連続テレビ小説「おちょやん」 (第72回・2021/3/16) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』(公式サイト)
第72回/第15週『うちは幸せになんで』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
父親を冷徹に無視し続ける千代(杉咲花)。それにもへこたれず、つきまとうテルヲ(トータス松本)。それは千代が住む天海家、稽古場、福富楽器店にまでおよぶことに…。千代を取り巻く道頓堀の人々は、テルヲの存在に困惑し、警戒しながらも、次第にただならぬ雰囲気を察していく。挙げ句の果てに、居酒屋・水月にまで押し掛けるテルヲは、鶴亀家庭劇の劇団員と飲んだくれる一平(成田凌)に、あることで勝負を挑むのだった…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
●作:八津弘幸 ●脚本協力:吉田真侑子 ●演出:梛川善郎(敬称略)
第14週から視聴モードを「好意的な解釈」から「様子見」に格下げしております。
前回は、違和感と愚痴しか感想を思い付かなかったが…
不思議と、前回は違和感と愚痴しか感想を思い付かなかったが、今回の15分間を見て、ちょっと違う気持ちになったので、それを出来るだけ読者の皆さんに正確に伝わるように書いてみる。
今回は、千代に、いい台詞が二つあった!
恐らく、この一週間で描くエピソードは、全体的には、本作がこれまでやって来た「お涙頂戴エピソード」と「家族内問題」を混ぜ合わせた内容だと思う。だから、好き嫌いは別にして、驚くほどのことではない。それも、今回は千代(杉咲花)の台詞に、いいのが二つあったから、ちょっと違う気持ちになったのだ。
親子の縁は切っても切れない… そんな因縁を表現した台詞
その一つ目が、12分頃に、昼間は散々千代(杉咲花)に付きまとうも無視し続けたのに、夜になったら家に転がり込んでいる父・テルヲ(トータス松本)に「女優を止めろ。早く子どもを産んでいいお母さんになれ」的なことを一方的に言われた時に、千代が反撃で言った次の台詞だ。
千代「幸せかて!? あんたが それ聞く?
今が幸せかどうかなんて うちにも分かれへんけどな
あんたといてた時よりは ずっとマシや!」
この台詞によって、前回の感想に描いた「父と娘の関係の描写が曖昧だ」と言う部分が、ほんの僅かだが補強されたと思う。それは、この台詞によって、千代にとっての “幸せの基準” が、テルヲと暮らしていた幼少期にあることが明瞭になったから。え~と、もう少し噛み砕くと…
これまでは、千代にとってテルヲは、簡単に言ってしまえば “疫病神” で、「テルヲさえいなかったら」と言う感じで曖昧だったのだ。でも、「テルヲといてた時」が人生の最底辺であることが描かれたことで、やはり、千代の中には、いつもテルヲを意識していることも見えて来る。
やはり、親子の縁は切っても切れない… そんな因縁を表現した台詞として悪くないと思う。
脚本・八津弘幸氏は "徹底的なクズ親父" が大好きなのだ!
もう一つは、テルヲが家を出て行き、一平(成田凌)が、「余命幾ばくかのテルヲと一緒に暮らしてもいい」的なことを行ったあとに、千代が言ったこの台詞だ。
千代「うちは 何があっても あいつを許すことはでけへん。
あいつのこと 憎いとか 嫌いやとか
そんなん とっくに通り過ぎてな
心の中には 何や妙に冷たい
干からびたもんしか残ってへんのや。もう あかんねん」
この台詞を耳にしてわかったことがあるのだ。それは、脚本家の八津弘幸氏が、テルヲのことを “徹底的なクズ親父” に描き続けて来たのかが。普通なら、おっと、普通の朝ドラなら、恐らく金遣いも酒癖も女癖も悪いけど、少しは家族のために働くとか、優しい一面を見せるような “クズだけど憎めない親父” に描くと思う。
そう言う父親像に創っておけば、弟・ヨシヲが悪に手を染めても抜け出せそうな気がするし、一緒に暮らす程は仲良くないが、心のどこかで互いを思っているホームドラマに作れたと思う。でも、八木氏は、それをしなかった。
前述の通りに、テルヲを “徹底的なクズ親父” に描くことで、テルヲが死ぬまで主人公の “生きて行く糧” と言うか、テルヲがいるから反骨精神が保てて何でも乗り越えられる… みたいな部分を狙った(過去形になったが)ように思えたのだ。
だから、テルヲのキャラクター設定が嫌いだろうと、脚本家が私が想像したように書いたのなら、脚本家は “徹底的なクズ親父” が大好きなのだ。だから、これはこれで良いし、この先も見続けるならテルヲを受け入れるしかないのだ… と思った。
演出・梛川氏はテルヲとトータス松本さんが大好きなのだ!
と言うわけで、何となく今週の展開は読めてしまうわけだが。ここで、もう一つ、別のことを始めて感じたので、それも書いてみる。それは、前述では、脚本家が父・テルヲに対して特別な思いを乗せて “徹底的なクズ親父” が大好きだと書いた。
その一方で、今週の演出担当で本作のメインのディレクターである梛川善郎氏は、テルヲと言うより、“テルヲを演じているトータス松本さん” が大好きなのだ。だから、やたらと強調する。アップが必要ない場面でもアップを入れる。テルヲよりも脇役を見せるべきシーンでのテルヲを強調する。
演出家本人が気付いているか分からないが、とにかく不必要に強調し過ぎるから、脇役は当然のこと、主人公の千代まで存在感が薄まった。これは、第1,2週でもそうだった。あざと過ぎるのだ。折角、脇役はもちろん、主役もちゃんと演技をしているのに、トータス松本に持っていかれてしまう。
だから、話が見えづらくなるし、そもそも、テルヲばかりの印象が強くなって、話が薄っぺらに見えてしまうのだ。実は、上記のような千代のいい台詞があるのに、埋もれてしまう。
週の途中で演出家が交代するなどあり得ないだろうから、金曜日までこの調子だろう。でも、これは好意的な解釈と言う意味でなく、「常にテルヲが強調され過ぎている」と思って見れば、意外と悪くないような気がするのだが…。その前に、普通の登場人物の一人として演出していれば良かったと思う。
あとがき
恐らく、週末にはテルヲが千代に謝罪すると思うのですよ。その謝罪が千代の中の “何や妙に冷たい 干からびたもん” へどう働きかけるのかが見所のように思います。意外と「様子見モード」、悪くないです(笑)
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【これまでの感想】
第1週『うちは、かわいそやない』
1 2 3 4 5 土
第2週『道頓堀、ええとこや~』
6 7 8 9 10 土
第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』
11 12 13 14 15 土
第4週『どこにも行きとうない』
16 17 18 19 20 土
『おちょやん よいお年を!』
第5週『女優になります』
21 22 23 24 25 土
第6週『楽しい冒険つづけよう!』
26 27 28 29 30 土
第7週『好きになれてよかった』
31 32 33 34 35 土
第8週『あんたにうちの何がわかんねん!』
36 37 38 39 40 土
第9週『絶対笑かしたる』
41 42 43 44 45 土
第10週『役者辞めたらあかん!』
46 47 48 49 50 土
第11週『親は子の幸せを願うもんやろ?』
51 52 53 54 55 土
第12週『たった一人の弟なんや』
56 57 58 59 60 土
第13週『一人やあれへん』
61 62 63 64 65 土
第14週『兄弟喧嘩(げんか)』
66 67 68 69 70 土
第15週『うちは幸せになんで』/b>
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