連続テレビ小説「おちょやん」 (第22週/土曜日版・2021/5/8) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』(公式サイト)
第22週『うちの大切な家族だす』の
『土曜日版』の感想。
※ 本作は、2021/04/14 にクランクアップ(撮影終了)しています。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を
竹井千代(杉咲花)が出演するラジオドラマ「お父さんはお人好し」は、果物屋を営む夫婦とその十二人の子どもたちが巻き起こすホームドラマで、千代と漫才師の花車当郎(塚地武雅)が夫婦役だった。第1回の放送は大好評で、見事に女優、竹井千代は復活を遂げた。「お父さんはお人好し」の人気は上々で、千代は大家族のお母ちゃんとして人気者になっていく。一方、天海一平(成田凌)は、脚本が思うように書けず、苦しんでいた。
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
本編の満足度が高ければ、「土曜日版」の満足度も高くなる
N「女優として再出発を決めた千代ちゃんの運命が大きく動き始めます」
これまで放送された22週の中で、私の評価では最も完成度が高かった「第22週」。従って “ええとこ取り” をしている「土曜日版」でも、文字通り “ええとこ取り” で、いい感じに仕上がっていた。今週は5回分全てを録画保存しているが、どこを削除したのか分からない程に、上手く編集されていた。
もちろん、千代(杉咲花)に関わる部分と、最終週に必要となる一平(成田凌)のくだり以外を、徹底的に削除して、約14分間にまとめたと言って良いだろう。
とにかく、演出が抜群に良いから、印象が薄いシーンが削られているだけ。だから、“ええとこ取り” 以上に、スッキリと見応えのある内容だった。やはり、本編の満足度が高ければ、「土曜日版」の満足度も高くなる… と言うことだ。
総括気味だが本作が描きたかった"3つ"のことを書いてみる
さて、来週(最終週)が、どのような展開で、そして最終回を迎えるかわからないから、気分が良いうちに少しだけ、本作の感想をまとめておこうと思う。
本作が描きたかったことは、脚本家自身にしかわからない。しかし、この「第22週」に於ける 「千代の復活劇」、「栗子の退場劇」、「ラジオドラマの内容」、「千代と春子の新たな関係」を見れば、自ずと見えて来たものがある。それは、大きく3つだ。
1つは、ホームドラマの中の “家族” を通して描かれる “お母ちゃん” の存在の大きさ。
もう1つは、千代が女優や喜劇や芝居を通して描かれる「女の一代記」としての波乱万丈。
そして3つ目が、脚本家の長澤(生瀬勝久)が千代に言った「生きてさえいれば」と言う “諦めない気持ち” と、ラジオドラマの台詞にもあった「お帰りなさい」と言う “人への温もり” や “癒しの心” の大切さだ。
千代にとっての「理想のお母ちゃん像」みたいなものが映像に反映されていたら…
1つ目については、描かれていないとは言わない。しかし、きちんと描いたかと言えば、ノーと言わざるを得ない。やはり、もっと「家族」、特に、今週のような展開を当初から企画していたのなら、千代と父テルヲと弟ヨシヲ、そして栗子との関係は、もっと丁寧に描くべきだった。
なぜなら、千代と一平の間には子どもがいないから、その部分にも触れるべきだったし、触れた上で千代にとっての「理想のお母ちゃん像」みたいなものが映像に反映されていたら、今週はもっと感動出来たと思う。
主人公が自分の将来を決めると言う最も大事な部分が曖昧だったのが残念過ぎる…
2つ目の「女の一代記」についても、残念しかない。特に残念なのは、千代が「岡安」へ奉公に出てから、どうして役者になりたいと思ったのか? なぜ、喜劇をやろうと思ったのか? いつから自分の芝居でみんなを幸せにしたいと思ったのか? 主人公が自分の将来を決めると言う最も大事な部分が曖昧にしたまま最終週を迎えるのは、流石に残念過ぎる。
「生きてさえいれば」と「お帰りなさい」は、もっともっと活かすべきだった…
