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コントが始まる (第3話・2021/5/1) 感想

コントが始まる

日本テレビ系・土10ドラマ『コントが始まる』公式サイト
第3話『奇跡の水』、EPG欄『孤独な夜に救いとなるのは』の感想。



1年半前の生きる気力を失ったような里穂子(有村架純)を知るつむぎ(古川琴音)は、春斗(菅田将暉)ら「マクベス」の解散発表以降、里穂子がため息ばかりついていることを心配していた。一方、春斗も兄・俊春(毎熊克哉)のことが気掛かりだ。順風満帆の人生を歩んできた俊春は、挫折を経験し、現在は実家で引きこもり状態になっていた。春斗はそんな兄の姿に責任を感じていて…。
---上記のあらすじは[[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:なし
脚本:金子茂樹(過去作/世界一難しい恋、もみ消して冬、俺の話は長い)
演出:猪股隆一(過去作/怪盗 山猫、家売るオンナシリーズ、ニッポンノワール、35歳の少女) 第1,2
   金井紘(過去作/信長協奏曲、ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~) 3
音楽:松本晃彦(過去作/踊る大捜査線、3年A組、ニッポンノワール)
主題歌:あいみょん「愛を知るまでは」(unBORDE)

冒頭のコントは、徹底的に俳優の存在感を消すような演出に戻して欲しい

冒頭の「マクベス」のコント「奇跡の水」を見て、演出家が第2話までと交代したことがわかる。

この冒頭のコントは、私が今さら解説する必要もないが、若手演技派の3人下手なコント師を “演じ” て、下手なコントをやっている様子を録画したと言う設定だ。だから、このシーンで最も大事なのは、3人が下手なコント師を演じていると、視聴者に思わせないことであるのは間違いないはず。

そして、前回までの演出、特にカメラワークと編集は、全体的に引きのサイズの小さめで、ダイアローグ・カット(台詞を喋ている演者を中心に撮影し編集する演出技法)を使用して、出来るだけ3人が同時に1つの画面に入るのを嫌うことで、舞台中継っぽさを薄めて、ドラマの本編と馴染むような工夫が施されていた。

しかし、演出が猪股隆一氏から金井紘氏へ交代した。そこで一番変わったのは、引きの画のサイズが広くなった。そのことで、単純に舞台中継っぽさが強まった。更に3ショット(3人が1つの画面に同時に居ること)のカットが増えたため、3人の全身を使った演技が良く見えるようになった。

このために、これまでより演技派の俳優3人が巧みに、下手なコント師を演じている感じが強まってしまった。ここの評価は非常に難しい。とにかく、3人が下手なコント師を上手く演じているのは間違いない、でも、ドラマとしては、そう見えてはいけないのだ。本当に「マクベス」と言う下手なコント師が面白くないコントを演じているように見せるべきだから。

ここだけは、演出の問題だ。俳優は悪くない。本作が、『コントが始まる』と言うタイトルで、冒頭にネタ振りのコントがあり、中盤にドラマがあって、終盤にサゲがあると言う、落語的な面白い構成で挑戦してるのは理解しているし、興味もあるし、面白いと思う。

だからこそ、冒頭のコントは、徹底的に俳優の存在感を消すような演出に戻して欲しい。その方が、全体の統一性も、更に増すと思う。

つむぎが里穂子との回想をするシーンの演出は見応えアリ

しかし、本編に入ると、意外な程に、金井紘氏の演出が作品にマッチしていた。だから、演出と言うのに興味深くなる。

例えば、1年半前、生きる気力を失ったような姉の里穂子(有村架純)を知る妹のつむぎ(古川琴音)の視点で、つむぎの長いモノローグで紡がれる回想シーンから現在に至る過程を描いたシーン。

まず、脚本の工夫だ。里穂子の過去を描くなら、自身の回想で描く手もある。しかし、自分が自分の過去を喋ると、どうしても説明臭さが漂ってしまう。そこで、もう一つの手が、他の人に語らせる手法だ。今回は妹の視点で描かれたが、あれだけの長台詞のナレーションなのに、全く「思い出ビデオ」のような、ありがちな回想になっていなかった。

むしろ、視聴者が一度1年半前にタイムスリップして、つむぎと一緒に、里穂子が立ち直っていく様子を、同時に目撃、体験しているような映像になっていた。これは、つむぎを演じた古川琴音さんの演技力のお陰の部分が大きい。

