連続テレビ小説「おかえりモネ」 (第6回・2021/5/24) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おかえりモネ』(公式サイト)
第6回/第2週『いのちを守る仕事です』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
百音(清原果耶)は、努力の甲斐(かい)あって森林組合の正式採用試験に無事合格する。同僚たちからも祝福されて喜ぶ百音。そんな中、亀島から百音の父・耕治(内野聖陽)が突然登米へやってくる。耕治は、百音を心配するあまり、実家に連れ戻そうとやってきたのだった。そのころ、気仙沼では百音の妹・未知(蒔田彩珠)が、百音の幼なじみで漁師になった亮(永瀬廉)と久しぶりに会っていた。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン)
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん)
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん)
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
第5回の「北上川の移流霧」の撮影には2日間かかったそうだ
5月22日(土)に放送されたNHK総合『土曜スタジオパーク』に『おかえりモネ』の番宣担当で、清原果耶さんがスタジオ出演されているのを見た。その中で、今回のアバンタイトルにもあった、第5回で放送された「北上川の移流霧」ので百音(清原果耶)が涙ぐむと言う印象的なシーンについて語っていた。
撮影は早朝5時前に行われ、1日目は霧に朝日が隠れてしまい、撮影には2日間かかったそうだ。天気と自然を扱うドラマとして “天気待ち” は撮影の大変な部分。でも、2日間かけて撮影したキャストとスタッフの苦労は、テレビから十分に伝わった。
「先が見たくなるアバンタイトル」に、なっていた
さて、「土曜日版」のことは忘れて(苦笑)
第2週がどのように始まるのか? 月曜日のアバンタイトルは “先週の振り返り” に留まるのか? そこに注目して見ていた。すると、意外にも “振り返り” はアッサリしており、アバンから百音が努力の甲斐あって森林組合の正式採用試験に無事合格する様子が描かれた。何だか我が事のように嬉しくなった。
もちろん、感情移入し過ぎである。でも、感情移入したくなる理由があるのだ。それは、先週の『おかえりモネ』の放送中の千葉県の朝は、ず~っと雨降りだった。でも、今朝はお天道様が見える中で見る『おかえりモネ』。だから、何となく気分も晴れる。そんな中での百音の正式採用。やはり、朝ドラらしくて、いいなと思う。
そして、なぜか、亀島にいるはずの百音の父・耕治(内野聖陽)が突然、登米の森林組合へやって来た。そう、もうお分かりだろう。こう言う「先が見たくなるアバンタイトル」を待っていたのだ。
徹底的に天気を美しく画面に収めようと言う気迫が伝わる
主題歌明けの1カット目は、サヤカ(夏木マリ)の「新田家」で、百音の下宿先に車に乗って、耕治たちがやって来たシーン。手前に映り込んでいる、乗って来た車のフロントウィンドウにも、ボンネットにも、ドアミラーにも、青空と雲が映っている。とにかく、徹底的に天気を美しく画面に収めようと言う気合や気迫が伝わって来るカットだ。
物干し台の上に、黒い「風杯型風速計」が付いていた
百音が洗濯物を取り込みながら、父親と語るシーンで目に留まったものがある。それは、物干し台の上に、黒い「風杯型風速計」が付いていたこと。「風杯型風速計」とは、風を受けた風杯(カップ)が回転し、その回転によって風速を測る機械のこと。実際に測定して、サヤカが山の管理に利用しているかは定かでないが。
天気予報士のドラマとして、象徴的なアイテムで良いなと思った。なぜなら、このシーン、引きの画だと高台にある割に風が見えない。でも、「風杯型風速計」の風杯がクルクル回るだけで、風が見える。こんな風の視覚化のアイデアも上手いなと。もちろん、カットが変わって、森の木々が映ると風音と共に揺れる枝葉が映るが…
若き漁師を、どう描くのか注目していた
さて、シーンは内陸の登米市から、気仙沼の港へ。そこで、「King & Prince」の永瀬廉さんが演じる、百音の同級生で水産高校卒で漁師の及川亮が初登場。うん、こうやって若き漁師を描くのか。
いや、この前段の百音の父の会話や、先週からちょこちょこと描かれる東日本大震災のことを考えると、「これからの水産業を担う有望な青年」として描くのか、それとも、「海は危険、船も危険、でも漁師の仕事をしている複雑な青年」として描くのか、気になっていたのだ。
しかし、やりたいことのために水産高校に通う未知(蒔田彩珠)とのやり取りの中で「やっぱり 船危ないし…」と言う台詞があったように、どうやら後者で描くようだ。何となく、ドラマの方向性も見えてきた感じだ。
永瀬家では、百音以外"やりたいもの"があるのか…
屋外ロケが多いドラマは撮影が大変だ。特に「夕景」は、つるべ落としと言う言葉があるように、気が付くと暗くなってしまう。でも、直前の下校時のまだ明るい気仙沼の海の風景から、再び登米の新田家の夕景に繋げたのは、美しかった。夕暮れの木製の東屋に、ランタンのランプの灯り。そして、前のシーンを受けて、耕治が「死ぬがらね 漁師は」と呟いた。
百音「海が嫌いとか 漁師が嫌とかじゃなくて?」
耕治「嫌いなわげねえだろ。
俺は こっちだって思うもんが ほかにあった。
それだけだよ」
百音は、父が銀行員を職業に選んだ理由を知らなかったのか。そして、世の中を良くしていく手段として、銀行員を選んだことがわかった。なるほど、百音の永瀬家の人たちは、百音以外、“やりたいもの” があるんだ。だから、百音は悩んでいる。自分には、まだそれが見つかっていないから。少しずつ見つかるのだろうか。
音楽への思いは、「登米能」やサヤカの能管に繋がるのか?
12分過ぎ、唐突に、耕治の口から「音楽」と言う単語が飛び出した。確かに、百音は中学校の吹奏楽部で少し大きめの木管楽器・アルトサックスを担当していたスナップ写真があった。この「音楽」が、第1週での「登米能」の定例会に繋がるのか、それとも、能舞台でサヤカが吹いた能管(横笛)に繋がるのか、まだ分からない。
百音には、最近の朝ドラヒロインにない"ミステリアス"な魅力がある
本作では、先週は「気象予報士」、今回では「音楽」と、百音が “やりたいこと” が、何となく描かれている。でも、私は今のところ、それらを “フラグ” を立てていると表現したくない。
むしろ、なぜ「島を離れたい」と思ったのかも、音楽を辞めた理由も、天気に興味を持っているのも、まだ本音の理由は明かされていない。そこが、本作のヒロインが、最近の朝ドラのヒロインには持っていない “ミステリアス” な魅力だと思っているからだ。
そして、『おかえりモネ』は、朝ドラなのに、主人公の本音が視聴者に分からないように描いている。ここが良いのだ。新鮮さもある。そして、だから「先が見たくなる」わけだ。
あとがき
今のところ、百音の原動力は、“やりたいこと” が見つからないことへの “自信喪失感” や “無力感” なんですよね。大切な人を失った “喪失感” でもなく。そこも、百音がミステリアスなヒロインの魅力なんですよ。ガツガツ行かないみたいな。そこに、本作の朝ドラとしての新鮮さを感じます。
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★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/15561/
【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
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第2週『いのちを守る仕事です』
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