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連続テレビ小説「おちょやん」 (第108回・2021/5/5) 感想

連続テレビ小説「おちょやん」

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』公式サイト
第108回第22週『うちの大切な家族だす』の感想。


 本作は、2021/04/14 にクランクアップ(撮影終了)しています。
 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。


ラジオドラマ「お父さんはお人好し」の第1回の放送は、絶体絶命のアクシデントの危機を千代(杉咲花)と当郎(塚地武雅)の機転でなんとか脱する。その結果、お茶の間では大好評。女優・竹井千代は見事に復活を遂げた。番組は好調で半年間が過ぎ、道行く人に「千代子お母ちゃん」と呼ばれる程だった。一方、一平(成田凌)は3か月後の新作を熊田から依頼されるも書けずに苦しんでいた。そんな中、一平は寛治に頼み事をするが…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

●作:八津弘幸 ●脚本協力:吉田真侑子 ●演出:佐原裕貴(敬称略)

第14週から視聴モードを「好意的な解釈」から「様子見」に格下げしております。

今週になってから、演出を含めて楽しめている

当blogのご常連さんならば、私の『おちょやん』への感想が、ある時期まで酷評続きで、ある時期から醒めた感想へ変化したのは、ご存知のはず。そして、今週になってから、演出を含めて楽しめていることは、感想を読んで頂ければ、お分かり頂けていると思う。

脚本、俳優、演出の役割を "建築" に例えて考えてみたい!

今回は、本編の感想を書く前に、なぜ今週がこれまでより面白いのかの理由を、とある読者さんから頂いた「演出でドラマがどこまで変わるのか?」と言う質問への回答をリライトしてみようと思う。

これによって、今週の演出家・佐原裕貴氏が “今週が本作初” で “大ベテランではない” のに、ドラマを面白く出来ているのかが、わかって頂けるような気がする。

まず、皆さんに分かって頂きたいのは、基本的に、脚本、俳優、演出には、それぞれの役割があると言うこと。建築に例えると以下のようになる。

  ●脚本は、緻密な設計図
  ●俳優は、優れた建材
  ●演出は、器用な大工さん

そして、建築で最も大事なのは、設計図を基に大工さんが建材を使って作る「土台(基礎)」だ。この「土台=ドラマの登場人物や状況や時代などの初期設定」が、凸凹だったり、ふにゃふにゃだったりすると、そんな土台の上に何を建てても崩れて倒れてしまう。

このように、脚本と俳優と演出の関係を考えると。演出次第で、脚本も演出もダメになることもわかって来る。設計図通りに施工しなければダメだし、建材を適切に使わなければダメ、と言うわけだ。

今週の演出家は"とても器用な大工さん"だと言うことが重要

だから、先日の感想でも書いたのだ。例え、脚本(緻密な設計図)に万が一 “不備” があっても、施工段階(撮影段階)で、脚本家の意図を正しく解釈して補強が出来る演出家(器用な大工さん)が居れば、現場で修正することが出来るのだ。

もちろん、不備ばかりの設計図を書き続けた脚本家が、今週のように “まぐれ” でも不備なく、きちんと書かれていれば、器用な大工さんである演出家は、更に手腕を発揮して、優れた建材である俳優さんたちを使って、より良い作品を作ることは、容易に想像がつくと思う。

従って、器用な大工さんのような今週の演出家の存在が、意外と作品の最終的な品質を決めてしまうと言うことを、覚えて置いていただければと思う。

アバンタイトルの入り方も、実に滑らかで良かった

ここから、本編の感想。

前回で、ラジオドラマ「お父さんはお人好し」の第1回の放送が、絶体絶命のアクシデントの危機を千代(杉咲花)と当郎(塚地武雅)の機転でなんとか脱した。その結果、お茶の間では大好評となり、「女優・竹井千代」は見事に復活を遂げた。そして、番組は好調で半年間が過ぎ、道行く人に「藤森家のお母ちゃん」と呼ばれる程の人気になった。

そして、前回の終盤からシームレスに今回のアバンタイトルへ繋がる編集で始まった水曜日。実は、こう言った奇を衒わない、滑らか “続き方” で良いのだ。なぜなら、先日も書いたように「千代が女優復帰しただけ」、「女優復帰が順調なだけ」なのだから。大袈裟に演出する必要なんて、微塵もないのだ。

ラジオドラマの録音風景での、粋なラストカットの演出!

