恋はDeepに (第3話・2021/4/28) 感想

日本テレビ系・新水曜ドラマ『恋はDeepに』(公式サイト)
第3話『女の過去が明らかに!? 加速する運命の恋にツンデレ炸裂! 新たな恋のライバル登場』の感想。
ホテル誘致の決定に憤慨した海音(石原さとみ)は、倫太郎(綾野剛)が買収で問題の起きた土地の所有者・雪乃(堀田真由)の元に向かったと知り、後を追う。土地を手放すのをやめたという雪乃から理由を聞いた海音は大満足。一方、説得できない倫太郎は光太郎(大谷亮平)に責められ、海音が邪魔なら外せと言われる。そんな中、倫太郎の親友で広報部の鶴川(藤森慎吾)が海音に意外な事実を伝える。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:徳尾浩司(過去作/おっさんずラブ、ミス・ジコチュー、私の家政夫ナギサさん)
演出:鈴木勇馬(過去作/東京タラレバ娘、今日から俺は!、俺の話は長い、#リモラブ) 第1,2,3話
岩本仁志(過去作/ナースのお仕事シリーズ、野ブタ。をプロデュース)
伊藤彰記(過去作/35歳の少女、ハケン占い師アタル、過保護のカホコ)
音楽:菅野祐悟(過去作/半分、青い。、シャーロックUS,テセウスの船、危険なビーナス、青のSP)
主題歌:back number「怪盗」(ユニバーサルシグマ)
今回も、若本規夫さんの鴨居家の水槽で飼われているウツボの声が気になって…
ドラマの感想の前に、ちょっと個人的なお話を。「いらん!」と言う方は、次の章へ飛んで下さい。まあ「海で繋がった話」なので、ご勘弁を。
当blogの常連さんならご存知だと思うが、コロナ禍で丸1年以上、本業の仕事が激減してメンタルがちょっとやられてしまって、看護師をやっている妻から「心療内科を受診したら楽になるよ」と言われ、来月から受信することになった… ことは、以前にも書いた。
そして、去年の今頃、妻は仕事がないゴールデンウイークを前に、「あなたのお風呂は “カラスの入浴” だから、もっと長い時間お湯に浸かるといいよ」と言われた。しかし、3分も湯船に浸かったら十分な私は、どうしても長湯が出来ない。そこで今度は妻が「お風呂の中で、『サザエさん』を必ず1話見ること」と言う命令が。
それで、私は1年前から毎日入浴時はアニメ『サザエさん』を必ず1話以上見るようになった。まあ、それでも、心療内科に行くことにはなるのだが。だから、もう2日に1回は、「穴子さん」の声を聞いてきたわけ。そして、今回の冒頭にも登場した、鴨居家の水槽で飼われているウツボの声優さんが若本規夫さん。
で、「穴子さん」の声も、花沢花子のお父さん「花沢金太郎」の声も、サザエさんが一時家政婦のパートとして働いていた家の主人「湯水金造」の声も若本規夫さん。だから、どうしても、ウツボが登場すると嬉しくなってしまうのだ。ホント、私事で申し訳ない…
冒頭の「これまでの振り返り」をを丁寧に作り込んで欲しい
アバンタイトルで、もう少し「これまでの振り返り」を、しっかりと作り込んでくれないと、私は比較的に本作を好意的に楽しんでいる方だが、そうでない人(私の妻=「穴子さん」の声だけ楽しみにしている人」)は「こんな展開まで進んでいたっけ?」となるのでは?
視聴率も下がっているのだから、少しは新規視聴者を増やす努力として、今後も「振り返り」を丁寧に作り込んで欲しい。
彼女にふられた愚痴を語るアユカケの声が、梶裕貴さん!
そんなことを、思いつつ見ていたら、妻が「あっ!」と急に叫んだ。22分頃、海音(石原さとみ)と、海音の良き理解者である藍花(今田美桜)が、ホテルの建設予定地とされている星ヶ浜上流の渓流で水質調査をしている時に、2人にカノジョにふられた愚痴を語るアユカケが登場した。
そのアユカケの声担当が、今をトキメク人気声優の梶裕貴さんだった。そりゃあ、妻は奇声を上げるはずだわ…
海音の"設定"を、もっと"魅力"に変えないとファンタジーとして面白味に欠ける…
「まだ」と言うべきか、「既に」と言うべきか、第3話となって、これまで以上にファンタジー要素を強調して、主人公・海音を物語の中心に据えて描いた感じだ。いくら、大人の事情で「W主演」とあったとしても、ドラマとしてここまで「ファンタジーなドラマ」を推して来るなら、当然、前面に押し出すのは海音になる。
ここまでは、ドラマづくり、脚本、演出として、とても正しいこと。綾野剛さんお目当ての人には残念だが、進路が「ファンタジーなドラマ」なら、この選択は間違っていない。
ただ、ここで考えるべきは、海音の「魚と喋ることが出来る」とか「人魚姫かも?」みたいなものは、飽くまでもドラマの “初期設定” であり、「ファンタジーなドラマ」らしく見せる “要素” でしかない。そう、ドラマとしての “魅力” であるかどうかとは、別次元の話なのだ。
私は、本作に於いて前述の2つの “要素” は “魅力” に感じている。こんなご時世だからこそ、海や川の映像を観るだけで解放感が得られるし、胸キュンばかりを押し付ける恋愛ドラマが多発する中で、古典の「人魚姫」を引用するのも、意外と新鮮で楽しいと感じている。だから、こうして、感想も書いている。
「俳優の魅力」より「登場人物の魅力」を"推す"べきでは?
