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連続テレビ小説「おちょやん」 (第85回・2021/4/2) 感想

連続テレビ小説「おちょやん」

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』公式サイト
第85回第17週『うちの守りたかった家庭劇』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


出征した夫・福助のトランペットを婦人会から守り抜いたみつえ(東野絢香)。芝居茶屋・岡安を再興させ、お茶子たちを呼び寄せたいと願うシズ(篠原涼子)。それぞれの、大切なものを守りたいという意地に触れた千代は、自分一人でも家庭劇を続けることを一平(成田凌)に宣言する。突き放されても、千代は今までの稽古場を自分で間借りすることに決め、「鶴亀家庭劇」の掛け軸も勝手に書きかえてしまう。それをある人に見られて…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

●作:八津弘幸 ●脚本協力:吉田真侑子 ●演出:原田氷詩(敬称略)

第14週から視聴モードを「好意的な解釈」から「様子見」に格下げしております。

最近は今回を見る前に前回を早送りで見直すようになった!

だいぶ前から「様子見モード」になって、自分ではいつでも「継続視聴停止」状態になれる気楽さで『おちょやん』を見て思うことがある。それは、今回を見る前に、前回の内容が頭に残っていないことが多いのだ。

その理由は、大した内容ではないことや、出来事が箇条書きで印象が薄いなど、いろいろある。だから、最近は今回を見る前に前回や前々回を早送りで見直すようになった。

本作は「今日の15分間だけ」を見た時の感想ほど悪くない!

すると、思うのだ。本作って、「今日の15分間だけ」を見た時の感想ほど悪くないなと。

例えば、今週だって、空襲の恐怖に日々晒される中で、空襲警報が鳴って防空壕に逃げ込んだ。その中の緊縛や恐怖からくるギスギスした10数名の住人たちを、偶然居合わせたしゃべくり漫才で名を馳せる漫才師と「家族」をテーマにした “即興芝居” をやって、その場を和ませた。

余程、好意的に解釈しなければ、そうは見えないは困る!

まあ、“即興芝居” の中に弟が登場して「?」の部分は確かにあったが、前回で、千代(杉咲花)が「これ以上 大事なもんが のうなってしまうのは もう ごめんだす」と意地を張って、自分一人でも家庭劇を続けることを一平(成田凌)に宣言したくだりなんて、意外と悪くないのだ。

確かに「これ以上 大切なもん」が「鶴亀家庭劇」であったなんて、余程、好意的に解釈しなければ、そうは見えないし、そうも描かれていない。それは断言できる。

千代が、家庭劇に食い下がる描写はやって良かったと思う…

ただ、千代にとって「これ以上 大切なもん=鶴亀家庭劇」であることを、今ここで強引にでも描かないと、益々、千代がメインでないエピソードばかりの印象が強くなってしまうのだ。

先日も書いたが、振り返れば、第11週『親は子の幸せを願うもんやろ?』は、みつえの恋バナ。 第12週『たった一人の弟なんや』は、弟・ヨシヲの放火未遂。 第13週『一人やあれへん』は一平の家族のお話。 第14週『兄弟喧嘩』は千之助と万太郎。 第15週『うちは幸せになんで』は父・テルヲの退場劇。

第16週『お母ちゃんて呼んでみ』は寛治と亡命。そして今週の第17週第17週『うちの守りたかった家庭劇』の前半はみつえと福助のトランペットと、6週間と2日間連続で、千代はメインでないエピソードばかりなのだ。

だから、強引にでも、千代が一平の反対を押し切っても、戦時下であっても家庭劇や芝居に食い下がる描写はやるべきだし、やってくれて良かったと思っている。

演出の「掛け軸」の見せ方が面白くない!

ただ、やはり今週は脚本も良くないが、演出が致命的に良くないと言うか、演出家の脚本を読む能力が残念ながら乏しいのだ。

例えば、主題歌明け、誰もいない家庭劇の床拭きを一人でやっている千代のシーン。千代が健気に床拭きをするのは、奉公に出された時を思い出させて良い感じなのに、フレーム(画面)内に、「鶴亀家庭劇」の掛け軸が入った瞬間に、掛け軸に何かやりそうな画角になってしまう。これが面白くない。

普通に稽古場の隅っこまで床拭きをやり終えて、ふと立ち上がって千代の目に掛け軸が入って来るだけでいいのだ。それが「先が見たくなるドラマ」の作り方。そう言うのを手抜きして、且つ気づかずにやらないから、「今日の15分間だけ」を見た時の感想が悪くなるのだ。

もっと1回15分間を大切に作り込むべき!

また、3分過ぎに寬治(前田旺志郎)がやって来て、唐突にこんなことを言った。

寛治「家賃 千代さん一人で払うつもりやの?」

先週の16週『お母ちゃんて呼んでみ』の前半で、あれだけ千代は寛治に「お母ちゃん」と呼ぶようにやっていたのに、週の半ばで突然に高城と小暮の逃亡劇へ切り替えたから、尻切れトンボになった。そう言う部分もちゃんと尻拭いをしておけば、今回の「千代さん」にも違和感を覚えないはず。

でも、それをやらないのが、本作の脚本家。結局、先週1週間無駄にしたのと同じなのだ。それでなくても、「全115回」に短縮放映しているのだから、もっと1週間、いや、もっと1回15分間を大切に作り込むべきだと思う。見ている視聴者にも失礼な話だし…

