連続テレビ小説「おちょやん」 (第102回・2021/4/27) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』(公式サイト)
第102回/第21週『竹井千代と申します』の感想。
※ 本作は、2021/04/14 にクランクアップ(撮影終了)しています。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
NHK大阪放送局では「お父さんはお人好し」というラジオドラマの企画が進んでいた。お父さん役に決まった花車当郎(塚地武雅)は、お母さん役は、戦時中に防空ごうで掛け合いをした竹井千代(杉咲花)にお願いしたいと周囲を困惑させる。脚本家の長澤誠(生瀬勝久)も次第に、失踪中の千代の存在が気になり始める。その矢先、スタッフが居場所を突き止め、本人と接触する。しかし、自分は竹井千代ではないと否定されてしまう…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
●作:八津弘幸 ●脚本協力:吉田真侑子 ●演出:梛川善郎(敬称略)
第14週から視聴モードを「好意的な解釈」から「様子見」に格下げしております。
脇役の初登場の場面くらいは、名前を提示して欲しかった
どうでも良いことなのだが。前回は珍しく、序盤の回想シーン以外では主人公がラストの数分間しか登場しないと言う斬新な構成だった。そして、久し振りに年老いた栗子(宮澤エマ)が登場し、主人公の幼少期を演じた毎田暖乃さんが「春ちゃん」と呼ばれて登場した。
ホント、どうでも良いことなのだが、字幕表示オンで見ている人は、その女の子の名前が「春子」だと分かる。でも、字幕オフだと分からない。いくら脇役とは言え、独り身になった主人公に絡んで来る(はず)脇役の初登場の場面くらいは、名前を提示して欲しかった。
なぜ、栗子の家の表札が「上田」なのか?
上記と似たような案件が、今回のアバンタイトルにもあった。それは、栗子の家に「上田」と言う姓の表札が掲げられていたこと。素直に考えれば、栗子と言う登場人物は、結婚する前の苗字は不明で、一度「竹井栗子」になって、今現在は「上田栗子」として生きていると受け取れる。
ホント、これもどうでも良いことなのだが、なぜ「上田」の姓になったのか。そこを事前情報として挿入して欲しかった。アバンで僅かでも妙な引っ掛かりを覚えると、その先を見る気がしなくなるのだ。端折ってばかりな雑な脚本だから。
春子が栗子の孫であることが、アバンで分かったのは良き事
まあ、一つ褒めるとしたら、千代(杉咲花)が栗子のことを春子(毎田暖乃)に「栗子おばあちゃん」と言って、春子が栗子の “孫” であることが明確になったこと。でも、本来なら、その過程を描いて欲しかったのは言うまでもないが…
「上田」の表札の家の中に向かって「竹井さん!」と連呼するのに違和感が…
でも、あれだけ「上田」の表札を強調されると、個人的には、千代を探しに来た男たちが「竹井さん!」を連呼していたのにも、少々違和感を覚えてしまった。
だって、普通に考えて見て欲しい。男たちは「竹井千代」を探している。そして、目の前にいる女性の名が「千代」であることまでは確認した。でも、その「千代」と言う女性が入って行ったのは、「上田家」なのだ。
私だったら、「竹井千代さん!」を連呼するような気がする。当然、「千代さん!」はあり得ないが、「竹井さん!」って、プチ違和感しかなかった。それに、今週のサブタイトルは『竹井千代と申します』なのだから…
また、後出しの台詞で説明か? 端折り過ぎるからつまらない
主題歌明けの、男性と千代のやり取りの中にも違和感と言うか、「またか」って感じが…
千代「うちは もう 役者をやるつもり ありしまへんよって」
この台詞によって、千代が今は役者をやるつもりがないことは分かった。
でも、本作で描くべきは、主人公が「上方女優の代名詞と言われた存在で “大阪のお母さん” と呼ばれるまでの大女優になる物語」だったら、夫の不倫やらが原因なのはあくまでも、視聴者の好意的な脳内補完に頼らずに、端折った「離婚後の1年間」を描いて、主人公の心情の変化を描いて欲しかった。
結局、後出しばかりの説明不足。これで面白くなるとは思えない…
酒井が、千代の声と言葉遣いを褒めるのも唐突過ぎる!