でも、モノローグの原稿に、各シーンが実にピッタリと合っていると言う演出の妙もある。モノローグの内容と映像のシンクロと、カットの切り替わりとモノローグのタイミングが絶妙に合っているから、生活感すら伝わって来るのだ。だから、自然と映像に、ドラマの世界に惹き込まれる。ここの演出、簡単そうで実は高度なことをやっていると思う。

春斗と俊春の回想シーンの演出は敢えて変えてあった

また、前半でかなりの尺を割いて描かれた春斗(菅田将暉)目線で描かれた兄・俊春(毎熊克哉)の人生模様。ここも、前述のシーンと似たような長尺のモノローグで描かれた。でも、つむぎ目線で姉妹の関係を描いたのとは明らかに演出が違う。

なぜなら、春斗と春斗の兄弟の関係を描くには両親も描かなくてはならず、且つ、「マルチ商法」や「30代の引きこもり」と言った社会問題を含んでいるため、つむぎの手法でモノローグと映像を完全にシンクロさせると、重苦しくなるし、説明臭くもなる。そこで、コント「結婚式」を挟むことで、兄弟の関係を社会問題から少し遠退ける作戦に出た。

そのお陰で、全体が「春斗が語る高岩家のホームドラマ」のような雰囲気になり、つむぎパートとの差別化に成功した。この辺のメリハリの付け方も上手いと思う。

有村架純さんの絶妙な涙のタイミングと、玄関の5足の靴のカットが良かった

テレビドラマを、次のような見方をするのは邪道のような気がするのはわかっているのだが。中盤でのたこ焼きパーティーのシーンで、里穂子が自身の過去を話すシーンがあった。

「私が頑張るからダメなのか」から始まる吐露のカットは、ずっとカメラが里穂子を捉えている。カメラは、超ゆっくりと里穂子にズームインしていく。そして、40秒後に下手(画面の左側)の瞳から一筋の涙が零れる。絶妙なタイミングだ。

結局、このカットは、1分7秒間、ずっと有村架純さんのアップを撮り続けたわけだが、あのタイミングで一筋だけ涙を流せる演技力に見入ってしまった。そして、足を吹いたタオルで一笑いさせて、玄関に並ぶ5足の靴で終わる一連のシーン。

若いからこそ、「頑張ってしまう」し、頑張ったケッケを見て「頑張るのが怖い」と思うようになる気持ちが、5人の共通項になった会話劇。あざとい部分も、奇を衒った部分もなく、淡々と芝居で見せて、それでいて、最後の5足の靴が若者たちの、現在の佇まいや、次への第一歩を感じさせて、シーンを閉じる演出のセンスの良さ。

あれ、普通なら、遠くに聞える笑い声を重ねて、5人のいる部屋の灯りが点いているマンションの外観のカットとかにしてしまうと思う…

誰にでも気づいたら簡単にできる方法でも、心に痛みや傷を負った人たちに十分に寄り添うことになる

自分たちの部屋に戻って、発泡酒を飲む春斗と瞬太(神木隆之介)のやり取りも良かった。

瞬太「ドアをノックし続けることが大事なの。
   着信履歴はね 『心配しているよ』って メッセージなんだよ」

コロナ禍で、孤独や差別を受けている人たちがいる。仕事を失って未来が見えない人たちもいる。自分と言う存在が自分自身で確認するのが怖い人たちもいると思う。そんな時に、携帯電話の着信や、他愛のないメールやSNSが、相手にとって自分が忘れられていないと言う望みになる。

心に痛みや傷を負った人たちに、大袈裟な方法でなく、誰にでも気づいたら簡単にできる方法でも、十分に寄り添うことになるんだと言うことを、優しく描いた素敵なシーンだった。

やはり、前回の感想にも書いた通り、このアナログな感覚、「電話を掛ける」と言う行為を、若者たちも意識して使っている、使ってくれると言うのが、オジサンは嬉しくなるのだ。そう、SNSの「いいね」や「フォロワー数」や「既読」とは違う、アナログな人と人との温もりとか、優しさとか…

あとがき

臭い足を風呂場で洗う。洗った足を拭いたタオルで涙を拭う。マルチ商法から足を洗って、風呂に入って過去を洗い流して、前に進む。良く出来てますね。今回は少しシリアスな話でしたが、笑いのエッセンスが所々に散りばめられており、本作らしさがあったと思います。もう、本編部分には文句はありません。

あとは、「コント」を含めた1時間の構成を、もう少し見直したら、より完成度が高くなると思います。次回にも大いに期待します。


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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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