今週の『おかえりモネ』を見ていなかったら、田中さんと菅波のやり取りを見ていなかったら、拒んだかも知れない。でも、かかりつけ医には1か月1回通院するし、調子が悪ければ薬を減らせば良いとも言われたし。
やはり、朝ドラって、健康な人ばかりでなく、病気や入院中の人も見るドラマ。それも毎日。だから、丁寧に作って欲しいし、きちんと考えられて作られているから、私の心も動いたと思う。
百音が実家に田中さんのことを電話した日は9/27より以前
5分、舞台が森林組合から、亀島の実家に移った。百音が両親へ田中さんが先代の病院に転院することを告げる電話のシーンだ。居間のカレンダーが「2015年9月」だから、まあ、直前のシーンの夜と “予想” しておこう。
そして、この夜は、未知(蒔田彩珠)の百音へのお願いから “予想” しても、「平成27年度 宮城県職員採用試験」のハガキに記載されていた第1次試験日「9月27日(日)」より以前であることも分かる。
田中さんの報告の電話の日は「百音の誕生日」より後だった
ところが、驚いたのが、亜哉子(鈴木京香)の発言で、百音の誕生日「9月17日」が過ぎていたってこと。確か、以前に、19歳になった百音の誕生日の時も、菅波がプレゼントとして「中学の理科の本」をくれただけで、両親や妹、友だちからのプレゼントや電話、メールも無かった違和感があった。
そしたら、二十歳になる誕生日も、「9月17日」はスルーしちゃった。別に、家族全員で別居している百音に「おめでとう」と言う場面は絶対に描くべきとは言わないが。
やはり日本酒が届いて飲みたいと父が言うなら、現実は「9月17日」は木曜日で2日後の19日(土)~23日(水)までの「秋の大型連休(シルバー・ウィーク)」なのだから。まずは、誕生日当日の夜は、百音とサヤカで乾杯。そのあと、連休に百音が実家に帰省して家族で乾杯なんて方が、ホームドラマらしいと思うが。
やりたくないことは、やらないのが本作。ここは少し、柔軟性がほしい…
秋の大型連休なのに仕事があるから帰省は叶わなかったか…
10分の森林組合は「9/21」だった。本来なら秋の大型連休なのに、仕事があるってことか。だから、帰省は叶わなかった。ここで、やっと整合性が取れた。ラグビーの天気情報のパソコンの情報の日付は「2015/9/19」となっていたが、これは2日前の試合の話だから、これも整合性OK。
今回の15分間で「27日間も時間経過」していたのか?
そして、また驚きが。13分、気象予報士の2回目の試験の合否判定在中のハガキが「10月9日 配達指定」。ってことは…。今回の冒頭が「9月12日の早朝」で、13分が「10月9日の帰宅時」となる。これは、“予想” でも “予報” でもなく、今回の15分間で「27日間も時間経過」したと言う “描写” によってわかったこと。
百音は、"約5か月間"気象予報士の勉強はしていたの?
これ、録画か見逃がし配信を見れば確認できるが。月曜日はアバンタイトルの冒頭で「2015年(平成27年)3月」のテロップが入った。そして、試験結果はご存知の通り「不合格」。
そして、気象予報士の試験は「1月と8月」だから、少なくても、百音には3月の「不合格判定」から8月に2回目の試験まで “約5か月間” はあったはず。まっ、ドラマとしては、月曜日から木曜日の4日間しか経過していないが。
例えワンカットでもあれば、百音の"心情"が伝わったのに…
私が何を言いたいのか? 細かくみないとわかり難いが、きちんと時間経過が分かるように創られている点は、評価する。時間経過が話かららない人は「分かろうとしていない人」だから、しょうがないし。ただ、間違っているとまでは言わないが、とても勿体ないことを、今回の15分でやったのは明らかなこと。
だって、前回で久し振りに朝岡と再会して、気象予報士の仕事をあれこれ学んで、実際に台風が来て、いろいろ決意が決まって、漸く、「百音のスタート」だと思ったに、今回は、菅波と一緒に勉強すする姿も、参考書を開く百音も、ワンカットすらなかったこと。
例え、ワンカットでもあったら、百音の “心情” が伝わるのだ。そう、「勉強して、気象予報士の試験に合格したい」ってことが。
あとがき
第2回目の試験も「不合格」だったのですから、いくら「合格率5%の難関」とは言え、1回目の時と知識量はほとんど変わっていないと見るのが普通ですよね。だって、明らかに、第2回目の時の方が勉強してませんから。運転免許も取ってるし。
で、次の3回目の試験は2016年1月で、あと3か月程度しかないのです。とにかく、「百音が勉強している姿」は「1回にワンカット必修科目」にして欲しいです。前回が良かっただけに、本気でも勿体ないと思いました。
だって、今回の感想の序盤で書きましたよね。殆どの視聴者は「合格通知」が来なければ、勉強していないのと同じと受け取ってしまうのです。だから、このままの描写で「合格通知」が届いたら、「簡単に受かるんだね。5%なのに」ってなるわけです。
ですから、本来は “暇さえあれば” 百音が参考書を読んでいるカットを盛り込んで欲しいのです。そうすれば「あんな深夜まで、あんな食事中まで、勉強しなくちゃ、やっぱ5%の壁は超えられないんだ。モネ、スゴイじゃん!」ってならないのです。
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