連続テレビ小説「おちょやん」 (第100回・2021/4/23) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』(公式サイト)
第100回/第20週『何でうちやあれへんの』の感想。
※ 本作は、2021/04/14 にクランクアップ(撮影終了)しています。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
一平(成田凌)が帰らない部屋。一平と暮らした匂いが充満する部屋。寛治を前に、千代(杉咲花)の感情は爆発する。一平が残した何もかもを床に叩きつけ、雑然とした部屋ですがすがしい朝を迎える千代だった。稽古場で一平と並んだ千代は、鶴亀新喜劇の仲間たちに、お互いが決めた道を自ら話すのだった。そして記念興行の「お家はんと直どん」がついに封切りとなる。夫婦だった二人が、舞台上で元恋人役を演じるという劇的な展開に
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
●作:八津弘幸 ●脚本協力:吉田真侑子 ●演出:盆子原誠(敬称略)
第14週から視聴モードを「好意的な解釈」から「様子見」に格下げしております。
まえがき(御礼と愚痴です…)
今回が、本作の感想の一区切りとなる「第100回」と言うことで、感想の前に “まえがき” を。毎日、10数名の読者さんが『おちょやん』の感想へ、Web拍手を下さり、時々コメントも頂きます。本当に、ありがとうございます。
様子見モードになって暫く経っており、更に、(恐らく)多くの読者さんも、本作の残りには、ほぼ期待はしていない中で、毎日わざわざ読んで下さった上に、拍手やコメントを頂ける、本当に幸せです。
と、申しますのも。このところ、コロナ禍で仕事上の大型案件が2年連続で中止(キャンセル)になっており、もう心が折れそうなんですよ。医療従事者の妻は、「心療内科を診察したら?」とアドバイスをくれる程。で、妻の知り合いの心療内科に来月から通院しようかなと考えている次第です。
ですから、こうして、『おちょやん』の感想を読んで下さる読者さんは、特に「毎日、顔を合わせる仲」と言う感じがするので、冒頭で、ちょっぴり個人的なことと、お礼を述べさせて頂きました。引き続き、当blogと管理人・みっきーをよろしくお願い申し上げます。
と言うことで、感想については、いつもより久し振りに少しハイテンションで長文の感想を書いてみようと思います。
前回で。今種のサブタイトルを台詞で言うのは、ダサい
まず、昨日の感想で書き忘れたことを、一つ。前回の千代の家のシーン。例の、チャーハンらしき卵入りの焼き飯風を千代(杉咲花)が米粒を零しながら寬治(前田旺志郎)へ「うちなんて 40過ぎて また おんなじこと繰り返してしもた」と、自虐と恨み節を延々と言う台詞の中で、今週のサブタイトルである『何でうちやあれへんの』を脚本家が言わせた。
まあ、朝ドラに於いては、サブタイトルを台詞に組み込むことは、たまにあることだ。でも、私は、正直 “ダサい” と思っている。なぜなら、サブタイトルが台詞であることがわかるような場合、サブタイトルを知った時点で “先” が見えてしまうから。そして、その台詞が発せられた瞬間に、“やっぱりね” と思わざるを得ないから。だから “ダサい” と思うのだ。
台詞風だから一工夫あった『あまちゃん』のサブタイトル!
そして、実は『おちょやん』のサブタイトルは、ほぼ全てが台詞仕立てになっている。この辺が、工夫が無いと捉えるか、芝居や喜劇を扱うドラマらしいと受け取るかは、人それぞれ違うと思う。もしも、「サブタイトル」に興味を持って下さったら、下記のリンク先を読んで欲しい。
私の言っている意味が分かって頂けると思う。そして、サブタイトルが台詞仕立てでも、「おら」を共通項にすることで、台詞と言う感じが薄まって、「主人公の物語」であることを強調するのに大成功している作品として、『あまちゃん』の秀逸なサブタイトルも知って頂きたい。こんな風に、ドラマの楽しみ方は、いろいろあるのだ。
●『おちょやん』のサブタイトル(Wikipedia)
●『エール』のサブタイトル(Wikipedia)
●『あまちゃん』のサブタイトル(Wikipedia)
アバンで一平と千代が劇団員に報告したのは「いつ」なの?
