NHK特撮ドラマ「超速パラヒーロー ガンディーン」 (第1話〔全3回〕・2021/6/26) 感想

NHK総合・NHK特撮ドラマ『超速パラヒーロー ガンディーン』(公式サイト)
第1話〔全3回〕『遭遇:encounter』の感想。
大志(奥野壮)は、町工場を経営する父・源(つるの剛士)や幼なじみの理央(中村守里)らに見守られながら、車いす陸上の練習に励む高校生。元陸上選手の京(小芝風花)は大志のコーチを引き受ける。そんなある日、空から宇宙人(林カラス)が降ってきた。さらに、巨大怪獣とそれを操る謎の‘赤い角の女’(水野美紀)も襲来。その時、宇宙人から渡された結晶が光を放ち、大志を包んでいく。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:まなべゆきこ(過去作/連続殺人鬼カエル男、レッドアイズ監視捜査班) 第1,2話
小林弘利(過去作/ウルトラマンオーブ、ウルトラマンタイガ、探偵・由利麟太郎) 第3話
演出:辻本貴則(過去作/キャバすか学園、ウルトラマンR/B、ウルトラマンタイガ、ウルトラマンZ)
音楽:原文雄(過去作/ウルトラマンサーガ)
キャラクターデザイン:西川伸司(過去作/ビオランテ、モスラ幼虫、キングギドラ)
主題歌:島爺「逆光」(ワーナーミュージック・ジャパン)
スーツアクター:稲庭渉(過去作/アクマニヤ星人、ゾフィー、ウルトラマンジャック、ウルトラマンブル)
大久保洸成(過去作/ウルトラマンゼロ、ウルトラマンリブット)
パラ陸上監修:花岡伸和(日本パラ陸上競技連盟)
コーチング監修:水野洋子(日本体育大学)
1か月前に紹介したドラマの第1話の感想を綴ろうと思う
先月の28日。もう1か月近く前に、『小芝風花の“パラスポーツ×特撮”NHKドラマで水野美紀がラスボス役!』と言う投稿をした。読者さんの反応も殆ど無かったから、記憶の片隅にすらないまま、昨日の本放送日を迎えた人も多いと思う。と言うわけで、紹介した者の責任として、第1話の感想を綴ってみようと思う。
車椅子陸上に打ち込む17歳の男子高生が"車椅子ヒーロー"に
出来れば「見逃し配信」でも見て欲しいから、ドラマの全体像を書くのは控えたいが。でも、一応書いておく。
ここは現在の地球。主人公は、元陸上選手の深井京(小芝風花)のコーチを受けながら。障がいを抱えながらも大きな夢を持ち、車椅子陸上競技の練習に日々打ち込む17歳の男子高校生・森宮大志(奥野壮)。
一方、数十万光年離れた別の銀河にあるもう一つの太陽系にある地球の “双子星・アラート” では大侵略が発生しており、大志と同年代のイケメン異星人・グーが、アラート星から地球に逃げて来る。そして、アラート星からグーを追って巨大なトカゲのような怪獣が大志の家を襲って来る。
危機一髪の大志だが、グーから手渡された “モードシフター” が光を発し、大志の全身を包んで行くと、全身が特殊なプロテクターで覆われた、強化スーツに身を包んだ車いすのヒーロー「ガンディーン」に変身する。変身した大志は、車椅子のまま、怪獣めがけて突進して行く。
NHK総合の土曜夕方の割に、かなり作り込まれた特撮ドラマ
ここまでが、本作のメインストーリー。NHK総合の土曜夕方のドラマにしては、かなり作り込まれた特撮ドラマになっている。
それも、そのはずで。本作には数々の有名な特撮ドラマに関わったスタッフが集結しており、手抜きはほぼ無い。この点について知りたい方は、上記の『小芝風花の“パラスポーツ×特撮”NHKドラマで水野美紀がラスボス役!』を参照して頂けると、とても助かる。
「パラスポーツ×本作特撮ドラマ×青春ホームドラマ」合体
そして、サブストーリーは、主人公・大志のコーチであるヒロイン・深井京(小芝風花)、大志の父・森宮源 (つるの剛士)と彼が経営する町工場の従業員たち、幼馴染の女子高生・清名理央(中村守里)らの大志を支える青春ホームドラマの一面だ。
「パラスポーツ×本作特撮ドラマ×青春ホームドラマ」の “3つのいいとこ取り” を狙った、NHKの意欲作と言うことだ。なお、放送は、2021年6月26日、7月3日、7月10日(全3話)だから、お見逃しなく。
