生きるとか死ぬとか父親とか〔全12回〕 (第5話・2021/5/7) 感想

テレビ東京系・ドラマ24『生きるとか死ぬとか父親とか』(公式サイト)
第5話〔全12回〕『嫉妬とか 愛情とか』の感想。
なお、原作のエッセイ、ジェーン・スー『生きるとか死ぬとか父親とか』は、未読。
父親について執筆しているエッセイがネタ切れになってきたトキコ(吉田羊)。幼いころ父と楽しく遊んだ思い出がないという話から、東(田中みな実)に提案され、父(國村隼)と二人で動物園に行くことに。しかし自由気ままに歩き回る父に振り回されるばかりで良いエピソードなどとても作れそうにない。ところが帰りに寄った昔なじみの店で、トキコの知らない昔の父の仕事話や幼い頃の2人のエピソードを知らされることに。
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
原作:ジェーン・スー『生きるとか死ぬとか父親とか』
シリーズ構成:山戸結希(過去作/映画「溺れるナイフ」、映画「21世紀の女の子」、映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」)
脚本:井土紀州(過去作/私立探偵・濱マイク シリーズ、ダムド・ファイル シリーズ)
演出:山戸結希(過去作/映画「溺れるナイフ」、映画「21世紀の女の子」) 第1,2話
:菊地健雄(過去作/仮面同窓会、この男は人生最大の過ちです) 第3,4,5話
音楽:Vampillia
OP主題歌:高橋優 「ever since」(unBORDE / Warner Music Japan)
ED主題歌:ヒグチアイ 「縁(ゆかり)」(ポニーキャニオン)
劇中の相談コーナーと、トキコの日常が、しっかりとリンク
今回のエピソードと言うか、40分間の構成、これまでの本作で最も凝った感じを覚えた。
序盤で、父親とのエッセイのネタ切れに悩むトキコ(吉田羊)を描いて、いつもの劇中ラジオ番組「トッキ―とヒトトキ」の人気コーナー「今週のお悩み相談コーナー」で、ラジオネーム:悪い習慣さん(女性)が幸せそうな家族といる子どもの写真を見ると、「未婚で子供がいないから、子供のいる家庭を羨んでいるのか?」との悩みに…
トキコが自身の類似体験を持ち出して、自分が父・哲也(國村隼)との幼少期に父親と楽しく遊んだ思い出が無いことから、アナウンサー・東七海(田中みな実)の提案で、動物園に行くと言う展開。
これ、しっかりと、劇中の相談コーナーと、トキコの日常がリンクしている。こう言うスムーズな展開もあるのかと思うと、益々、本作に面白味を感じてしまった…
タクシー代の6,500円のくだりも良かった
タクシー代の6,500円のくだりも、さり気なく “介護あるある” って感じだ。まあ、私の場合は既に実の両親は他界しており、介護もだいぶ前に卒業しているが。
それでも、ああやって、娘が誘ったのだから、娘に支払ってもらえば良いって考えるのは当然だし。それよりも何よりも、親が自分を頼ってくれることへの満足感と言うか、親への恩返しと言うか、悪い気分で無かったことだけは、鮮明に覚えている。
動物園で動物の値段を披露するくだりは、笑ってしまった
父・哲也が、経済雑誌の「動物の値段」の一覧表を大切に持っては、その動物の前で値段を披露するくだりは、笑ってしまった。
あれに似た経験がある。私に、某ファミレスの新メニュー作成担当をやっている知人がいて、その人と食事に行くと、「これ、原価○円、利益率○%」とか、すぐ言う。彼女に言わせると “バイヤーあるある” だそうだ。つい、原価計算してしまうと。
まあ、お店も儲けてなんぼなのだが、やはり的確に原価を言われると、レジでお金を払う時、「こんなに!」と思ってしまう、私は心が小さいのだ、きっと…
終盤の構成も、実に巧みだった
父の古い友人・沼田(菅原大吉)がやってる “とんかつ屋” へ行くことに。
トキコ(M)「食事のあとに 口の周りを しつこく拭くクセは
父が私に残したものだった
それは 父が 幼い私のそばにいた時間が
あったということの証しであり
もはや 埋めようがないと思っていた欠損は
ほんの少しだけ 埋まった」
終盤の構成も、実に巧み。本当は、トキコが父と出掛けて、大収穫だったのは、「クセが父親譲り」だったこと。なのに、そのことは、ドラマとしては描かれても、劇中の「相談コーナー」では話さないってこと。
だって、老いた父親と中年女性が動物園に行った理由は、父のことを書くエッセイのネタを仕入れることだったのだから、ラジオでは言わずにエッセイで書く。なんか、ちょっとしたことだが、エッセイストでラジオパーソナリティもやっている主人公のドラマらしさが、垣間見れた楽しく、ホンワカしたエピソードだった。
あとがき
今回のサブタイトルは最初の『嫉妬とか 愛情とか』から、最後には『嫉妬とか 愛情とか 絆とか』になりましたね。正に “クセが親子の絆” ってこと。個性的なトキコと、更に個性的な父・哲也のやり取りに、亡き父との思い出がいろいろ浮かんで来て楽しかったです。次回にも、期待します。
それと、エンディング主題歌の、ヒグチアイさんが歌う「縁(ゆかり)」が、もう脳内ヘビロテしてしまって、先日、デジタル配信で購入してしまいました。歌声、とても素敵です。耳馴染みが良いと言うか、聴き心地が素敵歳うか。それに、お風呂で鼻歌に歌うのにちょうどいいんです…
ヒグチアイ / 縁 【Official Music Video】
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