連続テレビ小説「おかえりモネ」 (第28回・2021/6/23) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おかえりモネ』(公式サイト)
第28回/第6週『大人たちの青春』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
いよいよ最初の気象予報士試験の日がやってくる。サヤカ(夏木マリ)や菅波(坂口健太郎)の励ましを受けて試験へ向かう百音(清原果耶)。しかし、合否が分かるまで、しばらくは気をもむ日々が続く。そんな中、田中(塚本晋也)からのテーブルの注文が突然キャンセルに。心配した百音が自宅を訪ねると、そこには病状が悪化した田中の姿が。百音は菅波に何とかできないか相談するが、菅波はいつになく頑なな態度をとる…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
宣言!
今週から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。従って、異論反論にはご対応いたしかねます。
「時間表示や提示」をやるなら正確に、やらないなら徹底的に無視すべき
“超” が付く程、好意的に本作を見続けている私だが、これまでも言って来た苦言がある。それは、「時間表示や時間提示」をやるなら正確に、やらないなら徹底的に無視。そのどちらかに徹底すれば、あと3つは “超” を付けられるのだ。
百音の部屋のカレンダーに「試験日」と書いて"赤い丸印"を付けるだけで良いのに
そこで、今週の時間軸のおさらいをやっておく。なにせ「土曜日版」が全く “おさらい” の役に立たないから。
まず、月曜日の終盤に、百音(清原果耶)が気象予報士の試験は、「年2回やってて 次は 来年の1月です」と言っており、前後の展開からこの日(クリスマスツリーに雪が降った日)が2014年12月22日頃なのが分かっている。その直後、菅波の台詞とテロップによって、次の3項目も分かっている。
●2015年(年明けすぐ)1月の1回目の試験での合格は諦める
●2015年8月で学科を突破
●2016年1月で実技も突破して、気象予報士に合格
そして、菅波(坂口健太郎)が試験までの「20日」はちゃんと勉強しろと言っていたから、試験日は「1月10日(土) or 11日(日)」だ。因みに、本当の201年の試験日は「1月25日(日)」だから、劇中の試験日は「1月11日(日)」をするのが良いと思う。どうでも良いことではあるが。
こう言うの、普通の演出家なら百音の部屋のカレンダーに「試験日」と書いて “赤い丸印” を付けるのが、お約束で分かり易いと思うのだが。まあ、やらないのだから、諦めよう。そう、この諦めこそが、毎朝イライラせずに本作を見る秘訣。そう言うこと。
もっと、百音が勉強している描写を増やして欲しかった
アバンタイトル。まあ、確かに社会人1年目で初の年越しで、新年初出社のおめでたい日。何だけど、それも一応仕事中なんだけど、せめて、せめて、「気象予報士の過去問集」みたいな本、抱えて出て来て欲しかったな。だって、あと10日しかないんだから。そう言うところ、丁寧以前に、演出と演技指導をして欲しい。
むしろ、「お試し受験」でも「絶対合格!」と書かれたハチマキをして新年初出社するくらいの意気込みを見せるのが、朝ドラなんではないだろうか。いくら、19歳で中学理科がぎりぎりの勉強嫌いな設定でも、勉強嫌いと苦手とやる気のないのは似て非なるものだから。早く、演出家、交代して欲しい…
菅波に反論した百音と「島を出たい」がリンクするのを期待
主題歌明け、ビックリな発言が菅波から。「あと5日ですよ」。よく考えれば、仕事始めは、2015年1月5日(月)か6日(火)のはずだから、前述の推測でいけば、当然「あと5日」だ。そして、長いから引用しないが、菅波が百音に出した2つの機関を答える問題だが。
これ、調べてみると、「気象業務法 第一章 総則 第二章 観測 (気象庁以外の者の行う気象観測)第六条」のことで、要は気象業務法の一丁目一番地的な定番の問題なのだ。それに即答できないわけ。
ってことは、菅波に年末にきつく勉強しろとくぎを刺された割に、勉強せずにサボったのか、勉強苦手意識を克服できなかったのかのどちらか。そして、百音はこう言った。
百音「やってもできない人の気持ちは 先生には 分かんないですよ」
これ、もっと勉強をやっている姿の描写があれば、とても説得力のある台詞になるが、実家では両親の馴れ初めで盛り上がって、年明けの初仕事(神棚に手を合わせただけ)の描写しかないから、どうしても、無理がある。これは、完全に脚本家と演技指導の問題。
まあ、清原果耶さんなら演出家に「モネって勉強漬けになっているように映ってますか?」と食いついても良さそうだが。いずれにしても、百音はサボっていたわけでなく、勉強が苦手なのは分かった。そして、そのことを言っちゃう性格なんだってことも。
要は、言い過ぎを覚悟で書けば「逃げ癖がついている人」ってこと。「言いわけを、逃げる理由にする癖のある人」ってこと。ここが、「島を出たい」に上手く繋がって行くと、百音と言う人間が、どんな人物なのか、より見えてくるはずだ。今後に期待しよう。
百音と菅波の"仲間"や"同志"って関係は今どきかも?
