連続テレビ小説「おちょやん」 (第17週/土曜日版・2021/4/3) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』(公式サイト)
第17週『うちの守りたかった家庭劇』の
『土曜日版』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
昭和19年1月、鶴亀家庭劇は相変わらず愛国ものの芝居を続けていたが、客の不入りが続いていた。そんなとき、千代(杉咲花)と一平(成田凌)の家に幼なじみの福助(井上拓哉)がやってくる。福助に赤紙が来て、召集されることになったのだ。福助は、千代と一平に、みつえ(東野絢香)と息子の一福のことを頼むと頭を下げる。千代は、出征する前に、福助に思う存分好きなジャズの曲を演奏させてあげたいと考える。
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
冒頭のナレーションの"間"が、字幕と違う点で思うこと
N「とうとう 千代ちゃんたち 家庭劇も 戦争に巻き込まれていくことになります」
誠に小さなことで恐縮なのだが、気になったので書いてみる。毎度「土曜日版」の冒頭で、黒衣が今週の見所を語る場面がある。今回のそれが、上記のナレーションなのだが。字幕をよ~く見ると「千代ちゃんたち」と「家庭劇」の間に “間” がある。しかし、実際の黒衣の語りでは「千代ちゃんたち家庭劇」と繋がって喋られている。
恐らく、字幕は脚本から書き起こされたもので、ナレーションは演技指導によるものだと思う。で、これ、“間” の有無で全く意味が異なることがお分かりだろうか?
“間” がある場合は、極端に書くと「とうとう、(岡安のシズやみつえや福助ら)千代ちゃんたちと、千代ちゃんの家庭劇も、戦争に…」と言う意味になる。そして、“間” がないと「とうとう、(他の劇団と同じように)千代ちゃんたちの家庭劇も、戦争に…」と言う意味になると思う。
私は、この1週間は、前者の内容だったと思っている。週の前半で「千代ちゃんたち」を描いて、週の後半で「家庭劇」を描いたと。でも、語りでは、1週間丸々「家庭劇」を描いた感じに受け取れてしまう。
脚本の字面をなぞっているだけだから、箇条書きに見える
これが何を意味しているのか? それは、少なくとも「土曜日版」の演出(黒衣への演技指導)が、映像を見て正しく理解していないことを意味していると言うこと。そう、これが、今週の本編の感想で私がず~っと言って来た、今週の演出家は脚本の内容を理解する力不足だと言うのに繋がるのだ。
脚本の意図するものも決して褒められるものではないが、それを何とかして視聴者に伝えるのが演出家の仕事なのに、脚本の字面をなぞっているだけだから、箇条書きに見えるのだ。
千代らしさの表現に「怒鳴るか、早口か」の引き出ししか無いのか!?
そして、今回の「土曜日版」を見て、もう一つ感じたのは、今週の「週5放送」は、「土曜日版」の15分1回分でも長く感じたと言うこと。そう感じてしまうのは、15分間の中で印象に残るのが、千代(杉咲花)の怒鳴り声と早口ばかりだから。
お涙頂戴のシーンでも、笑わせてくれそうなシーンでも、神妙なシーンでも、いつも千代が怒鳴っているか、早口で責め立てる。だから、どの場面も似た印象になってしまう。どうやら、本作の演出家たちは「機転が利く千代」を表現するのに、「あちこちに首を突っ込む」のと、「怒鳴るか、早口か」くらいしか引き出しが無いように見える。
今さらだが、これから千代は年老いていくはずだから、せめて「怒鳴るか、早口か」だけは少し抑え目にして、年齢相応に見えるように演技指導したら良いと思う。杉咲花さんなら出来るはずだし…
朝ドラに於ける「戦争」は、しっかりと丁寧に描いて欲しい
あと、一つだけ、最後に気になることを。それは、本作に於ける「戦中」や「戦争」の表現の曖昧さ、中途半端さ。別の言い方をすると、戦争をドラマを盛り上げるための一つのイベントとして “軽視” しているように感じてしまうことだ。
別に、「もっとリアルに、悲惨に描け!」とか「もっと、空襲のシーンに力を入れろ!」とか言っているわけでない。予告編を見てもわかるように、何となく千代や家庭劇の進む道が、波乱万丈に見えるようにする “1つのアイテム” 程度にしか思っていないように見えるのだ。
ドラマ、特に朝ドラに於ける「戦争」の表現は、登場人物にとっての「一大イベント」ではなく、人生を一瞬で変えてしまう恐怖体験として、しっかりと丁寧に描いて欲しい。
あとがき
予告編を見た限りでは、「戦争」は美術セットや衣装では “それなりに” 表現されるように見えましたが、また、千代が今週のように 「怒鳴るか、早口か」で軽率に戦争を語ると、また変な印象になる気がします。
暗く、重く描いたところで千代が怒鳴るばかりで面白くないのは分かっています。だったら、サクッと戦後に進んで、前向きな展開にした方が、見ている方も気が楽なような気がしますが…
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【これまでの感想】
第1週『うちは、かわいそやない』
1 2 3 4 5 土
第2週『道頓堀、ええとこや~』
6 7 8 9 10 土
第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』
11 12 13 14 15 土
第4週『どこにも行きとうない』
16 17 18 19 20 土
『おちょやん よいお年を!』
第5週『女優になります』
21 22 23 24 25 土
第6週『楽しい冒険つづけよう!』
26 27 28 29 30 土
第7週『好きになれてよかった』
31 32 33 34 35 土
第8週『あんたにうちの何がわかんねん!』
36 37 38 39 40 土
第9週『絶対笑かしたる』
41 42 43 44 45 土
第10週『役者辞めたらあかん!』
46 47 48 49 50 土
第11週『親は子の幸せを願うもんやろ?』
51 52 53 54 55 土
第12週『たった一人の弟なんや』
56 57 58 59 60 土
第13週『一人やあれへん』
61 62 63 64 65 土
第14週『兄弟喧嘩(げんか)』
66 67 68 69 70 土
第15週『うちは幸せになんで』
71 72 73 74 75 土
第16週『お母ちゃんて呼んでみ』
76 77 78 79 80 土
第17週『うちの守りたかった家庭劇』
81 82 83 84 85
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