【高齢者ワクチン個別接種問題】実際に私の「かかりつけ医」へ負担の大きさを聞いてみた!
また、病院、警察、消防、金融関係、郵便事業、宅配業、介護関連、食品スーパー、薬局などなど、私たちの生活インフラを守って下さっている “休みたくても休めない” 数え切れない業種で働かれている方々にも、「ありがとうございます」と言うしかありません。
私の「かかりつけ医」で起こっているワクチン個別接種問題
先日、市が費用の9割を負担する「がん検診・特定検診」を受診してきた。私は個人事業主のため、年1回は市の「がん検診・特定検診」、2~3年に1回は自費で「人間ドック」を受診している。そんな所謂「町のお医者さん」で、ふと目に、耳にしたことを書いてみる。
それは、5月から本格化している一般の高齢者を対象にした新型コロナウイルスワクチンの接種をめぐる、「町のお医者さん」で起こっている問題についてだ。
大学病院の医療従事者の"かかりつけ医"も「町のお医者さん」
因みに、私の妻は看護師だが、勤務先は「町のお医者さん」でなく、市内最大のHCU(高度治療室)、ICU(集中治療室)、CCU(冠疾患治療室)、NICU(新生児集中治療室)を持つ救命救急センターと地域包括医療システムの中核医療を担う大学病院のため、あくまでも、「私のかかりつけ医」の話になる。
とは言え、妻も自分が勤務している病院で診察を受けると様々な面倒なことがあり、私と同じ「町のお医者さん」に通院している。大学病院に勤務する看護師の “かかりつけ医” が「町のお医者さん」と言うわけだ。だから、「町のお医者さん」は、本当に地域医療の大きな担い手なのだ。
「かかりつけ医」がいない高齢者はワクチン接種予約が困難
ここからが本題だ。これは、我が市の問題だけではない。恐らく、日々、テレビや新聞やネットを見ていれば、「かかりつけ医」での個別接種の予約を始めた自自体で、「初診」を理由に予約を断られるケースが相次いでいることは、ご存知だと思う。要は、「かかりつけ医」がいない高齢者がワクチン接種の予約ができなくて困惑の声が上がっているのだ。下記↓のニュースを参照して頂きたい。
「かかりつけ医」で予約断られ困惑 ワクチン個別接種(1/2ページ) - 産経ニュース
我が市の高齢者向け「集団ワクチン接種」の予約方法は2つ
私の住む市でも、4月から、高齢者に向けてワクチン接種のクーポン券の発送が始まっている。そして、「集団接種」の予約方法は、2つ。
●市が設置した「新型コロナワクチン接種コールセンター」に電話して予約
●市が運営している「WEB申し込みフォーム」から予約
ところが、市内に入って来るワクチンの供給量が少ないことと、接種する側(医師や看護師)のワクチン接種も完全に終わっていないため、5月6日の1度目の予約人数が、約2,500名で、電話は予約開始後30分で終了。WEB申し込みは、ネットに繋がらないと言う。
因みに、次回の予約は、2週間後で来週半ばが予定されているが、その日も、供給量は約2,500名分だそうで。全く足りていない。
因みに、「かかりつけ医」とは
「かかりつけ医」とは、一言でいうと、「患者に対し、その日常や病歴を把握した上で、的確な診察・健康相談などを行える医師」だ。
そして、「良い かかりつけ医」は、幅広い医療の知識と技量を有し、患者に対して適切な診療を行うこと。また、医療設備や人員の問題で自院で治療できない患者さんを、迅速、且つ的確に専門病院に紹介する紹介機能を有する医師でもあること、だと思う。
【参考】かかりつけ医を持ちましょう|国民のみなさまへ|日本医師会
https://www.med.or.jp/people/kakari/
集団接種がNGなら「かかりつけ医へGO!」と高齢者が行列に
そこで高齢者たちは、次のように考えた。集団接種ではなく「かかりつけ医」でワクチン接種をして貰おう… と。いや、「考えた」には語弊がある。市役所、支所、保健センターに電話相談すると、「集団接種でなく、かかりつけ医でも接種してくれます」と案内されたのだ。
そして、俄かに信じ難いが、高齢者たちが「町のお医者さん」に朝から長蛇の列をつくって、接種の予約を病院の窓口で直談判し始めた。