出演交渉が上手く行かず、上田家を出て来たNHK大阪中央放送局ラジオドラマのプロデューサー・酒井(曽我廼家八十吉)が、こんなことを言っていた。
酒井「あない やわらかい声 いや 言葉遣いやな…
久々に聞いた気ぃするわ」
確かに。もう、ここ最近に限らず、千代 役が杉咲花さんになってから、キンキン声と怒鳴り声しか記憶にないから、私も普通の千代の喋りを久々に聞いた。
そして、この酒井の台詞。描こうとしていることも、進もうとしていることも、もう残りの話数が少ないのも分かる。分かるのだが、この台詞を書くことが事前に分かっていたなら、大山社長(中村鴈治郎)が存命のうちに、千代を褒めるくだりの中に、演技や存在感だけでなく、言葉遣いも褒めて置いたら良かったと思う。
そうすれば、無理矢理にではなく、視聴者は「分かる人には分かる、千代の言葉遣いの柔らかさ」と、なったのに。まあ、それをやるには、もっと以前に、視聴者にそう思わせておく演技指導と演技は最低限必要だが…
傘と雨だけで、これだけモヤモヤする!
9分過ぎ、巨匠・黒澤明監督の超名作『羅生門』のような映像で、1年前の回想シーンが描かれた。千代が家を出た日の夜のことだと言う。状況は雷鳴に大雨が降っていて、寺の山門で雨宿りしている千代に、傘を差した栗子がやって来た。確か、私の記憶が正しければ、千代が寛治に置手紙をして出て行った日の朝は、雨ではなかった。
だから、それ以降に雨が降って来たことになる。栗子に「ぬれネズミみたいになって」と言わせたいがために、雨降りの設定にしたのだろう。その方が可愛そうに見えるから。でも、なぜ栗子は傘をさしていたのだろう? ちょっとご近所へ傘を差して散歩にでも出かけたら、偶然に千代を見つけた?
千代が山門の中でぬれネズミみたいになっていると予感がして近づいた? いや、そもそも栗子は京都在中なのだから、大阪に来るのにわざわざ大きな傘を持参した? 千代が家にいないことを知って、傘を買って捜し歩いた? えっ、栗子は千代の家を知っていたって? 栗子はこの時点で離婚したのは知ってるの?
鶴亀新喜劇の色恋沙汰は京都にも届いていたの? いや、そもそも千代は家を出た日の夜には京都に移動済みってことか? もう、傘と雨だけで、これだけモヤモヤする。
だったら、千代の離婚を新聞かラジオで知った栗子が、春子の先の人生を心配して、会いづらいが一念発起して、道頓堀にやって来て、偶然に入ったうどん屋「岡福」で事情を知って、千代の行きそうな場所を聞いた… くらいの映像は必要だったのでは? もう、どうして何でも端折るのか…
今回の15分、語りと図解で月曜日のアバンで済ませても良かったのでは?
そして、11分過ぎには、春子の氏名が「水野春子」であることが判明。どうやら、栗子が身籠っていた子供が女の子で、その娘が「水野家」に嫁いだが、戦争で春子の両親が無くなったため、祖母となる栗子が、旧姓「上田」を名乗って、春子を育てていたってことらしい。
僅か、これだけのこと、ナレーションと図解を使えば、1分間も必要ないこと。本当に、イライラするストーリーの運びに、いよいよ、うんざりがマックスになりそうだ。
あとがき
これ、離婚して家を出てからの1年間を端折らずに、普通に時間軸に合わせて描けば、月曜日のアバンタイトルに収まったのではないでしょうか。そうすれば、まず千代が女優に声優として復帰する話も、春子との第二の人生(が、あるか知らないが)も、すんなり描けたように思います。
それと、これは、個人的なことですが…。私が学生時代に全カットの画コンテを書ける位に愛した『羅生門』を、引用して欲しくありませんでした。因みに、ほぼ全カットの画コンテを書けるのは、他に『七人の侍』と『未知との遭遇』などがあります。当時は、カット割りの勉強を、こうやってやりました。私のアオハルのお話です。
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【これまでの感想】
第1週『うちは、かわいそやない』
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第2週『道頓堀、ええとこや~』
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第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』
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第4週『どこにも行きとうない』
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『おちょやん よいお年を!』
第5週『女優になります』
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第6週『楽しい冒険つづけよう!』
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第8週『あんたにうちの何がわかんねん!』
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第9週『絶対笑かしたる』
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第10週『役者辞めたらあかん!』
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第11週『親は子の幸せを願うもんやろ?』
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第12週『たった一人の弟なんや』
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第19週『その名も、鶴亀新喜劇や』
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第20週『何でうちやあれへんの』
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第21週『竹井千代と申します』
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