連続テレビ小説「おちょやん」 (第92回・2021/4/13) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』(公式サイト)
第92回/第19週『その名も、鶴亀新喜劇や』の感想
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
道頓堀喜劇の復活のため、新しい劇団・鶴亀新喜劇を一平に託すという大山社長(中村鴈治郎)の決意。目の当たりにした千代(杉咲花)は、悩む一平をよそに、活気ある道頓堀を取り戻すという思いを強くする。一方、万太郎一座には大変なことが起こっていた。万太郎(板尾創路)はあることが原因で、舞台にもう立てない状態だった…。1日限りの最後の舞台。執念の芝居を繰り広げる万太郎。隣には千之助(星田英利)の姿があった…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
●作:八津弘幸 ●脚本協力:吉田真侑子 ●演出:梛川善郎(敬称略)
第14週から視聴モードを「好意的な解釈」から「様子見」に格下げしております。
まるで、入れたら全体の味が変わってしまう具を誤って挟んだサンドイッチのよう…
序盤、玄関先で夜空を見ながらなのか、唐突に寬治(前田旺志郎)の話をする一平(成田凌)と千代(杉咲花)が描かれた。あの辺なんて、上手くやれば、今のコロナ禍で疲弊しているエンターテインメント業界を始め、多くの人たちの心境と一平と千代の心情が重なるはずなのに重ならない。
なぜか? 簡単な話だ。脚本と演出が下手だからだ。まず、アバンタイトルで万太郎(板尾創路)の「最期の舞台」を強調したコントを入れたこと。これによって、前回のラストでの万太郎の「喉のガン」と言う衝撃的な展開に急ブレーキをかけてしまったからだ。
あれをやらずに、アバンから主題歌明けに賭けて、前回の回想シーンでも良いから、道頓堀喜劇の復活のため、新しい劇団・鶴亀新喜劇を一平に託すという大山社長(中村鴈治郎)の決意を強調して、その意思を継ごうと決心する一平とそれを支える千代を描くだけで良かったのだ。
まるで、入れたら全体の味が変わってしまう具を誤って挟んだサンドイッチのようなもの。そんな下手な創作料理を美味しく頂けるはずがないと思う。
まさか、チャップリンの『ライムライト』をパクるか…
万太郎の最期の舞台のくだりも、変に回想シーンと舞台のシーンがごちゃ混ぜになっているから、分かり難いなぁと思って見ていた。
しかし、よく見ると、この展開、あの世界の喜劇王であるチャールズ・チャップリンが映画で初めて素顔を出した作品として、また永遠のライバルとされたバスター・キートンと初共演をし、老芸人の悲哀を描いた名作映画『ライムライト』の陳腐なパクリだった。全く、オマージュも感じなかった。
観客の千代も大山社長も千之助も無表情の方が良かったような…
当blogの常連の読者さんならお気付きだろうが、私はドラマで “人の死” を扱う時は、必然性と丁寧さを絶対に必要だと思っている。それも、お涙頂戴の一つとして描く時や、なおさら、細心の注意を払うべきと、いつも書いている。その点、まず、今回の「万太郎の死」は、本作に必然性はあっただろうか?
私には “あった” ようには思えなかった。むしろ、大山社長が言った「道頓堀喜劇の復活」を今後描くなら、それこそ「須賀廼家兄弟の復活劇」を描いても良かったと思う。だって、千代が女優になる話が完全に停滞してしまっているのだから。
そして、丁寧に描いたか? ここは微妙だ。と言うより失敗したと表現するのが正しいだろう。私は思う。客席で視聴者よりも先に涙ぐむ千代のカットを入れるべきではなかったと。もちろん、舞台上の千之助も、舞台袖の大山社長も、万太郎の渾身の最期の芝居に、先に感動してしまっていた。これでは、「死」ありきになってしまう。
むしろ、客席も大山社長も無表情で、舞台上の万太郎と千之助を、舞台上のハンディカメラでなく、普通の舞台中継のようなカット割りで見せたら、視聴者も舞台鑑賞している気持ちになって、ドラマの中に入れたと思う。
あとがき
ここへ来て、チャップリンの『ライムライト』を引用するとは思いませんでした。あれで恥ずかしくないのでしょうかね。喜劇を扱うドラマの脚本家と演出家として。それと、コロナ禍で制作・放送している朝ドラとして、「ガンで死ぬ」と言うのを持って来るセンスも、個人的には好きになれません…
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【これまでの感想】
第1週『うちは、かわいそやない』
1 2 3 4 5 土
第2週『道頓堀、ええとこや~』
6 7 8 9 10 土
第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』
11 12 13 14 15 土
第4週『どこにも行きとうない』
16 17 18 19 20 土
『おちょやん よいお年を!』
第5週『女優になります』
21 22 23 24 25 土
第6週『楽しい冒険つづけよう!』
26 27 28 29 30 土
第7週『好きになれてよかった』
31 32 33 34 35 土
第8週『あんたにうちの何がわかんねん!』
36 37 38 39 40 土
第9週『絶対笑かしたる』
41 42 43 44 45 土
第10週『役者辞めたらあかん!』
46 47 48 49 50 土
第11週『親は子の幸せを願うもんやろ?』
51 52 53 54 55 土
第12週『たった一人の弟なんや』
56 57 58 59 60 土
第13週『一人やあれへん』
61 62 63 64 65 土
第14週『兄弟喧嘩(げんか)』
66 67 68 69 70 土
第15週『うちは幸せになんで』
71 72 73 74 75 土
第16週『お母ちゃんて呼んでみ』
76 77 78 79 80 土
第17週『うちの守りたかった家庭劇』
81 82 83 84 85 土
第18週『うちの原点だす』
86 87 88 89 90 土
第19週『その名も、鶴亀新喜劇や』
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