生きるとか死ぬとか父親とか〔全12回〕 (第4話・2021/4/30) 感想

テレビ東京系・ドラマ24『生きるとか死ぬとか父親とか』(公式サイト)
第4話〔全12回〕『時代とか 東京とか』の感想。
なお、原作のエッセイ、ジェーン・スー『生きるとか死ぬとか父親とか』は、未読。
トキコ(吉田羊)のエッセイが掲載された銀座のタウン誌『銀座百点』。それを探しに父(國村隼)と二人で銀座を訪れたトキコ。しかし、最近の銀座はすっかり様変わりしてしまい、思い出の店がいくつも移転したり、なくなったりしていた。何とかお目当ての『銀座百点』を見つけ喜ぶ二人は早めの夕食を取ることに。店に入るなり早速、掲載されたトキコのエッセイを読む父。そこには、父と母(富田靖子)の出会いの話が書かれていて…
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
原作:ジェーン・スー『生きるとか死ぬとか父親とか』
シリーズ構成:山戸結希(過去作/映画「溺れるナイフ」、映画「21世紀の女の子」、映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」)
脚本:井土紀州(過去作/私立探偵・濱マイク シリーズ、ダムド・ファイル シリーズ)
演出:山戸結希(過去作/映画「溺れるナイフ」、映画「21世紀の女の子」、映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」) 第1,2話
演出:菊地健雄(過去作/仮面同窓会、この男は人生最大の過ちです) 第3,4話
音楽:Vampillia
OP主題歌:高橋優 「ever since」(unBORDE / Warner Music Japan)
ED主題歌:ヒグチアイ 「縁(ゆかり)」(ポニーキャニオン)
「変化に対して 先住民は 無力なんです」
今回は、冒頭の “若いながらもモヤシあり” さんのお悩みコーナーから、私の心に突き刺さった。
私も、東京生まれの東京育ちで、私の代で5代目の所謂 “江戸っ子”(江戸っ子は、三代以上続いて江戸生まれでなければならないとの説がある)だ。つまり、両親も、祖父母も、そのまた祖祖父母も全員江戸っ子。更に、妻も実家も “江戸っ子” だ。但し、今は東京から千葉県に引っ越して来たから、東京育ちは40年間になるわけだが。
でも、実家が東京にあるから、その間も年中、東京には行っていたわけで。東京を離れて千葉県から東京を見ると、細かい所と大きな所も変化し続けてはいるものの、やはり「東京」は「東京」なのだ。むしろ、ちょっとずつ変化している部分と変化しない部分が混在していることが東京の魅力と言う感じがする。
劇中でトキコ(吉田羊)が「変化に対して 先住民は 無力なんです」とは、良く言ったものだと思う。
私の先祖代々の菩提寺は東京の浅草にあるが、お寺の周辺は幼少期の頃とは全く変わってしまった。でも、お寺は戦前から変わらない。もちろん、社殿などは近代的に建て直されているが、変わらない。そんな風に考えると、先住民は意外と変化に多様性を以って上手く順応しているとも言える。今回も、奥深いお悩みコーナーから始まった…
好きな街に認められたような気分で嬉しかった
物語は、トキコのエッセイが掲載された銀座のタウン誌『銀座百点』を探しに父(國村隼)と二人で銀座を訪れたトキコ親子が、すっかり様変わりしてしまった銀座に向かうところかは始まった。
私事で恐縮だが、私も家族も、銀座と日本橋が大好きで昔も今も良く訪れていた(今は、コロナ禍で行けないが)。劇中では、トキコが大好きな銀座のタウン誌に地震のエッセイが掲載されて、編集部から郵送してもらうことも出来たはずなのに、敢えて、自らタウン誌を探しに行く姿が描かれた。この、トキコの気持ちは良くわかる。
実は、2004年10月、日本橋三越本店に新館が完成し、「新・日本橋三越本店」オープンとなった。それを記念した上、更に、「株式会社三越呉服店」が「デパートメントストア宣言」を発し、日本初の百貨店となった1904年から、ちょうど100年目と言うことで製作され、日本橋三越新館の入り口で放映された「三越百周年記念映像」を4本も作らせて頂いたことがある。
毎週1作品、1か月間放映された。もちろん、自分で製作したからDVDを持っていた。でも、家族揃って、店頭に観に行った記憶がある。好きな街に認められたような気分で嬉しかったのを、今でも覚えている。
父との会話の中の母の"面影"昔の銀座の"面影"が重なって…
物語の続きは、何とかお目当ての『銀座百点』を見つけ喜ぶ二人は早めの夕食を取ることに。店に入るなり早速、掲載されたトキコのエッセイを音読し始める父。エッセイには、父と母(富田靖子)の出会いの話が書かれていて、それが間違っていることがわかり、トキコは本当の父と母の出会いのエピソードを聞くことになる。
そして、終盤のラジオの場面で、トキコが先日、父と銀座に行って、あまりの変貌ぶりに “若いながらもモヤシあり” さんと、同じ気持ちになった… と言う展開。トキコが父から聞いた話を思い間違えていたのか、父が間違って娘に話したのかは分からない。
でも、ああして、父親が生きているうちに、母亡きあと、父からしか聴くことの出来ない母との出会いを聞けたのは良かった。そして、父との会話の中に登場する母の “面影” と、街並みはだいぶ変わってしまったが、そこに銀座の “面影” は必ず残っていることを、上手く重ねたのも良かったと思う。
あとがき
タイトルが『時代とか 東京とか』から『時代とか 東京とか 面影とか』に変わった第4話。トキコと父の何気ないやり取りの中に、親子の歴史、夫婦の歴史を垣間見ることが出来た素敵な回でした。次回も、楽しみです。
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