連続テレビ小説「おちょやん」 (第105回・2021/4/30) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』(公式サイト)
第105回/第21週『竹井千代と申します』の感想。
※ 本作は、2021/04/14 にクランクアップ(撮影終了)しています。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
ラジオドラマ「お父さんはお人好し」のお母さん役に、竹井千代(杉咲花)を配役することを諦められない長澤(生瀬勝久)は、思い丈を全て千代にぶつけるのだった。一方で千代は、「お家はんと直どん」の千秋楽での自分の失態が脳裏から離れず、つらい思い出を引きずっていた。長澤の言葉に心揺さぶられるも断るのだった。その日の夕方、春子が嬉しそうな様子で学校から帰ってくる。春子の言葉が、千代の何かを動かそうとしていた…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
●作:八津弘幸 ●脚本協力:吉田真侑子 ●演出:梛川善郎(敬称略)
第14週から視聴モードを「好意的な解釈」から「様子見」に格下げしております。
杉咲花さんの号泣でドーランが剥げたのに、OKテイクか…
どうでも良いことなのだが。4月22日放送の第99回に、千代(杉咲花)が寬治(前田旺志郎)が作ったチャーハン(焼き飯か?)を食べて号泣するシーンがあった。その時の芝居をよほど演出家が気に入ったのか、ご飯粒を零したカットを「OKテイク」にしていた。
本当に、どうでも良いのだが。やはりプロの演技者とプロの演出家が仕事をしているのだから、特に「ここぞ!」と気合の入るシーンの時は気にして欲しかった。そして、今回の4分でも同じことが起きた。春子(毎田暖乃)が千代に抱きついて、千代が号泣するのだが、涙で “ドーラン”(ファンデーションのような撮影用の化粧品)が剥げていた。
つくづく、どうでも良いことなのだが。あの剥がれた一筋の線が、一瞬にしてドラマの世界観をぶち壊す。「撮り直さなかったんだ」、「杉咲花さん、気を付けなかったんだ」、「演出家も気を遣わなかったんだ」って。ドラマとは、虚構の世界を現実に魅せるマジック。楽屋の化粧室が見えてはダメなのだ。
因みに、大女優だった森光子さんは、監督の指示で左右どっちの目から、何滴涙を流し、どう頬を伝えるかもコントロールしていたと言う。本当に、どうでも良いことだが…
春子の宿題からラジオドラマの出演を承諾するのも曖昧だが
あとは。楽しんだ人、「今日は、神回」だと思った人は読まない方が良い。
春子の宿題からラジオドラマの出演を承諾するくだりも、千代の心情の変化を、作り手たちは私に脳内補完をどこまで要求しているのだろう… と、ばかリ考えてしまった。そもそも、私が理解できていないと恥をさらして書いてみるが…
私自身は、千代が “なぜ女優になりたいと思ったのか” が納得出来ていない。更に、“なぜ女優になろうとしたのか” も納得出来ていない。女優に憧れる断固とした “きっかけ” が、まず曖昧だ。
そして、当時の千代の経済状態や家庭事情を鑑みれば、「岡安」で茶子として奉公していた時に、何が “きっかけ” で女優になろうとしたのか、喜劇で人を笑わせたいと思ったのか、正直、私には、それら2つの動機が曖昧過ぎて、モヤモヤしたまま約5か月間、約100回を見続けてきた。
理解はできるが"理解した事"が描かれて来なかった事が問題
好意的な脳内補完を幾らやっても無駄なことを悟った私は、第86回/第18週『うちの原点だす』から、好意的な脳内補完をやめ様子見モードで、描かれることを単純に受け止めることにして来た。そんな中で、今度は、千代が女優を引退して、女優復帰を頑なに拒否をし始めた。これには、困った。
だって、女優に憧れたきっけも、女優になろうとした動機もモヤモヤしたまま、引退して、復帰を拒否したのだから。
もちろん、封印中の好意的な脳内補完を使えば、理解はできる。理解はできるが、間違いなく “理解した事” は、描かれていない。描かれていないから、理解できない。だから、脳内補完するしかない。これは、単純にドラマとして「描いている」とは言えないし、視聴者の一人として「理解できている」とは全く違うのだ。
