桜の塔 (第1話/初回10分拡大スペシャル・2021/4/15) 感想

テレビ朝日系・木曜ドラマ『桜の塔』(公式サイト)
第1話/初回10分拡大スペシャルの感想。
2016年。プロファイリング能力に優れた警視庁捜査共助課の理事官・漣(玉木宏)は犯人が逃走した銀行強盗事件で、捜査一課主任の爽(広末涼子)や部下の富樫(岡田健史)らの追及の矛先をそらし、課長の佐久間(少路勇介)を守る。佐久間は漣の派閥のトップである刑事部長・千堂(椎名桔平)の娘、優愛(仲里依紗)の婚約者だった。出世への野心を秘めた漣は千堂から事件解決を求められ…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:武藤将吾(過去作/怪盗 山猫、3年A組、ニッポンノワール-刑事Yの反乱)
演出:田村直己(過去作/ドクターX1~6、未解決の女1,2、七人の秘書) 第1話
星野和成(過去作/ハゲタカ、僕らは奇跡でできている、SUITS 2)
片山修(過去作/黒革の手帖2017、相棒シリーズ、家政夫のミタゾノ4、七人の秘書)
音楽:村松崇継(過去作/未解決の女 警視庁文書捜査官、昭和元禄落語心中、竜の道 二つの顔の復讐者、70才、初めて産みますセブンティウイザン。)
主題歌:宮本浩次 「sha・la・la・la」
類似作品が次々と思い付いた作品ではあるが…
脚本が『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』の武藤将吾氏で、広末涼子さんがそのドラマで “警視庁捜査一課のマドンナ” を演じた上、玉木宏さんが親の仇を討つ的な要素は『竜の道 二つの顔の復讐者』をも思わせるし、俳優陣を見ても類似作品が次々と思い付いた作品ではあるが。
警察を舞台にした"悪魔に魂を売った刑事"のセクセス物語か
簡単に言うなら、警察を舞台にした “悪魔に魂を売った刑事” のセクセスストーリーだろうか。
事前の公式アナウンスでは、警視総監の座を巡る出世バトルを描く新感覚警察エンターテインメント。警視庁を舞台に「その頂点=警視総監」を目指し巻き起こる、組織内の《パワーゲーム》を描きながら、《野望と正義が入り乱れる究極の人間ドラマ》を描く… とあったが、第1話を見た限りでは、そこまで壮大なスケールのドラマには感じなかった。
前半わかり難い点もあったが、中盤から全体像が見えて来た
ただ、やはり、登場人物のほぼ全てが現役警察官と元警察官と言う警察ドラマは新鮮に感じた。また、序盤では時間軸が交錯し、少し分かり難い部分はあった
しかし、プロファイリング能力に優れた警視庁捜査共助課の理事官・漣(玉木宏)と捜査一課主任の爽(広末涼子)が幼馴染で、子役を使った子供時代が描かれた上に、中盤ではきちんと時間軸や事情説明が入ったお陰で、物語の道筋に迷うことはなかったのも良かった。
警察内用語が多用されており、取っつき難い人がいたかも…
また、意外な程に、警察内用語が多用されている割に、その説明が乏しかったため、人によっては少々取っつきにくい印象を与えたかも知れない。
主人公のサクセスストーリーと刑事ドラマの合体版でない!
しかし、全体的には、単純に、主人公のサクセスストーリーと刑事ドラマの合体版でないことを、中盤あたりで明確に描いたのは良かった。
更に、最後まで見れば、玉木宏さん演じる野心家でプロファイリングを得意とする漣の手段を選ばない出世術を中心に、広末涼子さん演じる幼馴染の刑事・爽が捜査では対立するが、実は良き理解者である部分がストーリーの骨格となっている点が、第1話から明瞭に描かれたのも良いと思う。
野望と正義が対立する人間ドラマの見所がしっかり描かれた
また、刑事ドラマとしての事件解決に至る過程を描きつつ、野望と正義が対立する人間ドラマとしての見所もしっかりと盛り込まれ、なかなか良い仕上がりだったと思う。
あとは、今後、「刑事部」、「刑務部」、「警備部」を如何に分かり易く描き分けつつ、銀座の高級クラブ「S」と、元警察官で、漣の父・勇仁(岡部たかし)の後輩で、現在は漣の情報屋として暗躍している谷 銀次郎(橋本じゅん)がどう絡んで来るのか? 今後の展開次第で類似作品との更なる差別化と個性を打ち出せるか? 次回以降に期待したい…
あとがき
もっと壮大な警視総監の座を奪い合うバトル&マウント系のドラマかと思いましたが、意外と堅実に創られた「刑事モノ」ではありますが「刑事ドラマ」はなく、人間ドラマを描こうとしているに驚きました。やはり、こう言う心の闇を抱えた男を演じる玉木宏さんは魅力的ですね。
それと、何気なくですが… 二人の子役も凄かったです。上條漣の小学生時代を演じたのが、大河ドラマ『青天を衝け』で主人公・渋沢栄一(吉沢亮)の子供時代を演じた小林優仁さん。
また、水樹爽の小学生時代を演じたのは、朝ドラ『スカーレット』のヒロインの幼少期、『TWO WEEKS 』での はな 役、『姉ちゃんの恋人』ではワケありの女の子 役、『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』では菅野美穂さんの幼少期、そして、今夜から放送開始の『リコカツ』では北川景子さんの幼少期を演じる稲垣来泉さん。もっと、演技を見たかったです。
私は、広末涼子さん目当てでも見ているので、そんなに気にはなりませんが。とは言え、ドラマ全体のバランスからすると、上條漣と対峙するキャラ、それも唯一の女性刑事役ならば、もう少し凄みを利かせても良かったかなと。今後の展開と合わせて、軌道修正させるのを期待します。
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