リコカツ (第5話・2021/5/14) 感想

TBS系・金曜ドラマ『リコカツ』(公式サイト)
第5話『ついにホントの新婚生活、開始!?』の感想。
リコカツを止めると決めた咲(北川景子)と紘一(永山瑛太)の一方で、咲の元カレ・貴也(高橋光臣)と紘一を慕う上官・純(田辺桃子)は二人の離婚届を見つけてしまう。その矢先、紘一の母・薫(宮崎美子)が実家に戻ってくる。しかしそれは、夫・正(酒向芳)に離婚届の判を貰うためだった。そんな正と薫の仲を取り持とうとする咲の元に、実父・武史(平田満)からも連絡が入り、武史を案じた紘一は単身咲の実家へ向かうが…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:泉澤陽子(過去作/あまんじゃく2018,2020、お迎えデス。、ブラックスキャンダル、大恋愛)
演出:坪井敏雄(過去作/凪のお暇、カルテット、わたナギ、恋あた) 第1,2,5話
鈴木早苗(過去作/3年B組金八先生ファイナル) 第3話
韓哲(過去作/ATARU、IQ246、コウノドリ、集団左遷!!) 第4話
小牧桜(過去作/この恋あたためますか)
音楽:井筒昭雄(過去作/民王、99.9、トクサツガガガ、妖怪シュアハウス、書けないッ!?~脚本家)
主題歌:米津玄師「Pale Blue」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
不可思議な展開で始まった『リコカツ』の第5話
なぜか、咲(北川景子)と紘一(永山瑛太)の「離婚届」を、咲の元カレ・貴也(高橋光臣)が持っていて、風で飛ばされた離婚届を、これまたなぜか通り掛けた紘一の航空救難団での後輩で上司の一ノ瀬純(田辺桃子)が手にして… と言う、不可思議な展開で始まった『リコカツ』の第5話。
カップの中の飲み物が全く零れないと言う超常現象
その上、本作では珍しい咲と紘一のラブラブなシーンの見せ場なのに、カップの中の飲み物が全く零れないと言う超常現象によって、妙に覚めてしまった。あんなの、そもそもカップなんて持っていない設定にして、咲は雑誌を読んでいるくらいで良かったのは? どうしても乾杯のくだりを入れる必然性も感じなかったし。
いくらマルチカメラと言う撮影技法を使おうと、映像に不自然さ、それも誰の目にも不自然に見えるものが映り込んだら、虚構の中の真実がパッと消えてしまうのだ。ベテランの坪井敏雄氏らしからぬ演出が残念なスタートだった。
終盤の3組の夫婦が離婚届に印鑑を押す場面の作り込み
しかし、全体を通して見ると、前回で離婚を撤回し、やり直すことを決めた咲と紘一が、やり直すからこそ互いを理解しようとするが、それぞれの仕事でトラブルが発生して…。序盤ではツッコみたくなる演出だったが、終盤の3組の夫婦が離婚届にサインをし、印鑑を押す場面の作り込みは、流石の味わい。
カットに照明器具を入れ込んで、1秒くらいの短いフェードアウトをフェードインで、3組のシーンを切り替えた。オーバーラップでは間延びするし、月夜のような情景カットを挟むと感傷的になり過ぎるし、カットチェンジだと物足りない。そこで照明器具を画面に映り込ませて、一瞬だけの暗転を印象的に使って来た。
この辺の場面転換のエフェクト(効果)の使い方は、最近の若手の演出家では見られない。やはり、48歳のベテランだからこそ、映画テイストの暗転を使ったシンプルな場面転換を堂々と、今どきのドラマでやったのは良かったと思う。
咲がサインをする際に挿入された、2人の回想シーンは秀逸
その中でも、良く出来ていたのが、咲がサインをする際に挿入された、2人の回想シーンだ。5話の中に、きちんと2人の関係を印象付けるシーンがあるから、活かせる。台詞があるシーンも無いシーンも、きちんと意味と内容がわかるから、切なさが伝わって来る。
こう言うのは、各話の脚本と演出がきちんと先を読んで作り込んでいるから、出来る技。なるほど… だ。
演出の細かさは、3人の印影の濃さや擦れ具合の違いにも
また、演出の細かさは、3人の印影のインクの濃さや擦れ具合の違いにも表れていた。
咲の父・武史(平田満)の「水口」の印影は、インクが滲むほどに濃くて、唐突な離婚に未練を感じつつも諦めの涙のように見えた。
©TBS
紘一の父・正(酒向芳)の印影は、全体的にインクが薄くて細くてぼんやりした印象で、やはり離婚に未練もあるし納得も言っていない感じ。
©TBS
そして、咲の印影は、ややインクの付けすぎで、11時の方向に曲がっている。紘一の印影は真っ直ぐ。でも、紘一の印影も、咲の印影も、紘一は下へ、咲は右へ、枠からはみ出している。この “似た者同士” 的な一面と、曲がって押してしまった咲の心情が、切なく寂しい。
©TBS
また、細かく見ると、「緒原」の「緒」の「糸へん」の文字が、紘一と咲で違う。紘一の印影は、「糸へん」の4~6画が「小」になっており、咲の方は「、、、」になっている。咲の女性らしさや、ちょっと切なさを感じる細かい演出(美術、小道具さんの仕事だが)だと思う。また、紘一の父親と咲の「緒」の「糸へん」が同じなのも縁を感じます…
©TBS
イラっと来る登場人物も、それがまたドラマの苦い味付けに
とにかく、全体的に、夫婦が夫婦として向き合って、真面目に戦っている姿が、丁寧に描かれた。そして、益々、先の展開が読めない状況。いや、逆に何でもありだからこそ、何が起こるか分からない連ドラとしての面白さがある。
イラっと来る登場人物もいるが、それがまたドラマの苦い味付けになっており、単なるラブコメとは一線を画しており、面白いと思う。
あとがき
やはり、先が読めない展開と言うのが、このドラマの最大の見所だと思います。お互いの職場に便利な場所に住むと言うのは、東京都内とか同一県内でないと難しいですね。
私事ですが、妻が東京から千葉県の新設病院のオープニングスタッフになって、夜勤があるため、さっさと東京のマンションをリロケーションして、妻の病院へ徒歩数分の借家に引っ越しました。私の仕事の現場は殆どが東京ですが、毎日通勤するわけでもないので、意外とあっさり決めちゃいました。
共働き夫婦で、お互いの勤務地が遠い場合に同居か別居か? 意外と深いテーマだと思いました。
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