大豆田とわ子と三人の元夫 (第1話/初回15分拡大・2021/4/14) 感想

関西テレビ制作・フジテレビ系・火9ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(公式サイト)
第1話/初回15分拡大『3回結婚して3回離婚した。でも私は幸せを諦めない』の感想。
また、本作は昨夏に全話を撮影終了しているため、要望などは基本的に書きません。
中学生の娘・唄(豊嶋花)と暮らす建設会社の社長・とわ子(松たか子)は、3度の結婚歴と離婚歴がある。ある日、とわ子は亡き母親が生前、墓の希望について記していたメールを読もうとして、パソコンにパスワードが設定されていることに気付く。元夫の誰かが設定したようだ。とわ子は気が進まないながらも、3人の元夫・八作(松田龍平)、鹿太郎(角田晃広)、慎森(岡田将生)と会う。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:坂元裕二(過去作/東京ラブストーリー、問題のあるレストラン、カルテット)
演出:中江和仁(過去作/映画「嘘を愛する女」、きのう何食べた?) 第1話
池田千尋(過去作/プリンセスメゾン、まどろみバーメイド)
瀧悠輔(過去作/僕はどこから)
音楽:坂東祐大(過去作/美食探偵 明智五郎)
ナレーション:伊藤沙莉(過去作/ひよっこ、これは経費で落ちません!、いいね!光源氏くん)
挿入歌:「Ils parlent de moi feat. Maika Loubte」
「All The Same feat. Gretchen Parlato, BIGYUKI」
主題歌:STUTS & 松たか子 with 3exe「Presence I (feat.KID FRESINO)」(第一話)
文末で主人公の名前を強調する"ナレーショ"ンが印象的!
おっと、一瞬、「副音声ON」で見始めたのかと、勘違いしてしまった。「でも、字幕表示も同じだし」ってことで、冒頭からナレーションのオンパレードで始まった『大豆田とわ子と三人の元夫』の第1話。とにかく「○○する大豆田とわ子」と文末で主人公の名前を強調するナレーションが印象的だ。
その上、ナレーションの声の持ち主は、アニメ『映像研には手を出すな!』での声優が話題になった伊藤沙莉さん。従って、独特のハスキーボイスに加えて、少々早口の無感情な語り口が、主人公をやや上から目線、且つ、少し距離を置いた感じ(主人公に寄り添って内面を語るタイプでないと言う意味)で、正に “監察” しているような雰囲気。
もしかすると、このナレーションを聞いて開始数分で離脱決定した視聴者も多かったように思う。
ナレーション慣れしていない若年層には、キツかったか?
確かに、昭和のドラマには、NHKと民放問わず、ナレーションが多用されていた。ナレーターの大御所と言えば芥川隆行さん、また、声優・小林清志さんも大活躍していた。しかし、所謂「トレンディドラマ」の全盛期とも言える1990年頃から、まず民放ドラマからナレーションが減って行く。
ナレーションよりも、俳優を前面に出す手法が流行り出したのと、ドラマのテンポが速くなりナレーションが邪魔になって来たからだ。それ以降、ドラマのナレーションは激減して行き、今や、NHKの大河ドラマと連続テレビ小説がナレーションを強調した作品づくりになっていると思う。
従って、最近の若年層は “ナレーション慣れ” していないとも言える。最近では、ナレありきの朝ドラでも、『花子とアン』(2014年)での誰もが美輪明宏さんの顔が浮かぶ程の語りや、『まれ』(2015年)での戸田恵子さんの不思議なアニメ声の語りは、評判が悪かった。やはり、最近は、特徴のあり過ぎるナレーションは、嫌われる傾向にあるのだ。
そこへ、敢えて挑戦してきた本作… となるわけだが、その狙いは第1話の録画を2度見たが、私にはわからなかった。
基本的に「ナレーションを多用する脚本は下手」だと思うが
いや、そもそも、私の中に「ナレーションを多用する脚本は下手」と言う前提と言うか、思い込みがある。その理由は3つ。まず、単純にドラマが説明臭くなるから。次に、映像に集中し難いから。そして、ドラマは映像と台詞と音楽で魅せるものだから。
だから、ナレーションで補強、補足しなければならない脚本は、映像化されても面白くない… と思うわけだ。その意味でも、本作がこんなにナレーションを多用する時点で、先が見たくなる… とは思いづらいのだ。
「飼った」と「買った」のアクセントの違和感は意図的!?
とは言え、台詞には拘る坂元裕二氏の脚本で気になったのが、序盤で “ペットの名前” が話題になるくだり。それは、字幕表示では「初めて飼ったペット」と言っているのに、俳優さんたちは「初めて買ったペット」といっているように「かった」と言う部分を話していたこと。
登場人物たちは関東の人たちの設定のようだから、「飼った」なら「か」にアクセント、「買った」なら「た」にアクセントのはず。あまりにナレーションが多いので、画面がうるさいから途中から「字幕オフ」にしたため、このドラマの世界では、「ペットを買う」と表現するようなシュールな世界観だと思って見ていたが、あまりにも「買った」と言うから「字幕オン」にしたら「飼った」になっていた。なんか、モヤモヤする…
「先が読めない連ドラ」だが、「先が見たくなる連ドラ」ではなかった…
さて、殆どの連ドラは、第1話を見れば、ドラマの内容や展開や狙い所などの凡そが見えて来るものだが、15分も拡大して、3回見直しても、「3回結婚、3回離婚した主人公と、3人の元夫のコメディ風?」程度しかわからなかった。まあ、こう言うことは坂元裕二氏のドラマでは、『カルテット』も同類だったから驚かない。
良く言えば、「先が読めない連ドラ」とも言えるが、私には「先が見たくなる連ドラ」にはならなかった。
連ドラでなく、2時間スペシャルでじっくり一気に見せた方が…
まあ、とにかく、視聴以前からわかっていたことだが、坂元裕二氏のドラマは “癖” が強い。強過ぎる。それが、特徴でもあり個性でもある。従って、好みの問題だ。私は、こう言う作品は、連ドラでなく、2時間スペシャルでじっくり一気に見せた方が良かったと思う。まあ、連ドラとして放送している作品に言っても無駄なことだが…
あとがき
会話劇の部分は、『カルテット』のように、いや、それ以上に弾んだ印象はありました。でも、やはりあの特徴のあり過ぎるナレーションの多用は、間違いなく苦手。従って、意外と好きな放送枠ですが、この放送枠の第1作品『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』以来、最終回まで完走しないかも…。と言うことで、第2話も様子見で。
バンド「ペトロールズ」でフロントマンを務める長岡亮介さんが、田中八作(松田龍平)の東京・奥渋谷のレストラン「オペレッタ」の厨房のシーンに登場していました。長岡亮介さんさんのギターが好きなのでNHK Eテレ『ムジカ・ピッコリーノ』以来で、ちょっと嬉しかったです…
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