この私の気持ち、脳内補完しなくても、わかって頂けるだろうか…
千代が栗子の種明しの"解説を上乗せ"したのは最大級の野暮
例えばだ。私にはどうでも良いことだが、これまで千代に花籠を贈ってくれて来た人物が特定された。これは、理解できる。脳内補完をしなくても。だって、贈っていた本人・栗子(宮澤エマ)が自分で送った理由を述べたのだから。なのに、本作の脚本家と演出家は、千代に長々とモノローグで解説まで盛り込んだ。
それも、また「思い出ビデオ」を使ってまで。でも、これで良いのだろうか? 私は、栗子が自ら告白するのは許容できる。だって、何処かの時点で “種明し” をしないといけない案件だから。手品やマジックではないのだし。
でも、千代が長々と「栗子さんが贈ってくれていたんだ…」と “種明し” の解説するのは、ドラマに於いて “最大級の野暮” だと思う。だって、本来は、千代の解説がなくても、栗子が隠し持っていた花籠を千代に差し出した瞬間にで、多くの視聴者が、「あの栗子が」、「なるほど」と、栗子の心情と千代の感謝の気持ちを感じるように、作り込んで来るべきだったのだから。
なのに、本作は、それをやって来なかった。今回を見れば、「花籠=千代の女優人生の象徴」ではないか! だったら、千代の女優人生を描く物語にとって、特に必要性を感じない脇役のスピンオフのエピソードなんかに、ダラダラと放送尺を割かずに、もっと千代が “花籠の贈り手” に恥じないように、芝居や演劇に取り組む姿を描くべきだった。
今回の15分間を見て、改めて、如何に全体の構成が下手だったのか、話数減少している中で時間の無駄遣いをし過ぎたか、よ~く分かるエピソードだったと思う。
あとがき
『おちょやん』のモデルとなった浪花千栄子さんの人生をご存知の方なら、あれこれ追加しなくても、普通に史実をなぞって、普通にホームドラマとして描くだけで、朝ドラお得意の「波乱万丈の女一代記」になったと思います。
「大阪のお母さん」とまで親しまれたモデルなのに、最終週の直前が、ラジオドラマ出演ですか。言いたくないですが、この後、映画「夫婦善哉」や映画「蜘蛛巣城」、そして名作の映画「彼岸花」など、結構、映画好きなら見たかった部分があるのですが1週間しかないとは…
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【これまでの感想】
第1週『うちは、かわいそやない』
1 2 3 4 5 土
第2週『道頓堀、ええとこや~』
6 7 8 9 10 土
第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』
11 12 13 14 15 土
第4週『どこにも行きとうない』
16 17 18 19 20 土
『おちょやん よいお年を!』
第5週『女優になります』
21 22 23 24 25 土
第6週『楽しい冒険つづけよう!』
26 27 28 29 30 土
第7週『好きになれてよかった』
31 32 33 34 35 土
第8週『あんたにうちの何がわかんねん!』
36 37 38 39 40 土
第9週『絶対笑かしたる』
41 42 43 44 45 土
第10週『役者辞めたらあかん!』
46 47 48 49 50 土
第11週『親は子の幸せを願うもんやろ?』
51 52 53 54 55 土
第12週『たった一人の弟なんや』
56 57 58 59 60 土
第13週『一人やあれへん』
61 62 63 64 65 土
第14週『兄弟喧嘩(げんか)』
66 67 68 69 70 土
第15週『うちは幸せになんで』
71 72 73 74 75 土
第16週『お母ちゃんて呼んでみ』
76 77 78 79 80 土
第17週『うちの守りたかった家庭劇』
81 82 83 84 85 土
第18週『うちの原点だす』
86 87 88 89 90 土
第19週『その名も、鶴亀新喜劇や』
91 92 93 94 95 土
第20週『何でうちやあれへんの』
96 97 98 99 100 土
第21週『竹井千代と申します』
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