そして、3つめだ。長澤の「生きてさえいれば」と言うのは、千代と父テルヲとの関係修復にも使えたし、弟ヨシヲの悪の道からの改心にも使えたはずだ。また、「お帰りなさい」だって、弟ヨシヲの帰国に浸かっても良かったし、高城百合子と小暮にも使って良かったと思う。
だって、「生きてさえいれば」だから、千代は栗子との関係修復が出来たし、千代と春子の絆にも繋がった。きっと、「お帰りなさい」なんて、最終週では、最も重要なキーワードになるかも知れない。道頓堀の人たちへ錦を飾るように帰って来る千代に「お帰りなさい」になるだろうから。
脚本に書かれていないニュアンスを、勝手に演出家毎に付加するから、おかしくなった…
脚本が良くないのは当然のこと、今さら言ってもしょうがない。しかし、演出家の違いによって、ここまで仕上がりや完成度が違うと、演出の問題は “今さら” では済まされない。
やはり、演出家の違いによって、強調したり印象付けたりする部分が違い過ぎたのだ。千代だって、「生きてさえいれば」と言う気持ちで、辛い時や苦しい時も踏ん張って来た。それはわかっている。脚本には、そのように書かれているのはわかるから(台詞とト書きは見えて来るから)。
でも、演出で、その踏ん張りが、ただ怒鳴っているだけに見えたり、時には脅しているように見えたり、押し付けをしているように見えたりしたのだ。脚本の台詞には、そこまで書かれていないのに。
俳優を目立たせ、演じる役のキャラクターを必要以上に強調し過ぎたから…
特に、本作のメイン・ディレクターを始め多くの演出家が、物語を紡いで登場人物の人生を描くことよりも、俳優を目立たせ、演じる役のキャラクターを必要以上に強調し過ぎたために、キャラクターの見せ場づくりの方に注力してしまったと思う。
だから、比較的、脇役は覚えているが、肝心の千代や一平についての印象が薄いのだ。まあ、今さら言っても、しょうがないが…
あとがき
今週は、本当に良く出来た一週間でした。いよいよ、次週が最終週。これまでのことは忘れて、第22週のイメージを引き摺って行きましょう!
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【これまでの感想】
第1週『うちは、かわいそやない』
1 2 3 4 5 土
第2週『道頓堀、ええとこや~』
6 7 8 9 10 土
第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』
11 12 13 14 15 土
第4週『どこにも行きとうない』
16 17 18 19 20 土
『おちょやん よいお年を!』
第5週『女優になります』
21 22 23 24 25 土
第6週『楽しい冒険つづけよう!』
26 27 28 29 30 土
第7週『好きになれてよかった』
31 32 33 34 35 土
第8週『あんたにうちの何がわかんねん!』
36 37 38 39 40 土
第9週『絶対笑かしたる』
41 42 43 44 45 土
第10週『役者辞めたらあかん!』
46 47 48 49 50 土
第11週『親は子の幸せを願うもんやろ?』
51 52 53 54 55 土
第12週『たった一人の弟なんや』
56 57 58 59 60 土
第13週『一人やあれへん』
61 62 63 64 65 土
第14週『兄弟喧嘩(げんか)』
66 67 68 69 70 土
第15週『うちは幸せになんで』
71 72 73 74 75 土
第16週『お母ちゃんて呼んでみ』
76 77 78 79 80 土
第17週『うちの守りたかった家庭劇』
81 82 83 84 85 土
第18週『うちの原点だす』
86 87 88 89 90 土
第19週『その名も、鶴亀新喜劇や』
91 92 93 94 95 土
第20週『何でうちやあれへんの』
96 97 98 99 100 土
第21週『竹井千代と申します』
101 102 103 104 105 土
第22週『うちの大切な家族だす』
106 107 108 109 110
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