そして、いよいよ「第100回」が始まった。アバンタイトルは、稽古場で劇団員たちに、“この度の座長夫婦の離婚” について話すくだりから始まった。まず、気になったのは、このシーンが “いつ” なのか? 千代と一平(成田凌)の背後の窓から差し込む日差しはかなり柔らかく…
しかし、前回で、千代が一平に呼び出されて待っていたのは、恐らく朝と言うより午前中で窓からの日差しは高いところから差し込んで、日差しは稽古場の奥まで届いていない。続いての夕方のシーンは日が低いから、日差しは部屋の奥まで届いている。そして、今回のアバンの稽古場はどうだろう? ほぼ、前回の千代が一平を待っているシーンと同じ日差しになっていた。
と言うことは、お昼前後と言うことになる。なぜ、これが気になるのか? それは、これが稽古の前なのか、鶴亀新喜劇1周年興業の初日の本番前なのかで、それとも、本番の数日前なのかで、このシーンの印象が違ってくるからだ。
私は、一平が「うちら夫婦のことで 、稽古が休みなのに、朝早うように集まって貰ってすまん…」(これ以降の私が作った大阪弁の架空の台詞は方言的にデタラメ・謝)みたいな感じで、急を要する感じを醸し出した方が良かったと思っている。
そして、千代に「せやさかい この先の1週間の稽古も、本番中も、余計な気は遣わんといとくれやすな」と気丈な雰囲気と、しっかりと時間と期間を指定すべきだったと思う。
これをやっていれば、次の舞台のシーンでの、舞台袖での劇団員たちの表情も、より心配顔に、舞台上の二人の表情もそれなりに “バツが悪い” 雰囲気が出たと思う。こう言う細かな演出で、雑な脚本を保管するべきだったと思う。
主題歌明けのどんちゃん騒ぎは、千秋楽の夜の方が…
主題歌明け、独り身の千代が寂しがっているのではと心配した連中が、千代の家に押しかけて、鍋パーティーの末に、雑魚寝状態。好意的に解釈すれば、何となく分からなくもないが。やはり、私はこう思ってしまった。コロナ禍でわざわざ撮影する必要のあるシーンなのか… と。翌日の本番があるプロの役者たちが!? と。
これも前章で書いたように、「いつ」なのかで、印象が悪くなった例だと思う。これが、選手楽を終えた夜なら、まだ理解出来る。「千代さん、頑張って千秋楽まで乗り切ったね」と。
でも、今回のアバンからの描写では、離婚を発表して、程無く初日って感じだし、本番後の楽屋での千代の様子を伺えば、普通の感覚なら「寛治がいるから、そっとしておいてやろう」と考えるのでは?
これが千秋楽のあとなら、千代とみつえ(東野絢香)と香里(松本妃代)の裁縫と指切りげんまんをやって、翌朝に寛治が二階から降りてきたら、千代の姿はなかった… と、する方が、ずっと自然な流れになると思うが…
「千秋楽の朝」、主演女優に"言い訳説明"する灯子も…
そして、今度は、黒衣(桂吉弥)のナレーションにもあった「千秋楽の朝」だ。そして、「千秋楽の朝=本番前」と言う、俳優や役者なら、最高に、最大に気合が入る朝に、まるで、千代が出掛けるのを待ち伏せしたように灯子(小西はる)が現れる。
まあ、(そんなに描かれてはいないが、そう言う設定らしいので)散々お世話になった座長の妻を裏切って、座長と浮気(本気か?)して、妊娠し、離婚して養育まで請求するまでに持ち込んだ女性だから、無神経なのは当然かもしれないが。
なんか、千秋楽の朝に、本番前の主演女優と、裏切っただいぶ年上の千代に対して、自分がスッキリしたいからか、わざわざ謝罪と未来を語りに来るような展開にする必要があったのだろうか?