ネットに詳しい若者たちが “SNS” を利用して一瞬に “情報共有” することは良くあること。しかし、ネットに詳しくない高齢者たちには、コロナ禍のず~っと前から超アナログな方法ではあるが “口コミ” や “噂話” と言った、直接的な “情報共有手段” を持っていた。
その伝播力は想像を遥かに超えており、1度目の募集で “落選” した高齢者が、近所の「町のお医者さん」に翌日7日の早朝から病院に並び始めたそうだ(談:近所の人)。それも、朝5時前から列を作って。流石に、私の家から近い数か所の「町のお医者さん」に周辺から騒音や “三密” への苦情が行った。
近所の「町のお医者さん」の自己防衛策は"一見さんお断り"
こうなると「町のお医者さん」も自己防衛するしかない。私の近所に住む、高齢者と同居している40歳代の人の話によると、近所の、ある病院の公式サイトが「1か月に1回は受診している人を優先しており、初診の人は予約できません」と告知。更に、ネットを使わない人向けに、病院の入り口に大きく書いて貼り出したと言う。
そこで今度、高齢者が考えたのが、「診察券」を持っている病院は、「私のかかりつけ医」に違いない! と。で、今度は、1年に1度以下の受診しかしない「町のお医者さん」に集まった。
私のかかりつけ医の自衛手段は接種予約専用の電話番号設置
流石に、「町のお医者さん」も学習済みだ。10日(月)の週明けには、ワクチン接種予約専用の電話番号を設置し(自費で)、窓口にやってくる(語弊があることを前提で書く) “俄か、かかりつけ医の患者さん” を、そっちの電話に誘導し始めたそうだ(談:私のかかりつけ医)。
同じ高齢者でも、病院への貢献度(依存度)で待遇に差あり
そして、ここからが更に現実の話だ。私が、「がん検診」を受けている時に、隣の診察室から聞えて来た話だから、本物だ。
声の主(患者)は、話の雰囲気から75歳以上の女性で、隣の市から毎月1度診察を受け、処方箋を貰って、20年以上になる患者さんだ。そして、彼女は、主治医(かかりつけ医)に、こう零した…
女性「先生、市の電話も、WEB予約も全然ダメです。
1日7時間電話してもダメ。私、ワクチン打てますか?」
すると医師は、次のように答えた。
医師「○○さん、私の病院で予約してあげますよ。
いつが良いですか? 今なら6月○日と○日が空いてます…」
なんと、ワクチン接種の予約をし始めたのだ。えっ!? さっき、受付に来た診察券を持って来た高齢者には、予約専用電話番号を伝えただけなのに???
かかりつけ医に直接、個別接種対応について聞いてみた!
そこで、私の診察の時に真相を聞いてみた。すると、「町のお医者さん」の実情を、こう話してくれた。
医師「まず自分たち(医療従事者)が今月末にならないと、
ワクチン接種の2回目が終わらないから。
だからワクチン接種は6月からしか考えていない」
医師「ワクチン接種の予約対応によって
通常業務に支障が出ることは想定内。
それで休日中に予約専用電話を設置することで
業務を分けることにした」
医師「ワクチン接種は殆ど利益は出ない。
だから一般診療を一時的に止めるか、休憩時間や、
休日に開院して行わなくてはならない。
それに、医師、看護師、医療事務など人件費では
赤字覚悟のレベルの業務で、出来れば、やりたくない。
その上、自分たちの感染リスクもある」
しかし、「地域医療の担い手として、何かしなければならない」と思って、私のかかりつけ医が捻り出した策が、「1か月に1回は受診している基礎疾患や慢性疾患の患者さんを優先し、それ以外の方は予約専用電話から順番を取って下さい」だったそうだ。
定期的に医療機関に通院している高齢者こそワクチンが必要
このように書くと、次のような反論が出て来ると思う。
「定期的に医療機関に通院している高齢者が優先されるのは如何なものか!」
「普段から健康で病院の世話になっていない高齢者の方が、保健医療に貢献しているのでは?」
「常連さんは優先して、一見さんは後で… と言うのは、おかしいのでは?」
と。