家庭劇再結集は、もっと感動的に作っても良かったと思う…

好みはあると思う。まあ、これ以上ない位にご都合主義的に、6分過ぎに家庭劇に劇団員たちが千代の下へ集まって来た。でも、こう言うのも、あると無しでは全然違う。やはり、あった方が断然に “千代が人を呼び寄せる魅力がある人” らしく見えるし、劇団員たちが鶴亀家庭劇が好きだったことも表現出来る。

だから、あっって良かった。ただ、やはり演出が出来ていない。「雨降って地固まる」とか「まだ俺の席あるかな」とテロップを出して、コミカル仕立てにするのでなく、ここは家庭劇結成当時の回想シーンを上手く混ぜて、感動的なシーンに仕上げるべきだったと私は思う。

そして、印象付けるのだ。“千代が人を呼び寄せる魅力がある人” であることと、劇団員たちが鶴亀家庭劇が好きだったことを。そう言うのを積み重ねないから、翌日になったら忘れてしまうのだ。

千代の「ずっと」の期間が不明瞭なのが演出のダメなところ

演出の力不足を感じるシーンは、まだある。9分過ぎ、結果的に一平まで戻って来て、百久利(坂口涼太郎)への盃を用意して乾杯する直前の千代の次の台詞だ。

千代「ここ来て 1人で掃除している間 ずっと思てました」

ここで注目するのは「ずっと」の期間がどれ位なのかってこと。今回の15分間を見ただけでは、稽古場を一往復程度した「数分間」に見えてしまう。

でも、せめて、日めくりカレンダーのように、数日間、一平とは別行動で千代が稽古場の床掃除をしているように上手く「時間経過」を作っていたら、寛治がやってくるのも、他の劇団員が集まって来るのも、より感動出来たと思うのだ。

脚本に「ずっと」と書いてあるのを、どう解釈して映像化し、視聴者に面白く見せるか、それを今週の演出家はもっともっとやるべきだったと思う。更に付け加えるなら、千之助(星田英利)が千代の乾杯前の挨拶に対して「長いわい」と言う。この脚本を読んだなら、もっと千代の喋るスピードを落とすべきだった。

いつも通りの、聞き取り難い早口で長台詞を喋ったって、視聴者が感じるのは「長いわい」でなく「分かり難い」なのだ。そう言う冷静な演技指導も無かったのは、残念でしかない…

最後、千代が何のことを「ええで」と言って欲しかったのかが曖昧だったのが残念…

さて、終盤は箇条書きで時間経過と場所移動が成されて、千代たちは京都で舞台の初日を迎えている設定。まあ、その過程はどうでも良い。問題は、次の千代と一平のやり取りの解釈だ。

千代「ほんまに これで よかったんやろうか」
一平「ええで。お前のやったことは 間違うてへん」

これ、如何様にも受け取ることが出来る。だから、厄介。恐らく多くの本作を否定的に見ている人たちには、千代が劇団員たちを家族と一緒にいることよりも、自分にとって大切な家庭劇存続のために家族と引き剥がしたと思うはず。好意的に見ている人たちなら、芸人(劇団員)たちは家族より芝居を取るのは当然となるのだろうか。

私はどちらの立場でもないから、もっとこの夫婦のやり取りの意味をしっかりと演出して欲しかった。千代は「自分のやりたいことを優先したこと」に「ええで」と言って欲しかったのか、結果的に「千代が先導したかたちで家庭劇が復活したこと」に「ええで」と言って欲しかったのか。

敢えて、曖昧にした可能性もゼロではないが、ここは主人公の心情描写として、明確にしておいた方が良かったような気がした。

あとがき

予算が無いのか、演出のセンスが無いのか、最後の大阪の大空襲は、ちょっとしたボヤ騒ぎにしか見えませんでした。

それにしても、ここまで「家庭劇」を掘り下げるなら、昭和3年に鶴亀家庭劇が発足してから、劇中の今が昭和20年ですから、17年間もあったわけで、その17年間の家庭劇の中での千代、家庭劇と千代、千代にとっての家庭劇を描くべきでしたね。17年ですよ、17年。今さら言っても遅いですが、描くべき部分が描かれていないのは致命的です。

金曜日がこの終わり方だと、次週は大阪の空襲からの “続き” から “終戦” でしょうか。なんか、時間経過ばかりで、千代と言う主人公が全く描かれていないのが、本当に気になります。せめて、戦争が終わってから、千代の女優や芝居への拘りが、しっかり描かれるのを期待します…


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【これまでの感想】

第1週『うちは、かわいそやない』
1 2 3 4 5 
第2週『道頓堀、ええとこや~』
6 7 8 9 10 
第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』
11 12 13 14 15 
第4週『どこにも行きとうない』
16 17 18 19 20 
『おちょやん よいお年を!』
第5週『女優になります』
21 22 23 24 25 
第6週『楽しい冒険つづけよう!』
26 27 28 29 30 
第7週『好きになれてよかった』
31 32 33 34 35 
第8週『あんたにうちの何がわかんねん!』
36 37 38 39 40 
第9週『絶対笑かしたる』
41 42 43 44 45 
第10週『役者辞めたらあかん!』
46 47 48 49 50 
第11週『親は子の幸せを願うもんやろ?』
51 52 53 54 55 
第12週『たった一人の弟なんや』
56 57 58 59 60 
第13週『一人やあれへん』
61 62 63 64 65 
第14週『兄弟喧嘩(げんか)』
66 67 68 69 70 
第15週『うちは幸せになんで』
71 72 73 74 75 
第16週『お母ちゃんて呼んでみ』
76 77 78 79 80 
第17週『うちの守りたかった家庭劇』
81 82 83 84

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Author : みっきー

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★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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