「車椅子陸上」や、幼少期から障害を抱えた人生観が学べる
さて、ドラマ本編の感想だ。第5波が既に始まっていると言う感染の専門家もいるコロナ禍の今、東京五輪2020のオリ・パラの開催の是非については、私自身は未だに懸念を抱いている。
ただ、東京五輪2020の有無とは別に、勉強不足で申し訳ないが、大量の知識不足なパラリンピックの「車椅子陸上」についてや、子どもの頃から身体に障害を抱えた人の人生観などが、ドラマを見ることで少しずつわかって来るのは良いことだ。
また、それらが明るく描かれ、それと宇宙が繋がっていると言う壮大なストーリーになりそうな気配を感じるのも悪くなかった。
一般的な感覚で本作を見ると「何を言いたの?」って感じも…
ただ、40年ほど所謂「特撮ドラマ」の世界から遠ざかったテレビドラマライフを送ってきた私にとって、前述の、メインである「特撮ドラマらしい部分」と「青春ホームドラマ」の部分が、突然に画面が切り替わって話がそっちの方向へ進んでしまうため、いかさか理解に苦しんだ。
と言うか、一般的なドラマを見る感覚に於ける「何を言いたの?」が見えづらかった。そう言うものが「特撮ドラマだ」と言われれば、反論できないが。
でも、折角、NHK総合で放送するなら、“特撮慣れしていない視聴者” 向けの配慮ある構成や編集や映像処理があったら、もっと多くの人が楽しめると思う(既に、クランクアップしてしまっている可能性は大きいが)。
Eテレ初の本格ドラマ『ハルカの光』に似た意欲作へ通じる
第1話を見終えた感想は、現在、人気再浮上中で再放送と再々放送されているEテレ初の本格ドラマ『ハルカの光』(※下記の投稿を参考にして頂きたい)に似たものを感じた。
『ハルカの光』は、東日本大震災の被災者である若い女性が「名作照明」とそれを売る店の店主と買いに来るお客さんとのやり取りを描きつつ、「東日本大震災から10年目の被災者の今」と「名作照明の知識を得るドラマ」と言う、異色コラボだった。
「おかえりモネ」と重なる世界観!Eテレ初ドラマ「ハルカの光」5/28から再放送、再々放送決定!
コロナ禍の閉塞感や疲弊を吹き飛ばすヒーロー誕生のドラマになって欲しい!
そして、本作は、「まだまだ日の目の当たらないパラ陸上競技自体の現実と選手の今」と「特撮ドラマが持つ壮大な世界観」で、(語弊があるかも知れないが)コロナウイルスよりも、もしろ感染拡大防止のための人や経済の閉塞感や疲弊を吹き飛ばしてくれるような、ヒーローが登場する異色ドラマになってくらたら素敵だなと思った。
あとがき
プライムタイム(夜の看板番組が並ぶ時間帯のこと)のドラマが、NHKを含めて視聴率で失敗したくないために、似たような恋バナや医療ドラマが乱立して、食傷気味の中で、土曜日の夕方とは言え、本作のような挑戦的な企画のドラマは応援したいです。
それと、何気なことですが、大事なことなので書いておきます。ドラマの特性上、「副音声」が付けられています。その「副音声」がとても良いのです。分かり易いだけでなく、特撮ドラマだから目で見ないとわかり難い表現を、さり気なく上手に解説していました。この辺は、やはり「NHK手抜かり無し」ってことですね。
NHKドラマ『トクサツガガガ』以来の特撮関連ドラマへ出演された小芝風花さん。流石に、あの華奢なスタイルで「元陸上選手」役は無理がありますね。でも、全体の風息を壊しているわけでは無く、むしろ、本作を「異色ドラマ」ではないドラマに感じさせ、見せる役割を大いに担っていると思います。
残念ながら見逃してしまった読者さん。下記のNHKのリンクから「見逃し配信」がありますので、良かったら見て下さい。
見逃し・同時配信 - 特撮ドラマ 超速パラヒーロー ガンディーン - NHK
※配信期限 : 7/3(土) 午後6:43 まで
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry//15692/
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