しかし、次第に下がっている視聴率(第3話は未確認だが)を見ると、意外と前述の2つの “要素” を “魅力” に感じていない人が多いと言うことが言えると思う。なぜ、魅力に感じないのか。それは、恐らくとしか言いようがないが。物語、ストーリーがキッチリと描かれていないからだ。
本作は、「ファンタジーなドラマ」を推してはいるが、現実的には、飽くまでも「恋愛ドラマ」だ。綾野剛さんも、恋愛ドラマに出たいとおしゃって、この作品に出演しているのだから間違いないはずだ。だったら、やはり、海音だけでなく、当然に海音の相手である倫太郎(綾野剛)にももっと魅力が必要だし、2人に関わる脇役たちにも、もっと個性と魅力が欲しい。
しかし、残念なことに、その「登場人物の魅力」の出し方を、「俳優自身の魅力」に頼り過ぎている節がある。「俳優自身の魅力」に頼ると、登場人物の魅力が薄まるのは当然だ。
皆さんも、こう感じたことはないだろうか? 『MIU404』の際に「綾野剛さんが、既に “伊吹藍” にしか見えない!」とか、本作では「橋本じゅんさんが演じる教授が、未だ “陣馬耕平” のイメージが強過ぎて感情移入できない!」みたいな感覚を。これが「俳優自身の魅力」に頼り過ぎる脚本と演出のドラマが陥り易い典型例なのだ。
ここを改善しないと、最終回に向けて右上がりの評価を得るのは難しいと思う。特に、魅力的な俳優さんが多く出演しているドラマだからこそ、顔のアップで視聴率を稼ぐようなことはせずに、キャラクターの魅力の創出を最重要視して欲しい。
2人になった時だけ"イチャイチャ"するのは不自然に見える
繰り返すが、私は、本作を面白いと思って見ている。だからこそ、気になるところが、まだある。それは「恋愛ドラマ」なのに、「お仕事ドラマ」の要素を半ば強引に絡めている点だ。
恐らく、海洋学者の女性と大不動産企業「蓮田トラスト」の御曹司の “ラブストーリー” に仕上げるために、仕事を絡めているのだろう。ただ、海音と倫太郎が個々に仕事している場面は気にならないが、2人が仕事上で同一画面内に収まっている時に、必ずと言っていい程 “イチャイチャ” なやり取りが入る。
胸キュンの押し付けになっていないのが救いだが。それでも、仕事上で相対立している関係で、2人になった時だけ “イチャイチャ” するのは不自然に見えてしまう。その辺の “イチャイチャ” の使い方も、もっと試行錯誤して欲しい。
「海音にあれこれと、させ過ぎ」なのを直ちに止めるべき!
「欲しいこと」ばかりを綴った感想になってしまったが、それでも私は本作には最近の胸キュン推しの恋愛ドラマにはない魅力が秘められていると思う。そこを発揮するには、私が考える唯一の有効性の高い方策は、「海音にあれこれと、させ過ぎ」なのを直ちに止めることだと思う。
「ラブストーリー」にしたいのなら、W主演のキャラクターを含めてすべての登場人物を更に魅力的に描く必要がある。一方で、海音と林太郎の仕事を描きつつ、ファンタジーにしたいのなら、2人の立場の違いを丁寧に描いて、魅力を引き出すこと。これをやったら、良いだけだと思う。
あとがき
ネット上の評判もイマイチですが、やはり、私、このドラマ好きです。
千葉県在住の方でないと分からないと思いますが。本作(第3話も)に登場する海は、千葉県安房郡鋸南町、南房総市富浦町、富津市富津の海辺の町や海水浴場がロケ地になっています。2019年の9月から10月に襲った台風の被害で、未だにブルーシートの家が残っている場所です。でも、東京ディズニーリゾートのある浦安市から高速で1時間ちょっとで行ける場所です。
例年なら、このゴールデンウィークも知り合いの民宿やペンションに泊っている頃ですが、今年は千葉県の南の先端部分である観光地「南房総地域」が、県北からも出来れば来て欲しくないと宣言されています。
コロナ感染でも海や自然をいとも簡単に楽しめる時間が削がれます。ましてや、環境破壊で美しい海が無くなるのを指をくわえて見ているわけにはいきません。そんな思いが、私にはあるので、このドラマ、ちゃんと見たいと思います。
最後に。海音が環境破壊を止める。その中で、倫太郎に食い下がる。そして、二人の間に恋が芽生える。それだけを、キッチリと描くだけで、ドラマとして完成度が高くなると思います。
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