イチケイのカラス (第11話/最終回30分拡大・2021/6/14) 感想

フジテレビ系・月9『イチケイのカラス』(公式サイト)
第11話/最終回30分拡大『型破り裁判官最後の裁判!? 真実を翻ろうする黒幕… さよなら、入間みちお』の感想。
なお、原作の漫画、漫画・浅見理都『イチケイのカラス』は、全4巻を既読。
また、本作は今年3月末、既にクランクアップ(撮影終了)しているため、要望などは基本的に書きません。
日高(草刈民代)がみちお(竹野内豊)を呼び出し、ゴシップ記事の真意と裁判官再任の条件について忠告する。同じ頃、みちおは大学生・笹岡(菅原健)の自転車事故による重過失致傷事件を担当。笹岡は事故当時、現場が工事中だったと主張していたが、工事記録は存在しないという。一方、地下鉄拡張工事での落盤事故に絡む業務上過失事件を担当する坂間(黒木華)は、自転車事故の現場が地下鉄工事のエリアだと指摘。地下鉄工事を含むプロジェクトのリーダーは有力な二世議員・安斎(佐々木蔵之介)だった。みちおは2件を「併合審理」とする。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:漫画・漫画・浅見理都『イチケイのカラス』
脚本:浜田秀哉(過去作/絶対零度シリーズ)
演出:田中亮(過去作/医龍、BOSS、コードブルー3、アンサングシンデレラ) 第1,2,4話
星野和成(過去作/ハゲタカ、僕らは奇跡でできている、SUITS/スーツ2) 第3,6,9,最終話
森脇智延(過去作/SUITS/スーツ1,2、探偵の探偵、黄昏流星群) 第8,10話
並木道子(過去作/問題のあるレストラン、いつ恋、モトカレマニア) 第5,7話
音楽:服部隆之(過去作/HERO、半沢直樹、ルーズヴェルト・ゲーム、下町ロケット、陸王)
主題歌:Starlight「WGB」
本作が過去の連ドラに於ける類似作品と"決定的に違う"のは
やはり、期待通りに最終回も凄かった。何が凄かったのか? 今回の感想は、最終回に特化したものと言うより、全11話の総括的な内容を書こうと思う。
さて、『月9』であろうが無かろうが、これまで日本の連ドラでも、弁護士や検察官を扱う「謎解きドラマ」や「法廷ドラマ」の類いはたくさんあった。しかし、本作が過去の連ドラに於ける類似作品と決定的に違うのは、ほぼ毎回を「1話完結」にした上で、毎回毎回、「法廷ドラマの2時間サスペンス」風に仕上げ続けたこと、これが凄いのだ。
現実では行われないことが、テレビや映画では行われるもの
そう言うと、「職権発動なんて毎回あるの?」とか「裁判官が裁判席から毎回降りて被告人に語ることなんてあるの?」と陳腐な質問が来そうだ。でも、本作はフィクション、ドラマなのだ。現実では行われないことが、テレビや映画では行われる。そう言う、要は “普通の演出の一つ” なのだ。だから、そこを問題にすること自体が間違っている。
ここまで"普通"に裁判官の仕事、裁判所の役目を丁寧、且つ分かり易く描いた連ドラを見た記憶が無い
むしろ、そこを逆手に取って反論するなら。本作は「ほら、あれが来たよ」とか「また、始まった」みたいな “お約束” に職権発動や被告人への語りを利用したが、全体の流れは、ごく “普通” なのだ。
決して、ドラマの主人公だからとか、ドラマのスーパーチームだから経穴出来て当然と言うような案件は、何一つなく、とにかく “普通” に、裁判官や書記官が自然に疑問を持ったことを、自分たちができる権利をすべて使って真理に辿り着く過程を、奇を衒うこと無く描いたのだ。
特に類似作品のタイトルを挙げるのは避けるが、ここまで “普通” に裁判官の仕事、裁判所の役目を丁寧に、且つ、分かり易く描いた連ドラは、私の記憶の中には無い。
分かり難さは簡略化しても、決してテーマは簡素化しない!
また、“普通” に描いているのに、内容は、ドラマとしての面白味の創出として、どんでん返し用の “捻り” も加えられ、一見難しく理解しにくい案件もあったのに、民話や童話、今回なら漫画、また解説用にアニメーションを使ったり、極力中学生くらいなら理解できるまで、ストーリーと人間関係を簡略化した。
でも、分かり難さは簡略化しても、ドラマの中の案件で描くテーマは決して、簡素化しない。むしろ、徹底的に研ぎ澄ませて分かり易く、そして強く訴えた。だから、勧善懲悪モノとしてのスッキリ感や、人情モノとしての涙も、“自然” に伝わって来る。
本作位に"連ドラのお約束事"を控えめにしたのは大成功!
とにかく、丁寧をモットーにテーマを研ぎ澄ませた脚本、分かり易さと親しみやすさを重視した演出、そして、それらを映像として具現化した俳優たち。本当に良く出来た、秀作な裁判官ドラマだった。
やはり、奇を衒ったり、“お約束事” を強調して常連さんを喜ばせるのは、ある意味で簡単なことだ。でも、時と場合によって、それらは飽きられる。そう、「またか!」って。だから、今作くらいに、“お約束事” は控えめにしたのは大成功だった。
更に褒めたいのは毎回のゲスト俳優とその役どころの絶妙さ
更に褒めたいのは、毎回のゲスト俳優とその役どころの絶妙さ。もちろん、レギュラー陣の俳優たちのキャスティングも秀逸だったのは言うまでもないが。一部の「出演者目当て」の視聴者向けを避けて、脚本上の役にピッタリな俳優を配置した。だから、一部でなく、多くの視聴者が楽しむことが出来るドラマになったと思う。
あとがき
本作には原作がありますが、上手くエピソードを作って、オリジナルストーリーを含めて、「続編」や「スペシャル版」を作って欲しいです。久し振りに『月9』で、満足感を得た秀作に出会えて満足でした。
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