しかし、私は、ラジオドラマの収録風景(劇中では生放送の設定だが)の演出が、意外と良いなと思っている。特に、今回は。

前回までと今回のアバンタイトルの録音風景で明らかに違うのが、カメラワークとスイッチングだ。要は、カメラの置く位置と動きと、撮影中のどのカメラを編集で活かすのかが違うのだ。

前回までは、死録音スタジオ(録音ブースとも言う)の中に完全にカメラが入って、ミキサー室(音響調整卓のある場所)からは見えない映像が使用されていた。これによって、前回では、千代が子役に気遣いしている様子を見ることが出来た。そう、生放送の臨場感を出すために、カメラがブースの中に入っていることを強調した。そのことで、視聴者にも生放送の緊張感を伝えることに成功した。

しかし、今回のアバンでは、カメラの位置は基本的にミキサー室側にあるような雰囲気(ガラスへの光の反射はなかったが)、そう、ラジオ番組ディレクターや脚本担当の長澤(生瀬勝久)らの視点になって、演技をしている千代や当郎(塚地武雅)たちを首振りながら見ている感じに編集されていた。所謂「舞台中継風の編集」と言うわけだが。

これを用いると視聴者は客観的に劇中劇を見る感覚になると言う利点がある。要は、視聴者は長澤らと共に “一リスナー” に仕立てる演出なのだ。これによって、前回の繰り返しにも見えなくなると言う効果もある。

そして、アバンの最後のカットだけ、カメラが完全にブースの中に入って、ミキサー室を映す。本来なら、ミキサー室の会話はブース内に聞えないのに、私達には聞えて来た。要するに、視聴者用のカメラはブース内なのに、マイクはミキサー室にあるってこと。ここが、ちょっと洒落た演出なのだ。

これが、番組関係者の背中越しの録音ブースだったら、変化がないから面白くない。でも、この演出家は一捻りしてきた。なかなか、上手い演出だと思う。

ラジオを聴いた岡安と新喜劇の応援団が喜ぶのは悪くない

主題歌明けは、“千代の応援団” である、「岡福うどん店」と「鶴亀新喜劇」の面々が千代の活躍を喜ぶシーンで始まった。まあ、これは良い。とにかく、好感度が低いヒロインだから、劇中だけでも応援団の存在を強調するのは良いこと。これによって、洗脳される視聴者もいるはずだし。

今さら、苦悩する一平を描く意味を勝手に推測してみた

その後は5分頃から、才能が枯渇したと思っている一平(成田凌)のくだりが始まった。正直、私は、もう一平のくだりは不要だと思っている。千代が一平と再婚でもするか、「鶴亀新喜劇」に戻って来るかしない限り、描いても意味がないと感じているから。

でも、脚本家は書いた。苦悩する一平を。今週の八津弘幸氏が書く脚本は、これまでにない程に筆が乗っているから、

恐らく千代が一平の最後の脚本を演じに「鶴亀新喜劇」へ戻るのだろう。それ以外は考えられない。もしも、この予想が外れたら、設計図に「庭に池がある」と書いてあるから、器用な大工さんが池を作っただけになるから。流石にプロの脚本家が残り1週半でやるとは思えない。

そんな思いで見ると、一平と寬治(前田旺志郎)が稽古場で向き合って、本音をぶつけ合うシーンは、走り去る電車の音と踏切の音で始まり、コントラストの強い照明で二人に光を当て、やたらと顔のアップでのダイアローグ・カット(喋っている演者のカットだけを繋ぐ編集技法)を多用せずに、二人向き合い横並びのツーショットと、喋っていない方(受け手側)の芝居を効果的に使い分けた。

稽古場を立ち去る寛治の "編集の妙" に気付いて欲しい!

