無観客配信ライブ『桑田佳祐「静かな春の戯れ ~Live in Blue Note Tokyo~」』ライブレポ ※ネタバレ&セット・リストあり
是非とも、この配信ライブは見て欲しいので…
是非とも、この配信ライブは見て欲しいので、出来れば配信終了後に感想を投稿しようと思ったが、やはり少しは内容が伝わらないと、私のようなデビュー当時からの40年選手のファンでないと、有料視聴のハードルが高いと思い、少しばかり綴ってみる…
約2時間に亘って全24曲を歌った
サザンオールスターズの桑田佳祐(以下「桑田さん」)が7日、東京・青山のジャズクラブ「Blue Note Tokyo」で無観客配信ライブ『桑田佳祐「静かな春の戯れ ~Live in Blue Note Tokyo~」』を開催した。約2時間に亘って全24曲を歌った。
オープニングから、"いつもの桑田さん" とは違う雰囲気…
ライブの冒頭は映像で月夜に浮かび上がる「Blue Note Tokyo」の扉が開き、カメラが観客目線で階段を下っていくと、キャンドルライトが灯された客席で埋まった会場に到着する。
バンドメンバーを背後に従えて、椅子に腰掛けた桑田さんがカポタストを装着したアコースティックギターで軽快に弾き出したのは、1970年代に活動していた伝説の音楽ユニット「ティン・パン・アレー(細野晴臣、鈴木茂、林立夫、松任谷正隆)」の「ソバカスのある少女」のカバー曲。
久し振りのソロライブ、それも「Blue Note Tokyo」での幕開けが、桑田さん自身のオリジナル楽曲でないのに、度肝を抜かれた。そして、薄明かりの照明の中で幕を開けた。薄明かりの中でソロライブでもなかなか聴けない「孤独の太陽」と続けた。
とにかく、オープニングから、“いつもの桑田さん” とは違う、ブルーノートならではの上品で落ち着いた演奏で名曲たちをじっくり聴かせた。
今宵の桑田さんは "ちょっとね、少し大人っぽい感じ" で…
世界各国に展開するジャズクラブの名門「Blue Note」で桑田さんがライブを行うのは今回が初。
桑田さんは「ブルーノートへようこそ! このステージに上がれるというのは私にとって憧れでしてね。本当だったらお客さんの前でね、演らせて頂きたかったなぁと言う思いはありましたけど。今日は大好きなメンバーと楽しく演らせて頂きたいと思います。ちょっとね、少し大人っぽい感じ」と語った。
桑田さんは、事前に「今回は、ライブハウスと言うライブの原点の場所に立ち返り、仲間たちと共に、シンプルかつ『少々大人な感じ』のライブをやらせて頂きます」とのコメントを出していたから、正にそれが具現化されたと言うわけだ。
また、ライブのタイトルについては、「静かに戯れようと言う意味です。ステキな春を迎えられますように祈りを込めて、切に願いながら歌いたいと思います」と思いを語った。
実は、桑田さんのサザンオールスターズはジャズと縁が深い
ところで、桑田さんのサザンオールスターズは、ジャズと縁が深い。1980年~85年には、ジャズピアニストで編曲家の八木正生さん(1932~91年)がアレンジャー(編曲)を担当していた。
特に、桑田さんは八木さんの「弦管編曲」が好きで、昨年2度のサザン無観客配信ライブでも、ストリングス系は入れなくても、ホーンセッションだけは欠かさなかった程だ。
八木さんのアレンジで有名なシングル曲と言えば、1980年発売の「ジャズマン (JAZZ MAN)」と「シャ・ラ・ラ / ごめんねチャーリー」、1982年の「匂艶 THE NIGHT CLUB」、1983年の「東京シャッフル」などがある。だから、「桑田佳祐×Blue Note Tokyo」が実現したのだ。
"コロナ・ファイター"一人ひとりの応援歌になる力強い歌声
また、ライブ初披露の楽曲があった。それは、「東京」の演奏後に続いて披露された、民放5系列の東京オリンピック共同企画『一緒にやろう2020』のために書き下ろした楽曲「SMILE~晴れ渡る空のように~」だ。
桑田さんは、歌に入る前に「去年、オリンピック・パラリンピックは延期になってしまったんですけど、皆さんがこう言うコロナ禍でも、なんか元気になれるような気がすると言ってくれるのがありがたい。改めて今年もアスリートの皆さんに我々のエールが届くように、本日皆さまの前で初めて歌わせて頂きます」と、開催が危ぶまれている「東京五輪2020」への願いを告げた。
そして、何気に “開幕” を印象付けるような高揚感溢れるイントロに合わせて、照明も華やかになり、アスリートたちだけでなく、コロナ禍で闘う全ての人たち “コロナ・ファイター” 一人ひとりの応援歌になるような力強い歌声で「SMILE~晴れ渡る空のように~」を歌った。