試験当日まで残り5日間とは言え一晩くらい、鉄矢(おっと、「徹夜」でした)徹夜勉強するカットが1つでもあれば良かったのは言うまでもないが、3分過ぎには試験当日。早っ! そして、テロップで「実技試験2の終了時間が16:00」と書いてあり、次の森林組合で菅波が飲みほしたコーヒーカップを手にしていたのは、かなりの夜。
まあ。試験会場が仙台駅付近として、16時30頃には電車で気仙沼へ向かっても、今の時刻表でも日曜日は2時間~2.5時間は要する。まあ、森林組合に百音が帰って来たのは20時過ぎと考えるのが妥当だろう。で、帰って来た百音の菅波への第一声がこれ。
百音「あれ? 先生 何してんですか?」
こう言えちゃうのが百音ってこと。普通なら無償で何週間も教わったのだから、「こんな時間まで待っていてくれたんですか? ありがとうございます」だもんね。でも、ここの脚本はちょっと変わってるのだ。まず、菅波がまんざら嫌々でもなく百音の帰りを待っていること。
むしろ、ここまで関わったら、「お試し受験」とは言え結果を聞かないと、百音に言われた「やってもできない人の気持ち」に対して自分が返した言葉に責任を持てなくなる。だから、待った。「コーヒーを頂きたくて」とうそをついてまで待ちたくて待ったのだ。そして、このシーンで面白いのは、菅波の方から先に「疲れさまでした」と言ったこと。
これ、ちょっと「百音が菅波を利用している」ように描いており、利用されていることが菅波自身にとって、まんざら腹も立ったいない様子に見える。きっと、多くの視聴者が「無礼者」と思うはず。
でも、どうだろう? 私事で恐縮だが。この1年は仕事で現場に入り、10代や20代前半の新人さんと仕事をする機会が減った。でも、私の周りはちょっと特殊で。私はフリーランスで業務委託を請けている立場、一方の10代や20代前半の新人さんたちは私に業務を委託している会社の正社員なのだ。もちろん、経験値は私の方が30年以上も長い。
でも、意外な程に私にはフランクに話して来る。ちょっと丁寧だけど、同年代と分け隔てないって感じ。逆に、私は絶対に名前は呼び捨てせず「さん付け」だし、やってもらう時は「やってもらえます?」と必ず言う。「○○、ちょっとあれやっとけ!」とは絶対に言わない。
それが、所属も年齢も立場も経験も違うけど、目指すこと(仕事で事故を起こさず成功させ、お客様に喜んでもらって、家に帰ってもらうこと)は同じ “仲間” であり “同志” って感じ。なんか、百音と菅波の関係は、それに似ているように思う。実家の両親や祖父とも違う “恋愛感情” とは違う “今どきの親近感” の表現。これはこれで、私は良いと思う。
菅波医師には終末期治療に関して何かトラウマがあるようだ
菅波の医師としての心情と言うか、医師としての立ち位置的なモノも描かれた。菅波は、疼痛を主訴とする疾患の診療部門である “ペインクリニック” には興味関心が無いようだ。
ご存知の方も多いと思うが、要は患者の痛みの元である病気本体を治療するのでなく、行基による痛みをコントロールする専門的疼痛治療の分野だ。末期がん等で根本治療ができない患者さんや、積極的治療を拒否したい患者さんをケアするホスピス病棟などもその対象の一部になる。
どうやら、菅波医師には、何かトラウマがあるようだ。そこも、今後見て行きたい。
1月に宮城県で新米をありがたく頂くのは珍しくはないと思う
さて、終盤で「新米」を食べるエピソードがあった。「1月に新米?」と思った人も多いのでは? 一般的には、残暑が落ち着き始めた9月下旬粗利から秋にかけて、お米売り場に「新米シール」が貼られた新米が並ぶから、「新米=秋」の印象が強いと思う。
ただ、JAS法で「新米」と表記可能なのは、「収穫された年の12月31日までに容器に入れられた、もしくは包装された玄米。または12月31日までに精白され、容器に入れられた、もしくは包装された精米」のこと。だから、同じ時に収穫されても、1月1日以降に包装されると「新米シール」は貼れないってこと。
そして、この場面で注目、いや注意かな? 同じ銘柄米、例えば「コシヒカリ」は、宮崎や鹿児島は8月から新米として出荷。京都や兵庫、長野のコシヒカリは10月から出荷と差がある。そして、このドラマの舞台「宮城県」では、殆ど「コシヒカリ」は生産されていない。
主力商品は「ひとめぼれ」、「ササニシキ」、「まなむすめ」で出荷時期は早くて10月初旬。普通は11月以降。だから、早期に出荷する「新米」は、所謂「販売用」で、地元の人たちが自分たちで食べるのはそれより少しあと、だから、1月上旬でもおかしくないって話。一応、農学博士で、元ある県の能号試験場の責任者だった義父に聞いたから、ほぼ間違っていないと思う。
あとがき
今回は、百音の両親の馴れ初め話は一切なしで、「お試し受験」と「田中さんを心配する百音」だけでした。これを、連続性がないと思うか、若さゆえの移り気やすさと受け取るかは、人それぞれでしょうね。田中さんがは注していた大きなテーブルと、菅波医師のトラウマが、関係してくると、ドラマとして深みが増すかもしれませんね。
長文で拙稿を最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
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【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
1 2 3 4 5 土
第2週『いのちを守る仕事です』
6 7 8 9 10 土
第3週『故郷の海へ』
11 12 13 14 15 土
第4週『みーちゃんとカキ』
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第5週『勉強はじめました』
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第6週『大人たちの青春』
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