連続テレビ小説「おかえりモネ」 (第33回・2021/6/30) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おかえりモネ』(公式サイト)
第33回/第7週『サヤカさんの木』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
百音(清原果耶)は、サヤカ(夏木マリ)、中村(平山祐介)、朝岡(西島秀俊)の3人がつながりを持つようになったきっかけを知る。一方、亀島では、未知(蒔田彩珠)が高校を卒業したらすぐに水産試験場で働こうとしていた。数日後、登米が暴風雨に見舞われる。安全のため、同じ部屋でサヤカと夜を明かすことにした百音は、サヤカの木を大切にする思いを聞いて、心を動かされる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2,7週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4週
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5,6週
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん)
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
お知らせ
第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。
前回と今回で、ドラマが大きく転換する予感がした
今回の15分間を見て、これまで私が “好意的に解釈してきたことたち” が、何となく1つにまとまって来て、前回の感想に書いたように、「前回をきっかけに、良き方向にドラマが進んでくれることを信じたい」と言うのが、本当になりそうな予感がした。今回の感想は、その部分を中心に綴ってみる。
ずっと気になっていた中村医師と朝岡と、登米と姫の関係が明らかに!
まず、ドラマ開始当初から気になっていたのが、気象予報士の朝岡(西島秀俊)と、明るく豪快な性格で診療所の医師・中村(平山祐介) が、なぜ「登米」と言う “土地” と、サヤカ(夏木マリ)と言う “登米の姫” との関係だ。何となく想像は出来てはいたが、劇中で明確に描かれたのは今回が初めてだ。
だって、劇中で朝岡自身も次のように言っていたではないか。「以来 何となく…」と。1か月半も経過してから? と思うが、こうやって少しずつ謎が解けていくのが『おかえりモネ』の作風だから、嫌なら見ないか諦めるか、良いと思うなら流れに身を任せたら良いと思う。
森林組合のホワイトボードの日付は、当日の日付なのが発覚
さて、幾度も書いて恐縮しているが。本作の劇中の時間や時刻を知る数少ない手掛かりの1つが、森林組合にあるホワイトボードの左上に手書きで書かれた「月/日」がある。これまで、私はこの日付を、「今日の日付」なのか「森林組合が1週間でやるべき作業を書いた日」なのか判断できなかった。ここがジレンマの1つだった。
因みに、前回で朝岡たちがやって来た日は「4/5」と記載してあり、当blogでは「4/5以降」と表記した。しかし、今回であの手書きの日付が「今日の日付」であることが分かった。それは5分頃、宴会の夜が明けた朝のシーンだ。
百音(清原果耶)が朝岡を駅まで車で送迎しようと提案した際に、朝岡が手にしたノートパソコンの画面に映った天気図の日付が「2015年9月6日」になっていたのだ。と言うことは、フィールドワークと宴会は「9/5」で、翌日は「9/6」。
これ、大したことでないと思う人が多いと思うが、劇中時間が曖昧な描写を続ける本作に於いて、これが分かったことは大きな収穫だと思う。
5分過ぎの「リードタイム」から始まったくだりも良かった
そして、5分過ぎの「リードタイム」から始まったくだりも、本作にとっては大きな転換期を描いたと思う。朝岡が言った「私たちが全力を尽くして提供するのは 大切なものを守る時間です」に、絵に描いたように “食いついた” 百音の表情。
ただ、少し先の天気がわかるとか、知らせることが出来るとか言う漠然とした気象予報士の仕事でない、具体的な「大切なものを守れる時間を提供できる資格」だと言うことに目覚めたのは良かった。
百音が朝岡に抱く同志のような親近感や共感が普通だと思う
でも、ここの脚本と演出、演技指導と演技が上手いのは、朝岡の言葉に目覚めたが、完全に目覚めた演技になっていないこと。だから、朝岡は敢えて「あと…」と、話を続けた。
「何もできなかったと思っているのは あなただけでは ありません」と言う、謂わば、震災に世tt大切なものを守る時間を作れなかった “同志” のような共感や親近感。これが、気象予報士への、そして朝岡への目標や憧れになるのは、19歳の百音にとっては “普通” のことのように思う。
今回の台風のエピソードは、2015年9月に起きた事実
7分後、「数日後」のテロップが入って、「台風18号が日本海で温帯低気圧に変わったが、東から来ている第風17号の影響で…」と天気予報番組内で朝岡が解説する場面が入った。
因みに、これは事実。2015年9月9日に愛知県に上陸した後に日本海上で温帯低気圧に変わった台風18号と 、日本の南東から接近してきた台風17号が、関東地方北部から東北地方南部にかけて合流し、「平成27年9月関東・東北豪雨」と命名された程の東日本に大きな被害を出した大雨だった。
朝岡が出演していた天気予報の天気図は「10日 10:30」とあったから、翌日の午前中の雨雲の様子を捉えたものだと思う。
「運命の相手」が東京へ帰ったら、登米に、百音に、サヤカに、雨が降って来た!
