連続テレビ小説「おかえりモネ」 (第23回・2021/6/16) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おかえりモネ』(公式サイト)
第23回/第5週『勉強はじめました』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
小学校で新商品のヒントを得た百音(清原果耶)は広葉樹で学童机を作ってはどうか、と森林組合の仲間たちに提案する。川久保(でんでん)や翔洋(浜野謙太)もその提案に乗り、ベテランの伐採作業員・熊谷(山本亨)らの協力も得て、まずはサンプルをつくることに。一方、百音は気象の勉強では相変わらず行き詰まっていた。子ども向けの絵本などにも目を通すが、なかなか難しい。そのようすを見かねた菅波(坂口健太郎)は…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4週
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5週
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん)
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
前回の感想で「のんびり見ましょうよ」と提案をさせて頂いた
前回の感想のあとがきで、「のんびり見ましょうよ」と本作の楽しみ方の新提案をさせて頂いた。その理由は前回の感想を読んで頂ければ分かるが。
簡単に言えば、今の百音(清原果耶)は森林組合で働き始めた高卒の半年目の社会人(劇中で菅波医師が「9月」と言っていたから)として “慣らし運転中” だから。クルマの「慣らし運転中」では。よく次の3つはやらない方が良いと言う。
【1】「急」の付く動作はしない
【2】高負荷を与えない
【3】長距離・長時間の運転を避ける
要は、「急」「高」「長」を控えた方が良いってこと。
私は「超好意的な解釈」で、「林間学校での事故」を次のように解釈して、何とか心の調整をしている
これを『おかえりモネ』の百音やストーリーに当て嵌めてみたらどうだろう。唯一引っ掛かるエピソードは「森林学校での事故」だけと言っても過言でない。だから、私は「超好意的な解釈」で、「林間学校での事故」を次のように解釈して、何とか心の調整をしている。
実は、サヤカ(夏木マリ)や川久保(でんでん)ら森林組合のベテランで「山の天気に詳しい人たち」は、林間学校の中止を求めたが、百音の新人研修の一環にもなるし、先生や生徒たちの気持ちを汲んで、佐々木(浜野謙太)が早め早めのスケジューリングで行ったが、予想以上に荒天になってしまったと。
いや、このように実際にも描いていれば、ほぼ違和感はなかったと思う。「山の天気は変わり易い」のだから。
そして、そう描いておけば、今回でのナラの伐採の指揮をする山番頭・熊谷さん(山本 亨)が言った「山の雲は 下から来んだ」にも、きれいに繋がったし。こう言う連続ドラマとしての構成が、まだまだ精査が甘いし、緩いし、雑なのだ。
菅波医師が「天気の基本の"き"」を教える場面での菅波の言葉
でも、今回の感想で書きたいことが、もう一つある。それは、12分頃にあった百音に菅波医師(坂口健太郎)が「天気の基本の “き”」を教える場面での次のやり取りだ。
菅波「温度が高いと 水蒸気をたくさん含むことができて
低いと ちょっとしか含むことができません」
百音「なぜ…」
菅波「ここで『なぜ』は やめておきましょう」
誰が見ても、いくら理系でない高卒でも、雲ができる理由や雨が降る理由なんて分かって当然だっていう考え方で、本作を見ると、もしかすると、本作、特に脚本家が描こうとしていることが見えなくなる可能性があるのではないかってこと。
NHKスペシャル『若者たちに死を選ばせない」』について…
話が飛んで、誠に申し訳ないが、先日の日曜日(6/13)に放送されたNHKスペシャル『若者たちに死を選ばせない」』(公式サイト)をご覧になっただろうか。コロナ禍の中、増加に転じた自死。目立つのが若い世代の10代、20代で去年は一昨年の2割以上も増えたと言う。そこで、今後、若者たちに死を選ばせない方法の手がかりを探ると言う内容だった。
