ディレクターの目線blog@FC2

本家「ディレクターの目線blog」の緊急時&トラックバック用ブログです。コメントは本家のブログへ!

●このブログは、本家ディレクターの目線blog』の緊急時&トラックバック用ブログです。

●記事の閲覧やコメントの投稿は、本家ディレクターの目線blog』をご利用下さい。


0

連続テレビ小説「おちょやん」 (第89回・2021/4/8) 感想

連続テレビ小説「おちょやん」

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』公式サイト
第89回第18週『うちの原点だす』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


昭和20年8月15日、日本は戦争に負けた。相変わらず、床に伏せたままのみつえ(東野絢香)。無気力な一平(成田凌)。縁側に座ったままの一福。千代は、何とか一福に寄り添おうとするが、一福の「嘘つき」という言葉に、図らずも心を揺さぶられる。自分たちの芝居で高揚し、戦争に送り出された兵隊たちは無駄死にだったのか。自分たちは、嘘つきだったのか。戦争で最愛のものを失った人々を前に、自分たちには何ができるのか…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

●作:八津弘幸 ●脚本協力:吉田真侑子 ●演出:小谷高義(敬称略)

第14週から視聴モードを「好意的な解釈」から「様子見」に格下げしております。

冒頭の、「草むらで泣く千代」に必然性はあったのか?

先日の感想でも言ったように、映像、特に特殊なドラマでない限り、その放送回のワースト・カット、ファースト・シーンでは、学校でも遅かったように「5W1H(いつ、どこで、だれが、なにを、どうした」を描くべきである。それは脚本家や演出家に余程の意図がない限り “映像の掟” としてやるべきこと。

しかし、今回のワースト・カット、ファースト・シーンは、何やら草原に座り込んで、きれいな服を着た女性が泣いているだけ。ここに「戦争」や「戦中」が見えるだろうか。まあ、ぎりぎり千代(杉咲花)の服の胸に「名札」が縫い付けてあるから、少しは分るが。

でも、私なら、こう描く。先日に登場した農家の嫁(岡部尚子)(因みに、クレジットタイトルには氏名はなかった)が千代に「元女優かなんか知らんけどな」と罵声を浴びせたカットを3秒入れて、今回のワースト・カット、ファースト・シーンに繋げる、絶対に。

だって、そうしなければ、千代が何が原因で泣いているか分からないから。こう言う手抜きが、どんどん朝ドラから連続性を削り取って行くのだ。

語りは「たくさんの人たちが泣きました」と言っているのに

先日惜しくも亡くなられた偉大な脚本家・橋田寿賀子氏は、「ドラマを主に見る人は、家庭で忙しくしている主婦の人たち。テレビを見ながら食事の支度をしたり、子供の面倒を見たりしながら楽しんで下さっている。だから、私はト書きに『悲しい表情の○○』とは書かない。その登場人物に「悲しい」と言わせちゃう。その方が分かり易いでしょ?」と、先日の追悼番組でもインタビューの様子が流れた。

この脚本術には賛否両論あるが、「朝ドラ」に関しては、私は賛成する部分の方が大きい。その意味で、2番目のシーン、そう、何やら瓦礫の中で、遠くの方に「日の丸」の国旗が見えて、市中の人たちが並んで、やや首を垂れているシーンだ。そこへこんな語りが被っていた。

N「昭和20年8月15日 日本は戦争に負け たくさんの人たちが泣きました」

2シーン目の最初のカットはロングショット(引きの画)だから、列になっている人たちが泣いているようには見えない。膝から崩れ落ちる男はいたが、泣き声は聞こえない。2番目のカットは千代の家で一平(成田凌)が無気力に畳の上に大の字で寝ているが、目は開いているが泣いてはいない。

3カット目は床に伏したままのみつえ(東野絢香)も泣いてない。4カット目の縁側に座る一幅(西村竜直)は背中で泣いてもいない。そして、オープニング映像。もう、冒頭から嘘ばかりなのだ。誰も泣いていないのに、「たくさんの人たちが泣きました」って?

もちろん、語りが「その次の日」と言ったから、冒頭の千代の涙は敗戦が原因でない。こう言う小手先の無意味な印象操作をやるから、つまらないのだ。昭和20年8月15日を描くなら、一平の家で、4人揃って玉音放送を聞くだけで良いのだ、それも、ごく普通に、普通に。それをやらずに奇を衒って千代の泣き顔から始めるからあざとく見えるのだ。

やっと、何から何まで "キレイ過ぎる" 戦争が終わった…

さて、愚痴ばかり書いていると、こちらの気持ちも塞ぐから、一つだけ良いことを書いておける時に書いておかねば。それは主題歌明けの千代とシズ(篠原涼子)と宗助(名倉潤)の3人が居間? で語るシーン。もちろん、前回の同じシーンと同じ時に撮影したからと言う一面もあるが、3人の衣装が同じだった。

