ドラマ10「地上波特別版 70才、初めて産みます セブンティウイザン。」〔連続3回〕 (第1話・2021/4/2) 感想

NHK総合・ドラマ10『地上波特別版 70才、初めて産みます セブンティウイザン。』(公式サイト)
第1話〔連続3回〕『脳梗塞ではありません、つわりです』の感想。
なお、原作の漫画・タイム涼介『セブンティウイザン』は、未読。BS放送版も未鑑賞。
定年退職の日、江月朝一(小日向文世)が会社から帰ると妻の夕子(竹下景子)が衝撃の一言。「私、妊娠しました!」認知症を疑う朝一だったが夕子は大マジメ。産婦人科医も目を丸くする。そして、診断の結果、自然妊娠の事実は決定的に。だが、産む気満々の夕子と対照的に、朝一はなかなか覚悟が決まらない。しかも、夕子のパート仲間や親せきは出産に猛反対。だが、担当医(中村梅雀)からおなかの中のわが子を見せられた朝一は。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:漫画・タイム涼介『セブンティウイザン』
脚本:本調有香(過去作/映画「月と雷」、映画「初恋~お父さん、チビがいなくなりました」)
演出:渡辺一貴(過去作/龍馬伝、平清盛、ガラスの家、まれ、岸辺露伴は動かない)
音楽:村松崇継(過去作/だんだん、昭和元禄落語心中、竜の道 二つの顔の復讐者)
主題歌:茉奈 佳奈「いのちの歌」(子どもたちの合唱をフィーチャーした新バージョン)
「地上波特別編」は、それなりの尺は削除されている可能性はある
まず、今回の「地上波特別版」の概略を。そもそも『セブンティウイザン』は、タイム涼介氏による日本の漫画シリーズで、超高齢自然分娩の妊娠から出産を描いた第1章『セブンティウィザン』と、子どもが3歳の育児に加えて終活を題材とした第2章『セブンティドリームズ』がある。
そして、その両作を原作としたのが、2020年4月5日から5月24日まで毎週金曜23時15分から土曜0時5分にNHK BSプレミアム「プレミアムドラマ」枠にて放送されたのが、ドラマ『70才、初めて産みますセブンティウイザン。』。
そして、この度の「地上波特別編」は、オリジナルの全8話(1話50分枠)のうちの前半の4話を1話45分枠で〔連続3回〕に再編集されたもの。と言うわけで、編集でそれなりの尺は削除されている可能性はあることは、認識しておいた方が良いと思う。因みに、私は本作が初見だ。
「あり得ない話」をコロナ禍2年目に地上波で放送する意味
さて、第1話を見終えた。当然、“ほぼ” 医学的には「あり得ない話」だ。現役助産師の妻が、そう言うのだから間違いはないだろう。今や30~740歳代でセックスレスの夫婦が多いと言う(出展)。
だから、視聴者が限定されるNHK BSプレミアム枠で、金曜よる23時15分からの50分間の放送ならば、かなり事前から好意的に見ようと言う視聴者が多かったため、それなりに話題になったのだろう(と、未見の私は当時考えていた)。
しかし、今回はコロナ禍が1年以上も続いた金曜よる22時からの放送だ。やはり、視聴者の層が違うと思う。その意味では、「現実味がない」とか「無責任だ」と言う意見も多く出るのは当然だと思う。医療も福祉も生活も、日本中が疲弊とひっ迫しているのが現実だから。
衝撃的な設定で、原作者と脚本家は何を描いて伝えたいのか
でも、本作は(調べてみたが)実話でない。それも、原作は漫画だ。要は、フィクションだ。それでも、65歳の夫と70歳の妻の間に初めての妊娠と言うのは、かなり衝撃的な設定だ。だから、原作者、及び本作の脚本家は、そのあり得ない設定を用いて、何かを描きたい、描くべきと考えたに違いない。そんな思いで本作を見始めた。
設定は奇抜だが、描写と表現は公平で丁寧で慎重で良かった
ドラマは、事前情報通りに、65歳の夫と70歳の妻の間に初めての妊娠を描いた作品だった。恐らく、今後は出産、育児と描かれるのだろう。ドラマとしては、メインの夫婦の内面の葛藤だけでなく、第三者として世間の意見も取り入れて、意外と公平な立場で、超高齢出産を描いているように見えた。
また、設定自体はかなり奇を衒ってはいるが、描写や表現方法については、想像以上に丁寧、且つ慎重で、「人生」、「生命、「老い」、「青春」、「夫婦」などのテーマをあちこちに散りばめたヒューマンドラマであり、ホームドラマとして、なかなか良く出来た作品だと思う。
老夫婦が「子育て」と通して、もう一度青春を取り戻すドラマかも…
とは言え、第1話を見た限りでは、この先がどうなるかはわからない。しかし、劇中のエピソードから察すると、江月朝一(小日向文世)と妻の夕子(竹下景子)の夫婦の青春時代は、決して恵まれ幸せだったようには描かれていなかった。
そうなると、老夫婦が一度は諦めた「子育て」を通して、もう一度青春を取り戻すドラマである可能性もある。その辺も見守りたい。
「超高齢夫婦の初産、それに伴う育児」も"マイノリティ"
また、「超高齢夫婦の初産、それに伴う育児」も “マイノリティ(「少数派」の意)” でもある。今、特に日本では、マイノリティ(少数派)に対する偏見や差別をなくした、人間の多様性を尊重する社会をつくっていくことが必要とされている。そう言う意味でも、コロナ禍で、地上波で本作が放送され、世間がどのように評価するのかは興味深い。
あとがき
これまた、かなり好みが分れる作風のドラマを持ってきましたね。それも、BSから地上波へ短縮版で。でも、意外と普通な感じもしました。小日向文世さんの演技が、普通の男性の反応を丁寧に表現しているので、奇を衒った感じにならないのかも? 次回に期待します。
※既に「BS版」を鑑賞済みの方、ネタバレのコメントはお控え下さい。
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