連続テレビ小説「おちょやん」 (第114回・2021/5/13) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』(公式サイト)
第114回/第23週[最終週]『今日もええ天気や』の感想。
※ 本作は、2021/04/14 にクランクアップ(撮影終了)しています。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
道頓堀を発つ日、春子(毎田暖乃)を岡福に預けて、千代(杉咲花)が向かった先は一平(成田凌)のもとだった。2年ぶりに一平と灯子と対面する千代。道頓堀で芝居をしたいと正直な気持ちを伝える。そして、娘の春子に喜劇を見せるために、鶴亀新喜劇の舞台出演を引き受けたいと申し出るのだった。夕方、岡福に帰った千代は、この決断を真っ先に春子に報告する。女優・竹井千代が道頓堀の舞台で再び芝居をする日がついに実現する…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
●作:八津弘幸 ●脚本協力:吉田真侑子 ●演出:梛川善郎(敬称略)
第14週から視聴モードを「好意的な解釈」から「様子見」に格下げしております。
もっともっと「うちらの喜劇」を描くべきだった
アバンタイトルで、千代(杉咲花)の「うちらの喜劇を 娘に見せたいんだす」と、わざわざ前回を繰り返されても… 一言、困るだけなのだが。だって、書くのも面倒だが、明日は最終回でぐったりしているはずで、細かく感想を書く気にならないから、今回の内に書いておく。
そもそも(この単語が私の感想に登場した時点で、私が呆れているのは、既に多くの読者さんがご存知だと思う)、「うちら」の範疇が曖昧で、「うちらの喜劇」って何なの? のレベルで、そんな曖昧だらけなものを、つい先日に戸籍上で親子関係になったばかりの “フレッシュな10歳の娘” に見せたところで、ただの “自己満足” ではないだろうか。
この台詞を最終回への主人公の最後の “動機付け” の理由にしたいのなら、もっともっと前段の時点で、「うちらの喜劇」を描くべきだったと思う。
まあ、それこそ個人的には、ラジオ局で、スタッフや共演者たちから一目置かれて、生き生きとラジオドラマの現場をこなす姿を春子(毎田暖乃)に見せた方が、余程「千代母ちゃんは、スゴイ!」と肌で感じると思うし、春子の自信&自慢にもなって、看護婦になる目標に向かって頑張る気持ちが湧いてくると思うが…
千代の舞台出演の報告が、春子へも、岡田家へも雑過ぎる
そんなわけで、まず注目したのは、千代が春子にどう報告するのか? そして春子は、どう受け止めるのか? でも、結果は「春子に見てほしいんだす」、「私 見たい」と言っただけ。これは脚本家が、「春子が、舞台に立っている千代を見れば、何かを感じるはず」と視聴者に解釈を丸投げしたのと同じ。
演出家は、その丸投げを、二人を見守る岡田家の面々の涙で誤魔化した。やはりここは、ナレーションで嘘でもいいから「千代ちゃんは、自分が大好きな仲間たちとの喜劇を見て欲しかったのです」か、「春子ちゃんは、千代ちゃんが舞台に立つ姿を初めて見るのが嬉しそうです」くらいは補強しないと。
脇役の泣き顔のアップを幾つも繋いだところで、何も伝わらなきゃしないのだから。いや、むしろ、千代は春子には春子に、岡田家の面々には春子のいない場で改めて、これまでの感謝を伝えつつ報告すべきだったと思う。それを描かないから、千代は不義理に見えてしまう。まっ、今さら言ってもしょうがないが。
当郎らラジオドラマ関係者には、報告する場面が欲しかった
主題歌明けには、当郎(塚地武雅)らラジオドラマの関係者に報告するシーンがあると思いきや、欠片もなかった。まあ、不義理が千代のお約束だから驚きやしないが。
やはりここは、千代をどん底から引き揚げてくれた謂わば “恩人” である当郎と脚本家の長澤(生瀬勝久)には、「お陰様で、道頓堀の喜劇に1日だけ出演出来ることになりました」と感謝を伝える1カットがあった方が良かったと思う。
それこそ、本読みのシーンの直前に「皆さんには、稽古でご迷惑をお掛けするかも知れませんが…」と一言断ってもいいし。なのに、やったのは、ちっとも笑えないコント風の “サプライズ” で千代を引き留めるって描写。これ、前段で千代の報告があって、千代を応援するために皆で練習して、そして時間経過してからでないと笑えない。