これだけでも結構いいのに、私がこのシーンで気に入った編集は次の部分だ。寛治が一平に「俺が引導を渡したる」と言った直後に、寛治が立ち上がり、稽古場から出て行くまでのカット編集だ。

良く見るとわかるが。一平が立ち上がる動作を始める。次のカットの寛治は、既に立ち上がり終えていて、脱いだ靴も履き終えていて、ドアの前に立って、正にドアを開ける直前の状態だ。そう、寛治が立ち上がって靴を履いて、数歩歩く過程が省略されているのだ。なぜ、そうしたのか? 本当のことは演出家に聞かないとわからない。

ただ、私なりに考えると、一連の “立って靴を履いて歩く動作” が無い方が、稽古場を出て行く寛治の背中の “切なさ” や “わびしさ” が強調される。且つ、出て行く寛治と、寛治を見送る一平の背中を1カット内に収めることで、二人の男の背中で、一平は “これまで背負って来たもの” を、寛治は “これから背負っていくもの” を対比したかったと考えた。

演出家の真意は分からないが。でも、寛治の動作を省略して、その尺を稽古場に一人残された一平に割り当てた編集の効果は十分にあったと思う。

長澤が千代に言った言葉こそ、本作の"根幹"であり"肝"だ!

一体、先週分と今週分の脚本を書いている間に、八津弘幸に何が合ったのだろう? と思わせるような “別人” が書いたようなシーンがあった。それが、11分過ぎからの、盲腸で入院中の脚本家・長澤が、見舞いに来た千代に、ラジオドラマ「お父さんはお人好し」を書く気になった理由を述べる場面と、出演者たちを起用した理由を順に話す場面だ。

これまでは、このような場面は、ほぼ説明臭くなっていた。しかし、このシーンは明らかに違っていた。今回の感想でも、今週は「千代が女優復帰しただけ」、「女優復帰が順調なだけ」と書いた。しかし、それだけでなないことが、次の長澤が千代に訴えた台詞でわかる。

長澤「今 前を向いて 生きてるかどうかです。
   竹井さん あなたも その一人や。
   ちゃんと 女優として 今 ここにいてはる。
   そういう力は 芝居に にじみ出る。みんなを勇気づける」

長澤がホームドラマを描く理由、脇役たちを起用した理由に続いて、千代を何が何でも起用したかった理由こそ、間違いなく本作の “根幹” であり、“肝” であり、千代の人生でしか描けない「女優・竹井千代」の “存在価値” なのは、言うまでもない。

そして、前を向いて生きて、みんなを勇気づけることが出来る千代の存在が、ラジオドラマの大成功や、「鶴亀新喜劇」の再起に繋がって行くような気がする。千代のこれまで描かれた人生が、長澤の台詞に全部フィードバックして、それがもう一度、竹井千代にフィードバック。これこそ、朝ドラのエピローグらしいエピソードだと思う。

「主人公が動くことで物語が動く」が、きちんと出来ている

本当に惜しいことをした… と、今回を見て改めて思ってしまった。

脇役のエピソードに主人公を絡めて、怒鳴って騒動が解決するのを繰り返しただけで、騒動が主人公にフィードバックすることは殆ど無かった。だから、千代の存在意義も薄まったし、脇役ばかりが目立って、千代の物語も見えなくなった。

しかし、今週のように、千代が生きて行く姿を応援する人たちの言動が、また千代を動かし、動き出した千代に応援してきた人たちが動き出す。この「主人公が動くことで、物語が動く」ことが、ドラマでは非常に大切なのだ。

台詞や騒動でなく、主人公自身が動くことが、ドラマを動かすエンジンであり、脇役たちがエンジンの燃料なのだ。そのことが、月曜日から水曜日まで、ちゃんと出来ている。これは、終わり良ければ総て良し… になるかも?

あとがき

『お父さんはお人好し』の出演者の一人、五女・静子(藤川心優)が、劇中の母を、まるで本当の母にすがるように千代の家に転がり込んでいた… と言う設定も、いい感じですね。騒動として、違和感がありません。そして、この騒動を千代が機転を利かせて乗り越えるのも悪くないと思います。

「こう言うのが見たかった」は、今回も当て嵌まりました。次回も期待できそうです。


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【これまでの感想】

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第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』
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連続テレビ小説『おちょやん』第108回

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★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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