人は、ちょっとした言葉の選択で相手の気持ちを楽にすることが出来る
その中で、私の心に残った、何度も自死行為をした経験のある二人の女性の言葉を紹介したい。
一つめは「今、しんどくない?」と聞いてくれると、自分自身が感じている今の心情が “しんどい” と言う気持ちだと気付けて、助かる気持ちになれると言うもの。二つ目は、「大丈夫?」と聞かれると、「大丈夫」と答えちゃう。「休もう」って言って欲しい。信じている人や知り合いに「休もう」と言ってもらえると、「今、休んでいいんだ」って思える… と言うものだ。
そう、人は知らずに、何気ない言葉で相手を追い詰めることもしてしまうし、ちょっとした言葉の選択で相手の気持ちを楽にすることも出来るってこと。
山番頭・熊谷さんが百音に言った「何言ってんだ」の優しさ
5分頃、山番頭・熊谷さんは、谷の天気のことを知らない百音に対して「何言ってんだ」と言い残して去って行った。一見、ぶっきらぼうで冷たい言い方に聞えるが、百音には “絵本を買うきっかけ” になった大切な言葉だ。あそこで、熊谷さんが「山の仕事をするなら、もっと勉強しろ」と言っていたら、もう一冊「天気予報士になる本」が増えたと思う。
でも、「何言ってんだ」だったから、苦手な理科を一からやり直そうと、菅波の言葉を思い出して絵本を買った。でも、残念ながら絵本でも理解できない。百音は、そう言う知識の子なのだ、「天気以前に、中学レベルの理科も分からない子」なのだ。
百音たちを優しさとか助ける気持ちで、そっと見るドラマなのかも…
でも、百音はもう走り出している。もちろん “慣らし運転中” なんだけど。だから、菅波に「なぜ…」と聞いた。だって、知りたいんだから。でも、菅波は菅波「ここで『なぜ』は やめておきましょう」と言った。これ、さっきの何度も自死行為を繰り返した女性の言葉に通じないだろうか?
もしも、菅波が「ホントに分かってる?」とか「こんなことも分からないのか!」と言っていたら、百音の心は折れたと思う。でも、菅波は「休もう」と言う代わりに、ガラスのグラスと氷で実験を始めた。そして、「今、しんどくない?」の代わりに「ここで『なぜ』は やめておきましょう」と言った。
だから、百音はガラスの外側に付く水滴から雨を想像することができた。そして、少しだけ勉強が前に進んだ。『おかえりモネ』って、こう言う優しさとか助ける気持ちとかで、そっと見るドラマなのではないだろうか。今回の15分間を見ても、「のんびり見ましょうよ」は変わらなかった…
あとがき
熊谷さんが「あの辺は 昼には 雨が降りだす」と言っていたので、ブナ林を百音たちが軽トラで通る時に、雨が降り出すカットがあったら良かったと思います。まあ、雨のシーンを撮影するのは、お金も時間も掛かるので、大変なのは分かりますが。
でも、ブナ林は雨降りだけど、森林組合の夜は雨でなければ、「山と谷の天気の違い」を映像で見せることが出来たので、もったいなかったですね。
そして、やはり、百音と言う子は、行先が見えない子なんですよ。でも、視聴者には気象予報士になることが分かってしまっている。これを忘れられるか。忘れて、百音を見守れるなら、本作をもっと自然に楽しめると思います。
お知らせ
※ネタバレ的な情報提供や、相変わらず自分の意見を押し付けるだけのコメントが多いので、再び、本作(土曜日版以外)のコメント欄だけ閉じます。
素敵なコメントを下さる方もいらっしゃるので、その方々には、ご迷惑をお掛けします。と言うわけで、よほど気が向いたら開けます。
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★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/15657/
【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
1 2 3 4 5 土
第2週『いのちを守る仕事です』
6 7 8 9 10 土
第3週『故郷の海へ』
11 12 13 14 15 土
第4週『みーちゃんとカキ』
16 17 18 19 20 土
第5週『勉強はじめました』
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