それにしても、春子への宿題の場面や終盤での熊田(西川忠志)への感謝を伝える場面もそうだが、なぜ、千代は何処か “キツイ” 物言いしか出来なくなったのだろう。もう、中堅女優で、いい歳のはずなのに…
不倫を「その節」と解釈し和解したなら「座長」と言うべき
どうでも良いことなのだが、残り1回しかないから書いておく。なぜ、千代はこの場に及んでも「座長」と呼ばずに「一平」と呼ぶのかが分からない。それでなくても、千代が、一平と灯子(小西はる)の不倫を「その節」程度に解釈して、和解した上で舞台に立つ、舞台に立ちたい理由が明瞭でないのだ。
だったら、千代がケジメを付けた証しして、「座長」と呼ぶのが最も分かり易いのでは? そこを「一平」と呼んでしまうと、引き摺っている、未練がある、恨みがある… ように映ってしまうことに、脚本家は気付かなかったのか…
相変わらずの過剰な"千代推し"の演出で、遂に"春子推し"か
もう、こうやるしか無かったのだろう。稽古のシーンはほぼ無くて、妙に意味深な千代の加えたい台詞だけ強調して演出。でも、これまでの描写不足によって、強調したところで何も伝わらない。そして、本番の日の客席も、千代の関係者が順序良く登場して、不自然過ぎる挨拶回り。
そして、相変わらずの過剰な “千代推し” の演出で、千代が画面にいない時は “春子推し” に切り替えて。まっ、春子役の毎田暖乃ちゃんを使って、最初の3週間で『おちょやん』の出鼻をくじいた梛川善郎氏が最終週の演出だから、当然と言えば当然なのだが…
あとがき
昨日は、午前中に「がん検診」がありまして、投稿が遅れました。気になった方、心配して下さった方、申し訳ございません。
さて。明日が最終回とは思えぬ程の、盛り上がりの無さ。ただただ、普通の週のように、久し振りに千代が一平と舞台に上がるだけ。きっと、拍手の嵐で終わるのでしょうが、それが「千代の人生」の何なのか?
こんな中途半端な終盤にするなら、離婚したところからの「千代の再起」を描いた方が良かったと思います。でも、明日が最後。舞台の幕が上がって、ドラマの幕が下りる。それも、いいかも…
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【これまでの感想】
第1週『うちは、かわいそやない』
1 2 3 4 5 土
第2週『道頓堀、ええとこや~』
6 7 8 9 10 土
第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』
11 12 13 14 15 土
第4週『どこにも行きとうない』
16 17 18 19 20 土
『おちょやん よいお年を!』
第5週『女優になります』
21 22 23 24 25 土
第6週『楽しい冒険つづけよう!』
26 27 28 29 30 土
第7週『好きになれてよかった』
31 32 33 34 35 土
第8週『あんたにうちの何がわかんねん!』
36 37 38 39 40 土
第9週『絶対笑かしたる』
41 42 43 44 45 土
第10週『役者辞めたらあかん!』
46 47 48 49 50 土
第11週『親は子の幸せを願うもんやろ?』
51 52 53 54 55 土
第12週『たった一人の弟なんや』
56 57 58 59 60 土
第13週『一人やあれへん』
61 62 63 64 65 土
第14週『兄弟喧嘩(げんか)』
66 67 68 69 70 土
第15週『うちは幸せになんで』
71 72 73 74 75 土
第16週『お母ちゃんて呼んでみ』
76 77 78 79 80 土
第17週『うちの守りたかった家庭劇』
81 82 83 84 85 土
第18週『うちの原点だす』
86 87 88 89 90 土
第19週『その名も、鶴亀新喜劇や』
91 92 93 94 95 土
第20週『何でうちやあれへんの』
96 97 98 99 100 土
第21週『竹井千代と申します』
101 102 103 104 105 土
第22週『うちの大切な家族だす』
106 107 108 109 110 土
第23週[最終週]『今日もええ天気や』
111 112 113
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