さて、ここで、前回の私の感想を思い出して欲しい。それは、「百音に何かが起こる時、百音の感情が大きく動く時、百音が自分の存在に気付く時、百音が自らも無力さに気付く時、必ず “雨” が降る」と言う、私の説だ。
そして、今回、朝方は快晴だったのに、「運命の相手」が東京へ帰ったら、登米に、百音に、サヤカに、雨が降って来た。当然、今回の終盤で、百音の心情に大きな変化が訪れるが、その話は、あとで詳しく書くことにする。
やはり、百音とサヤカの誕生日は同じで、サヤカは「カスリーン台風」の日に生まれていた!
今回で、注目して欲しいのは、8分頃に百音とサヤカが一緒に寝入る場面で、サヤカが明かした「出生の秘密」についてだ。
実は、私は6月17日(木)放送の第24回の感想で、「災害は繰り返す」と言う言葉を引用して、「実は、サヤカは前回でも書いた『大型台風襲来の特異日』の9月17日に、戦後すぐの1947年(昭和22年)に襲来し、百音が生まれた時の「台風12号」と進路がよく似た「カスリーン台風」の日に生まれた設定ではないか?」と、予想していた。
そして、それが脚本家の意図だとしたら、サヤカが天気や森や山に興味関心を抱き、森林組合を立ち上げたと言うのも、百音との因縁と言うか関係性含めて、ドラマの設定としては、面白いと思うと書いた。
そして、私の「天気予報」ならぬ「ドラマの設定予想」、「脚本家の意図の想像」が、ほぼ的中したと思っている。だから、多分、前回と今回をきっかけに、このドラマは大きく動いて行くはず… と信じたい。
朝岡の言葉を素直に受け入れた百音が、1つの決心をした瞬間
13分頃の、序盤での百音と朝岡のやり取りの回想であり、続きの描写も良かった。
カメラアングルも台詞も変えて、「私たちは サヤカさんも もしかしたら 誰もが 自分は 何もできなかったという思いを 多少なりとも 抱えています。でも 何もできなかったと思う人は 次は きっと 何かができるようになりたいと強く思うでしょ? その思いが 私たちを動かすエンジンです」と。
笑顔で自分の “信念” を優しく、且つ、注空強く語る朝岡と、やわらかな表情で朝岡の言葉を素直に受け入れた百音が、1つの決心をしたように見えた。
あとがき
朝岡の「何もできなかった人」と「次は きっと 何かができるようになりたい」と「私たちを動かすエンジン」が巧みに盛り込まれて、百音の気象予報士への思いだけでなく、百音の妹・未知(蒔田彩珠)の進路問題にまで上手く絡めた、良く出来た15分間でした。
とにかく、漸く、主人公のドラマが始まる兆しが見えて来ました。それが遅いのかどうかは、この先の展開で、また判断しようと思います。
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★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/15704/
【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
1 2 3 4 5 土
第2週『いのちを守る仕事です』
6 7 8 9 10 土
第3週『故郷の海へ』
11 12 13 14 15 土
第4週『みーちゃんとカキ』
16 17 18 19 20 土
第5週『勉強はじめました』
21 22 23 24 25 土
第6週『大人たちの青春』
26 27 28 29 30 土
第7週『サヤカさんの木』
31 32
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