曲中の桑田さんの雄叫びに合わせて、会場内のスタッフたちが高々と拳を突き上げているのを見て、こちらの胸も熱くなり、涙が出るような気持ちになった。
カバー曲は、選び抜かれた全5曲
今回、桑田さんは、1曲目の「ソバカスのある少女」の他に、4曲のカバー曲を演奏している。ライブ中盤では「かもめ」(オリジナル:浅川マキ)、「灰色の瞳」(オリジナル:加藤登紀子&長谷川きよし)を披露。
アンコールでは、米国ブルース界の重鎮、ドクター・ジョン「Iko Iko」のカバーから「ヨシ子さん」へ華麗に繋がるアレンジを聴かせ、「君をのせて」(オリジナル:沢田研二)のカバーから、斎藤誠さんのエレキギターのイントロから一気に「悲しい気持ち(JUST A MAN IN LOVE)」で、ラストスパート。
特等席で良質なサウンドと臨場感溢れる魅惑的な歌声を堪能
桑田さんは、ライブの中で、「最近のライブはビッグコンサート・エンターテインメント、そう言う様相。原点と言うか、今の時代だからこそ、大きく拡張するばかりじゃなくて、もう少し人肌感じる距離で、小さな音で、それこそ戯れることを演りたいなと。我々は歌を歌うくらいしか出来ないけれども、未来を生きる人たちへのエールと言うか、歌うことによって繋がっていきたいなと思った次第なんです」と、このライブへ込めた思いを語っていた。
確かに、今、桑田さんのパフォーマンスを小さな小屋で見聞きすることは出来ないと思う。でも、今回のライブでは、誰もが、「Blue Note Tokyo」のステージど真ん中、最前列の生音が聴こえるような距離感の特等席で、粒立ちの良い暖かみのある良質なサウンドと臨場感溢れる魅惑的な歌声を堪能できた。
ラストは、そ~っとささやき呼び掛けてくれる人生の応援歌
そして、約2時間の締め括りは、「明日晴れるかな」。この桑田さんが歌う「人生の応援歌」は、神より賜った運命(さだめ)ならば諦めようか? いいや、運命や人のせいにしないで、奇跡の扉を開ける鍵を持っているのは自分だから。もう少し、挫けそうな気持と向き合って乗り越えよう… と、そ~っとささやき呼び掛けてくれたのだ。
あとがき
めっちゃ、アダルトな桑田さんの世界を堪能できます。これまでの桑田さんのソロコンサートとは、一味も二味も大人な音楽。飲める方は、アルコール片手に、ギターを弾ける方はすぐ手に取れるところに置いておいて、桑田さんと一緒に弾き語りしちゃいましょう!
なお、無観客配信ライブ『桑田佳祐「静かな春の戯れ ~Live in Blue Note Tokyo~」』は、2021年3月14日まで、4,500円(税込み)で有料配信されています。また、収益の一部は、「Music Cross Aid エンタメ従事者支援基金」を通じて、ライブエンタメ業界支援に使われます。チケット購入などは下記のサイトへ。
KUWATA KEISUKE Live in Blue Note Tokyo特設サイト
静かな春の戯れ~Live in Blue Note Tokyo~(公式サイト)
桑田佳祐「静かな春の戯れ ~Live in Blue Note Tokyo~」 2021年3月7日 セットリスト
01. ソバカスのある少女(オリジナル:ティン・パン・アレー)
02. 孤独の太陽
03. 若い広場
04. DEAR MY FRIEND
05. こんな僕で良かったら
06. 愛のささくれ~Nobody loves me
07. 簪 / かんざし
08. SO WHAT?
09. 東京ジプシー・ローズ
10. グッバイ・ワルツ
11. 月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)
12. かもめ(オリジナル:浅川マキ)
13. 灰色の瞳(オリジナル:加藤登紀子&長谷川きよし)
14. 東京
15. SMILE~晴れ渡る空のように~
16. 明日へのマーチ
17. 大河の一滴
18. スキップ・ビート(SKIPPED BEAT)
19. 真夜中のダンディー
【アンコール】
20. Iko Iko(オリジナル:ドクター・ジョン)~ヨシ子さん
21. 君をのせて(オリジナル:沢田研二)~悲しい気持ち(JUST A MAN IN LOVE)
22. 明日晴れるかな
メンバー
・桑田佳祐(ヴォーカル、ギター)
・斎藤誠(ギター)
・角田俊介(ベース)
・河村“カースケ”智康(ドラムス)
・片山敦夫(ピアノ)
・山本拓夫(サックス)
・TIGER(コーラス)
・田中雪子(コーラス)
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