脚本家と演出家は、どこまでも「可哀そうだが気丈な千代ちゃん」をクライマックスまで強調したいと言う意図があるのだろうが、灯子は自己中心的で、千代は恨み節って感じにしか見えない。
せめて、「ほんまに そない思てんのか?」のモノローグさえなければ、「辛いけど、気丈に頑張った千代ちゃん」になって、次の舞台のシーンへ上手く繋げたような気がしてならない…
"走馬灯"も、2人のエピソードの結末だけだから物語がない!
そして、11分過ぎから始まった、脚本家がやりたかったはずの「元夫婦」が舞台上で「元恋人」を演じて、主人公のこれまでの人生の振り返りを挟んで、千代の辛かった人生や、一平との思い出を走馬灯のように表現して、プロの喜劇女優の千代でさえも、台本通りには芝居ができなかったほどに苦しい本番だった… と言う場面だ。
これ、もちろん、かなり好意的に解釈しているが。しかし、実際には、千代と一平のツーショットのシーンを繋げただけ。確かにやりたいことは分かるが、結局、見せられたのは “二人の瞬間” だけ。まあ、本作全体が、二人の日常を描いていないし、普通の状況の時も描いて来なかった。必ず騒動なりがあるシーンばかり。
それも、今回の「走馬灯」を見れば分かるが、ほぼ全てのカットが “騒動の結末部分” なのだ。“結末” を編集で繋げても、過程が描かれていないし、印象もほぼ無いから、見たのに「予告編」のような不思議な映像になってしまった。「結末=クライマックス」とするなら、それらをいくらつなぎ合わせても “物語” にはならないのに…
あとがき
灯子が初登場した第93回。うどん屋「岡福」で、千代と一平に真剣な表情で「座長 鶴亀新喜劇をなくさんといてください。やっと出来た私の居場所です。ここで頑張らしてください。お願いします」と言っていました。その灯子が、「自分の居場所=一平の劇団」から、千代を追い出した… と言う展開になりましたね。
登場人物の誰にも共感はしませんが、朝ドラの、それもコロナ禍に放送するストーリーとしては残酷だなぁと思いました。もっと、明るく楽しい朝ドラを見たいです。本日は、駄文で長文の感想を、最後まで読んで下さり、ありがとうございました。次週、第101回からも、よろしくお願いします。
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【これまでの感想】
第1週『うちは、かわいそやない』
1 2 3 4 5 土
第2週『道頓堀、ええとこや~』
6 7 8 9 10 土
第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』
11 12 13 14 15 土
第4週『どこにも行きとうない』
16 17 18 19 20 土
『おちょやん よいお年を!』
第5週『女優になります』
21 22 23 24 25 土
第6週『楽しい冒険つづけよう!』
26 27 28 29 30 土
第7週『好きになれてよかった』
31 32 33 34 35 土
第8週『あんたにうちの何がわかんねん!』
36 37 38 39 40 土
第9週『絶対笑かしたる』
41 42 43 44 45 土
第10週『役者辞めたらあかん!』
46 47 48 49 50 土
第11週『親は子の幸せを願うもんやろ?』
51 52 53 54 55 土
第12週『たった一人の弟なんや』
56 57 58 59 60 土
第13週『一人やあれへん』
61 62 63 64 65 土
第14週『兄弟喧嘩(げんか)』
66 67 68 69 70 土
第15週『うちは幸せになんで』
71 72 73 74 75 土
第16週『お母ちゃんて呼んでみ』
76 77 78 79 80 土
第17週『うちの守りたかった家庭劇』
81 82 83 84 85 土
第18週『うちの原点だす』
86 87 88 89 90 土
第19週『その名も、鶴亀新喜劇や』
91 92 93 94 95 土
第20週『何でうちやあれへんの』
96 97 98 99
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