リコカツ (第1話/初回15分拡大スペシャル・2021/4/16) 感想

TBS系・金曜ドラマ『リコカツ』(公式サイト)
第1話/初回15分拡大スペシャル『結婚は離婚のはじまり!?』の感想。
ファッション雑誌編集者の咲(北川景子)は、雪山で遭難したところを航空自衛隊航空救難団の紘一(永山瑛太)に救助された。それをきっかけに2人は‘交際ゼロ日婚’を果たす。自由奔放な咲と生真面目な紘一、正反対の性格の2人だが、幸せな人生を送ろうと誓い合う。だが結婚後、2人は価値観の違いから早々にぶつかり合って大げんかになり、互いに離婚を言い放つ。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:泉澤陽子(過去作/あまんじゃく2018,2020、お迎えデス。、ブラックスキャンダル、大恋愛)
演出:坪井敏雄(過去作/凪のお暇、カルテット、わたナギ、恋あた) 第1話
鈴木早苗(過去作/3年B組金八先生ファイナル)
韓哲(過去作/ATARU、IQ246、コウノドリ、集団左遷!!)
小牧桜(過去作/この恋あたためますか)
音楽:井筒昭雄(過去作/民王、99.9、トクサツガガガ、妖怪シュアハウス、書けないッ!?~脚本家)
主題歌:米津玄師「Pale Blue」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
「期待度・星1つ」だったが、実際はかなり好印象だった…
『2021年4月期/春ドラマ視聴予定&期待度!配役,スタッフ,概要は?』では、「全く興味が湧きません…」と「期待度・星1つ」にしていた『リコカツ』の第1話を見た。交際ゼロ日婚をした夫婦が、結婚生活数日にして離婚を決意するところから始まる大人の “離婚するかもエンターテインメント” と言うことだが。
要するに、「リコカツ=離婚活動」を主軸にしたスラップスティック・ホームコメディのようだ。「あとは、結末がどうなるのか?」が最大の見所と言っては、それまでだが…
でも、15分拡大した割には、全く延長を感じなかったし、登場人物たちのデフォルメも程良いし、描き分けもちゃんと出来ており、初回から、それなりに仕上げて来たと言う好印象だ。
演出面の見所は、TBSではドラマ『渡る世間は鬼ばかり』でしかやっていない、カメラ6台を使ったマルチ撮影!
また、演出面で興味深いのは、本作が、TBSではドラマ『渡る世間は鬼ばかり』でしかやっていない、カメラ6台を使ったマルチ撮影を取り入れている点だ。主人公の自宅のシーンが主にマルチ撮影を取り入れられているように思う。
それこそ、昭和の頃のフィルムを使って撮影したドラマは別にして、スタジオ収録が多いホームドラマでは、台詞が非常に多かったため、1つのシーンを複数のカメラで撮影して、撮影しながらスイッチングでカメラを切り替えて収録していた。しかし、これには大変お金がかかる。まず、一度に使うカメラが多いからスタッフも多くなる。
いろいろな角度から撮影するため、照明の仕込みも多くなる。スタジオのセットも、あちこちにカメラを仕込む必要があるため、壁や天井などを取り外し可能にしておく必要もある。そして、演者の1人がNGを出すと、最初から撮り直しになるため時間も掛かる。従って、最近のドラマは、1~2台のカメラでシーンを細かく刻んで撮影する作品が多いのだ。
しかし、本作は、敢えて、大変なマルチ撮影を使っている。その理由は見たらわかると思う。一連の芝居を1度で撮影するため、実際に俳優同士が台詞の掛け合いをしている “間”が、全て収録され生きて来るのだ。これは、マルチ撮影か1台のカメラでの長回し撮影でしか醸し出すことは出来ない。
本作では、 自宅のシーンでは、咲(北川景子)と紘一(永山瑛太)の本音と建前と理想がぶつかり合う。それを、咲と紘一が相手の心を読んで次の言葉を言い合う。その リアルな“間” が映っているのだ。
テンポ良し、メリハリ良し、俳優の演技も楽しめるドラマ!
第1話は、このマルチ撮影を含めて、全体の撮影や編集がとても芝居を中心に作り込まれていた。だから、全体のテンポが良いのだ。更に、コミカルとシリアスな要素のバランスも良い。だから、ラブコメと言うより、ドタバタのホームコメディと言う方が似合っているように思う。
テンポ良し、メリハリ良し、俳優の演技も楽しめるドラマとして、「期待度・星1つ」は撤回しないといけないようだ。
心配なのは主人公夫婦以外のリコカツも盛り込まれている点
ただ、危惧するのは、主人公夫婦以外のリコカツも盛り込まれている点。下手にやると、あちこちがバラバラになって収拾がつかなくなる可能性がある。しかし、脚本家と演出家陣を見る限りでは、上手く捌いてくれそうな感じはする。その辺は今後に期待… と言うことだと思う。
あとがき
第1話だから、もっと主人公夫婦の他の初期設定を盛り込んで来ると思いましたが、意外にも、しっかりと主人公夫婦の個性をデフォルメして強調し、脇役の部分は第2話以降のネタ振りとして描き分けていたのは上手かったと思います。
マルチ撮影を含めて、全体的に丁寧に作り込まれた第1話だったと思います。やはり、芝居がきちんと出来る人の演技を見るのは楽しいです。
それと、注目すべき点は、本作がオリジナル脚本だと言うこと。最近はラブコメと言うと、とかく原作に頼りがちですが、本作はオリジナル。これで、最終回まで面白ければ、日本のドラマ界の未来も明るいかなと。その辺も期待してみようと思います。
公式サイトで、「咲と紘一の部屋を3D体験」できるページがあります。
https://www.tbs.co.jp/rikokatsu_tbs/room/
これを見ても、普通のドラマのセットのように「一部の壁(面)が取り外されていない」のが分かります。しかし、実は360度スタジオセットを作って、任意の壁や天井を外せる仕掛けになっている… と言うわけです。
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