少なくとも今回は前回の翌日以降だから、別の着物を着ていても良いのだが、意図的なのか撮影スケジュールが功を奏したのか、同じ着物だった。これによって、「衣装持ち」の印象は払拭出来た、パチパチ。でも、相変わらず着物は新品同様で、汚れもなし。

あの~、せめて、せめて、千代は草むらの中で地面に手足をついて号泣したのだから、袖の端っことか土で汚れているとか “汚し” を出来なかったのだろうか。このシーン、千代の衣装だけでも少しで良いから美術さんの “汚し” の技術が活かされていたら、ファースト・シーンを入れた意味が出て来るのに。

ホント、何から何まで “キレイ過ぎる” 戦争が終わった… と言う印象しかない。

千代に"手柄"を与え過ぎるから、説得力のないシーンになる

で、みつえ。確かに心労は分からなくもないが、そもそもそんなに心が弱い設定で無いし、息子がいる立場なのだから、いつまでも “お嬢様気取り” で寝ておらず、むしろ、千代に「まだ、寝とき」と言われても、「一福のために、頑張らないと」と起きて来るのが “普通” だと思う。

まぁ、どうでも良いと言えば、それまでだが。でも、この “普通” をやっていれば、みつえが息子に父親の戦死を説明して、母子がこれから生きて行く目標とか共通意識を描けたと思う。でも、本作は千代に説得させた。正直、これは失敗だったと思う。

確かに千代が言っていたように、千代は福助のことを「小さい頃から よう知ってる」かは別にして、それなりに知っているのは認める。でも、父親を負けた戦争で亡くした息子に対して「あいつ」とか「臆病者」呼ばわりするのは、如何なものかと思う。

もちろん、千代らしい歯に衣着せぬ台詞なのは分かるが、それこそ “普通” に毎日見ている視聴者なら、一福が父親を「臆病者」なんて思っていないことは十分に分かるし、今回の縁側で背中を丸めて、一平たちと距離を置いているだけで、伝わるのでは?

前述の橋田寿賀子氏の言葉を借りれば、むしろ、福助の死が無駄でなかったことや、家族のために戦ったことを一番わかっているのはみつえであり、一福なのだから、千代が一福に掛けるべき言葉は、前回でみつえに「ほっといて」と言われたような「一福、いつまで泣いてんのや!」みたいなデリカシーのない台詞であって、そんなデリカシーの欠片もない千代に対して、一福が涙を流しながら「父さんは…」と自分の気持ちを喋って反論することでは?

そして、一歩先に進む力が自分の言葉から生まれることを描くべきでは? でも、一福の気持ちを一福が喋るから説得力があるのであって、赤の他人が、土足で踏み込んで、それも、さも「何でも お見通しだす!」みたいに説得するのは、大きなお世話にしか映らない。

何時(なんどき)も主人公に “手柄” を与えようとするから、説得力も納得も出来ないシーンの連続になることを、まだ脚本家は気付かないのか?

肝入りの『人形の家』の台詞の暗唱シーンも、空振り三振…

さて、5分頃だろうか、千代が玄関先で身体を丸めて、地面に手をついて座っている。カメラは何故か手振れのハンディカメラ。かなり長めの無音の芝居があって、唐突に始まったのが、ヘンリック・イプセンが書いた戯曲『人形の家』の台詞の暗唱だ。

『人形の家』を読むために、一平が千代に文字を教えたことを、ここへ来て持ってきたわけだ。恐らく、戦後になって、この『人形の家」を千代が暗唱するシーンは、当初からの脚本家の目論見だったのだろう。

ただ、残念なことに、演技指導か演技の問題かハッキリしないが、弁護士ヘルメルと主人公での妻ノラの2人分の役の台詞を喋っていたのだろうが、ほぼどちらも同じ演技と言うか芝居と言うか。 “心に溜まっていたものを吐き出す感じ” のつもりだろうが、私には憂さ晴らしで声を張り上げているようにしか見えなかった。

せめて、ご近所さんが「なんやの?」と外に出て来たら…

それと、『人形の家』の劇中の台詞と、千代が「芝居を続けたい」と言うことを重ねて、千代は間違っていなかったと言いたいのだろうが、なんか肩透かしを食らった感じで終わったのが残念。これをやりたかったら、もっと「鶴亀家庭劇」の場面でも、ちゃんと劇中の台詞と千代の言葉をリンクするような仕掛けを何度もやって来ないと。

唐突にやられても、今回だけ見た人は何のことだか分からないでは済まないのが朝ドラだと思う。これまで「カタルシス」の「カ」の字も無かったのに。これも、脚本家の自己満足で終わったと言うことだ。