でも、考えて欲しい。普段、健康な人よりも、基礎疾患のある人の方が、感染すると重症化しやすいのだ。そして、その重傷者患者が医療をひっ迫させている。
14 or 30日分しか処方されない薬が必要な慢性疾患がある
それと、14日分、または30日分しか処方されない薬が必要な慢性疾患がある。
投薬期間(処方日数)に上限が設けられている医薬品 | メディカルサーブ株式会社
https://medical-sv.com/pharmacy/
投薬期間が14日分を限度とされる医薬品
- 麻薬(投薬期間30日以外)
- 向精神薬(投薬期間が30日および90日以外)
- 新医薬品(薬価収載された翌月から1年を経過していないもの)
投薬機関が30日分を限度とされる医薬品には、所謂「精神神経用剤」系の薬がある。心身症(胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、自律神経失調症)における身体症候、並びに不安・緊張・抑うつ・睡眠障害の治療に使う薬だ。依存症になるのを防止する目的で、毎月医師の診断と処方が必要になる。
また、経皮吸収型 持続性疼痛治療剤の一部、所謂「鎮痛効果が強力な湿布薬」も、この部類に入る。
行政は、「かかりつけ医」に負担を押し付けすぎでは?
だから、私は次のように思う。やはり、政府や自治体が、「かかりつけ医」となっている「町のお医者さん」に負担を押し付けすぎでは? と。医師1人、看護師2名、その他は事務方みたいな「町のお医者さん」では、負担が大き過ぎると思う。
なぜ、もっと集団接種の枠を増やさなかったのだろうか。確かに、集団接種会場を作れば、それなりの「ワクチンの打ち手」の人数が必要になると思う。
でも、「市」の単位で、医師と看護師の数を把握して、「町のお医者さん」には出来る限り、通常業務を行ってもらい、夜遅い時間帯や休日に集団接種会場に来て、「ワクチンの打ち手」になって貰うことも、可能ではなかったのかと。もちろん、相応の費用は支払うのは当然として。
限りある医療従事者の中で、今の日本の法律下で、ワクチン接種が出来るのは医師と、看護師、救急救命士、そして自衛隊の医官と看護官くらいだ。もっと上手くワクチン接種を進める方策はあると思うが…
あとがき
ワクチンの供給量が増えて来れば解決する問題でもなさそうですよね。むしろ、「ワクチンはあるのに “打ち手” が足りなくて、接種が進まない」ケースも出て来るような気がします。
欧米が採用しているように、病院以外での接種会場の確保や、医療資格を持たないボランティアを訓練し、「注射ボランティア」の育成を3万人行ったケースもあります。強引にやるのには反対ですが、医学的や科学的なエビデンスと理由が揃えば、やれることから、やるべき時期だと思います。
防衛省が新型コロナワクチンの大規模接種センターの予約について、東京は17日午前11時頃から、大阪は午後1時頃から開始することを発表しました。でも、これ、Webサイト予約と LINE予約しかなくて、電話予約は出来ません。高齢者のことを考えると…
私のかかりつけ医がやっているように、ワクチン接種する側(自治体)が「接種の日時指定」をし、接種のキャンセルが出た時の「予備の順番リスト」も同時に作成したらどうでしょう?
自治体が送付する接種券に、「接種の日時、会場」を記載し、都合の悪い人が電話やネットで新たな日時を決める。決めるのは、それこそ年齢順(高い方から)とか、町名単位、自治会単位とかにして。お年寄りなら回覧板を使って希望を取るとか。この方が、行政単位でやるには公平性も担保できるし、手間暇も簡単に思いますが…
とは言え、既に接種券や接種クーポンを配布済みの自治体も多いと思います。でも、医療従事者(470万人)のワクチン接種も完了していません。高齢者(3,600万人)の次は、基礎疾患のある人(1,030万人)や高齢者施設の従事者(200万人)、60~64歳の人(750万人)と続くので、今からでも新たな策を模索して欲しいです。
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