大豆田とわ子と三人の元夫 (第4話・2021/5/4) 感想

関西テレビ制作・フジテレビ系・火9ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(公式サイト)
第4話『秘密が絡み合う二つの三角関係』の感想。
また、本作は昨夏に全話を撮影終了しているため、要望などは基本的に書きません。
八作(松田龍平)は、親友・俊朗(岡田義徳)の恋人である早良(石橋静河)のアプローチに頭を悩ませていた。自然にもてる八作を、慎森(岡田将生)と鹿太郎(角田晃広)はやっかむ。一方、かごめ(市川実日子)が、とわ子(松たか子)と同じマンションの男性から食事に誘われた。かごめは面倒くさがるが、とわ子は自分のことのように胸を躍らせる。しかし突然、かごめと連絡が取れなくなる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:坂元裕二(過去作/東京ラブストーリー、問題のあるレストラン、カルテット)
演出:中江和仁(過去作/映画「嘘を愛する女」、きのう何食べた?) 第1,2話
池田千尋(過去作/プリンセスメゾン、まどろみバーメイド) 第3,4話
瀧悠輔(過去作/僕はどこから)
音楽:坂東祐大(過去作/美食探偵 明智五郎)
ナレーション:伊藤沙莉(過去作/ひよっこ、これは経費で落ちません!、いいね!光源氏くん)
挿入歌:「Ils parlent de moi feat. Maika Loubte」
「All The Same feat. Gretchen Parlato, BIGYUKI」
主題歌:STUTS & 松たか子 with 3exes(Sony Music Labels)
「Presence I (feat.KID FRESINO)」(第1話)
「Presence II(feat. BIM, 岡田将生)」(第2話)
「Presence III(feat. NENE, 角田晃広)」(第3話)
「Presence IV(feat. Daichi Yamamoto, 松田龍平)」(第4話)
今さらだが、本作は「字幕オフ」の方が断然楽しめる!
第4話になってから気付いたことがある(遅っ!) 実は、私には俳優が喋る台詞のニュアンスや演技の妙を見ながら確かめる癖がある。従って、ドラマを見る時は基本的に「字幕オン」にして見る。脚本を読みながら、映像を見ると言う感覚だ。
そして、第4話で気付いたのだ。本作を「字幕オン」で見ると、画面からの情報量が多過ぎて疲れるのだ。本来、本を読むのも好きだし、洋画は選択制なら絶対に字幕派の私でも、本作の「字幕オン」は情報量が多過ぎて、正直疲れる。
最近の若い人たちは「会話劇への拒否反応」が強いと言う…
実は、今期に放送されているドラマ『コントが始まる』にも、同様の傾向がある。そう、とにかく2作品共。台詞の量が超多い会話劇なのだ。その上、ドラマチックな展開も無く、とにかく劇中内の登場人物たちの日常を描くだけ。
最近、ブログを読む人が減っていると言う。ネットニュースも全体的に文章が短くなっている。映画の字幕ですら、基本「11文字×2行」より少なくして欲しいと言う希望が多いと言う。まあ、この現象を「若者の文字離れ」、「長い文章嫌い」、「会話劇への拒否反応」と容易に決めつけようとは思わない。
しかし、上記の2つのドラマが、「大人がハマるドラマ」に対して、「若者ウケしないドラマ」であることは、ネット上の反応や視聴率を見ても明らかだ。
前回までより、明らかに第4話は台詞量が膨大になっている
だから、第4話は、30分までの「かごめ(市川実日子)の話」を見た時点で、最初から「字幕オフ」で見直した。すると、かごめの台詞はおろか、とわ子(松たか子)の魅力まで “演技だけ” で見えて来た。
もしも、第4話から、「なんか、第3話までのように心に入って来ないな」と思った人。それは、明らかに、第1話と同等レベルにナレーション(伊藤沙莉)が増えたことと、喋るキャラが増えたことによる “情報過多” に追従できていないだけの可能性がある。
従って、「字幕オン」なら “オフ” にする、「字幕オフ」なら改めて “これまでより台詞量が膨大になっている” ことを自覚するだけで、また、楽しめるようになると思う。と言いつつ、自分が長文を書いているのは如何なものか…(苦笑)
大胆な構成で、同性にも愛される"とわ子の魅力"が見えた!
さて、ここから本編の感想だ。前述のように、今回の構成は、かなり大胆だった。前半の30分間は、ほぼ “三人の元夫” が無関係な、主人公・とわ子と、とわ子の30年来の親友・かごめのエピソード。『大豆田とわ子と三人の元夫』と言うドラマのタイトルからすると、相当に違和感ある構成だ。
しかし、運良く2回見ることになった私は、この前半30分間は、かごめの人物紹介的な要素を持ちながらも、本質的な部分では、とわ子の “女性目線” から見た “魅力” を描いたのではないかと思った。
これまでは、どちらかと言うと、3人の男性と結婚(離婚)できた “とわ子” を “男性目線” からみた “女性としての魅力” の描写に重きが置かれていた。しかし、かごめとのやり取りを通して、女性同士の友情や互いの尊厳などを通して、同性にも愛される “とわ子の魅力” が見えた。
これは、ドラマが全話の折り返しを迎える前にやっておいて正解だったと思う。
"とわ子の魅力"に魅了される人たちのロマンティックな雰囲気漂うヒューマン・コメディ
とにかく、自由で、ポジディブで、押し付けをしない、とわ子のさり気ない言葉の数々。憎めず、お茶目で、役に立ちたいと思わせる言動の数々。それが、第4話で私に伝わった “とわ子の魅力”。きっと、かごめも、三人の夫も同じように思っているのではないだろうか?
そんな “とわ子の魅力” に魅了される人たちの日常をただただ描いた群像劇であり、ロマンティックな雰囲気漂うヒューマン・コメディ。それが『大豆田とわ子と三人の元夫』。日記のページをめくるようなエピソードの箇条書きも、実は少しずつ変化し、成長している。
挑戦的な作品だからこそ、見る人それぞれの楽しみ方で楽しんだら良いと思う
変化も成長もするが、そう簡単に変わらない部分もある。でも、それが普通の人の人生。BGMも流れなければ、洒落た言葉もないのが普通。
でも、そんなどこにでもあるような日常が、演技派の俳優たちが演じ、照明が当たり、音楽が流れ、編集で巧みに繋がると、ドラマになる。ただ、それだけなのだが、シンプルな作品づくりほど、難しいものはない。だから、本来は、こう言う作風は映画の方が合っている。
でも、敢えて、地上波ドラマ、それも、よる9時から放送すると言う挑戦的な作品だ。だから、見る人それぞれの楽しみ方で楽しんだら良いと思う。だって、企画段階から(きっと)見る人を選ぶ作品であり、楽しめる人も選ぶ作品であることを、作り手は百も承知で放送しているのだから…
あとがき
個人的には、第4話が最も本作らしさに溢れていたと思います。脇役の出番が多い中で、絶妙なさじ加減で主人公・とわ子を際立てていたと。次回も楽しみです。だって、何が起こるかわからないのですから…
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