せめて、せめて、ご近所さんが「なんやの?」と外に出て来て、千代の芝居に見惚れる位の描写があったら、何となく千代の演技力は凄いことだけは伝わったのに…

千代と一平だけは違う世界に生きている夫婦と言う印象が…

とにかく、このシーンは脚本、演出、演技がいずれも致命的に良くない。舞台風の演出にして強調し印象付けしようとしたのだろうが、字幕を読まないと聞き取り難い程に早口で、その上標準語で、涙交じりの声で怒鳴られても、ご近所さんが出て来ない時点で、余計に千代と一平だけは、違う世界に生きている夫婦と言う印象が強まっただけだったと思う。

得意の箇条書きで戦前と戦後を直結した方が良かったのかも

こう言うのをやることが最初から予定されていたのなら、もっと丁寧に主人公の夢や内面を描いて、千代が(一応)道頓堀では売れている女優としてだけでなく、一人の女性、一人の人間として、視聴者が応援したくなる、共感してしまうように描けば良かっただけのこと。

しかし、本作は、主人公を「機転が利いて、身近なトラブルを解決しちゃうヒロイン」にしてしまった。

そのために、主人公の活躍の場面はあるが、描かれるのは騒動全体の方が多いから、「何事にも首を突っ込む」と言う印象が強まってしまった。その状態で、今回の一福への声掛けや、『人形の家』をやったところで、「千代は、一体なにをやってるの?」と言う印象しかない。

これ、『おちょやん』がお得意の箇条書きで、戦中を飛ばして、戦前と戦後を直結した方が良かったのでは? みんなが出征して行って泣いて、戦死して泣いて、戦後の復興に頑張ると、3行で書けてしまうのだから。

あとがき

戦時中を生きたのに、戦中を描かない朝ドラの方が、新鮮だったかも知れません。だって、千代自身に戦争の影が落ちて、苦悩したり死にたいような思いをしたわけでは無いですから。ただ、「いつも通りに、家庭劇がやれない」と言う不満だけですからね。まあ、やっと戦争が終わったので、次に進んで欲しい… それだけです。

そうそう、終盤で千代がみつえに言った「あんたに構てられへん」も、デリカシーの無い台詞に聞えてしまいましたね。好意的に解釈すれば、強く突き放すことで、みつえに奮起させると思えますが、何しろ今は「様子見モード」なので、益々千代へ共感出来なくなりました。せめて、応援したくなる千代にして欲しいです…


管理人・みっきー お薦めする商品を、Amazonと楽天市場から安心して ご購入して頂けます!


管理人・みっきー お薦めする商品を、Amazonと楽天市場から安心して ご購入して頂けます!


管理人・みっきー お薦めする商品を、Amazonと楽天市場から安心して ご購入して頂けます!



〔お願い〕
読者の皆様も大変な状況とは思いますが。コロナ禍で仕事激減の折、勝手なお願いで恐縮でございますが、Amazon楽天市場からお買い物する際は、当blogのリンク経由で買って下さると、皆様のおかげで私にポイントが貯まる上に、何よりもブログを書き続けるモチベーションアップになります。引き続き、皆様のご協力をお願い申し上げます。 m(_ _)m


「楽天市場」からのおすすめ商品や企画


「Amazon」からの最新のお知らせ

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ くる天-人気ブログランキング


★本家の記事のURL →  https://director.blog.shinobi.jp/Entry/15372/


【これまでの感想】

第1週『うちは、かわいそやない』
1 2 3 4 5 
第2週『道頓堀、ええとこや~』
6 7 8 9 10 
第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』
11 12 13 14 15 
第4週『どこにも行きとうない』
16 17 18 19 20 
『おちょやん よいお年を!』
第5週『女優になります』
21 22 23 24 25 
第6週『楽しい冒険つづけよう!』
26 27 28 29 30 
第7週『好きになれてよかった』
31 32 33 34 35 
第8週『あんたにうちの何がわかんねん!』
36 37 38 39 40 
第9週『絶対笑かしたる』
41 42 43 44 45 
第10週『役者辞めたらあかん!』
46 47 48 49 50 
第11週『親は子の幸せを願うもんやろ?』
51 52 53 54 55 
第12週『たった一人の弟なんや』
56 57 58 59 60 
第13週『一人やあれへん』
61 62 63 64 65 
第14週『兄弟喧嘩(げんか)』
66 67 68 69 70 
第15週『うちは幸せになんで』
71 72 73 74 75 
第16週『お母ちゃんて呼んでみ』
76 77 78 79 80 
第17週『うちの守りたかった家庭劇』
81 82 83 84 85 
第18週『うちの原点だす』
86 87 88

関連記事
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント
My profile

Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

PR


TB送信について

一部のブログサービス(特に、FC2ブログ)宛に、FC2からトラックバックが届かないケースが発生中です。

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村  PVアクセスランキング にほんブログ村

楽天市場PR

カテゴリー+月別アーカイブ

 

検索フォーム

PR

FC2カウンター

FC2オンラインカウンター

現在の閲覧者数: