連続テレビ小説「おちょやん」 (第65回・2021/3/5) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』(公式サイト)
第65回/第13週『一人やあれへん』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
二代目天海天海の襲名公演をもって、芝居を辞める覚悟をする一平(成田凌)。今まで書き直してきた大切な台本を一冊ずつ燃やしていく。これまでの一平のただならぬ雰囲気を察していた千代(杉咲花)。一平のもとに駆け寄ると、その場面に遭遇する。千代は、天海親子のすべてを知るハナ(宮田圭子)から託された、初代天海天海の思いを一平に届ける。幼き日の一平が天海にとって、どんな存在だったのか、千代は語りかけるのだった…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
●作:八津弘幸 ●脚本協力:吉田真侑子 ●演出:梛川善郎(敬称略)
この15分間を見て、何の感動もなかった…
前回を見て、本作には好意的な解釈をしようとも、するつもりはない、と決めたからハッキリ書く。この15分間を見て、何の感動もなかった。むしろ、今回が最終回だったら良かったとすら思った。
と言うわけで、大して感想も書くことはないのだが、支払った受信料分くらいは、書こうと思う。
千代に"家族"を語らせるなら…
まず、金曜日分の感想を。何より、わけがわからなかったのは、主題明けに主人公が延々と “家族” を語ったこと。金曜日にこのシーンを書くつもりがあるなら、本作は、もっと、千代と “家族” の関係を徹底的に描写すべきだった。もちろん、ここで言う “家族” とは、父・テルヲ(トータス松本)や弟・ヨシヲ(倉悠貴)のことではない。
芝居茶屋「岡安」の人たちであり、「鶴亀家庭劇」の座員たちのことだ。千代と、前述の “2つの家族” のやり取りが描かれてこそ、今回の襲名と結婚発表が、舞台の上でと客席との “笑いと涙” に繋がったと思う。
今回を"これまでの一つの集大成"と位置付けるつもりなら…
私は、少なくとも、「京都撮影所」から、大山社長も社命ではあったが、道頓堀に来ることで、テルヲやヨシヲの “家族” では描けない、千代の “新しい家族” を描き始めることで、人間としての千代、女優としての千代、女性としての千代の変化が描かれると、浅はかだが脚本家に期待をしたのだ。
しかし、見せられたのは、怒鳴るだけの自己チューの主人公が、お気軽に首を突っ込んでは、何となく周囲の人の助けを得て上手く行っちゃう、陳腐なサクセスストーリーばかりだった。その上、稽古のシーンも舞台のシーンもほぼ描かず、主人公や脇役たちの超が付く程個人的なネタばかり。
やはり、黒衣の語りにもあったように、今回をこれまでの一つの集大成と位置付けるつもりなら、もっと、千代と家族、千代と芝居、千代と女優、そして千代と一平(成田凌)を描くべきだった。
今週の感想のまとめは、主人公を目立たせ過ぎ!
そして、今週の感想。一言、主人公を目立たせ過ぎ! ハナ(宮田圭子)? が説明するなら、千代が一平の母親のもとに行く必要ゼロ。もちろん、監督以外は没個性化したカフェキネマも不必要。二代目襲名をごねてる一平にハナが事実を伝えれば済んだ話。
それをしないで、わざわざ遠回りするなら、その前段で、千代が “家族” と言うものをどう捉えて生きているのか、どの考え方が、どう変化して来たのを描いた上で、「直談判」を選択したなら、先に千代からビンタをしたなら分かるが、今週の表現では、千代はただ感情的、一平は甘える対象が母親から千代に変わっただけにしか見えない。そんな一週間だった。
残りの放送は2か月あるが、ほぼ期待できないか…
残りの放送は2か月あるが、ほぼ期待できないことが今週で分かった気がする。だって、ここまで描くべき人間関係や稽古や舞台を描かずに、要らないエピソードと要らない演出で、1コマ漫画みたいにやるだけなのだから。想像の域を出ないが、アイデア不足なのだろう。
もちろん、諸般の事情による話数減少によって、余計に辻褄合わせに必死になっている可能性もある。でも、放送するのだから、最低限の精査はして欲しい。
喜劇王チャップリンの名言で考える…
最後に。世界的な映画監督であり喜劇俳優だったCharlie Chaplin (チャーリー・チャップリン)の遺した名言に、次のようなものがある。
Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot.
人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ。
by Charlie Chaplin (チャーリー・チャップリン)
いろいろな解釈がされているが、私は、「人生の一コマを大写しで見れば悲劇だが、人生を振り返れば喜劇に見える」とか、「人生の中の一時は悲劇でも、長い人生は喜劇のように笑えるものでありたい」と解釈している。
本作は、この「クローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇」が出来ていないのだ。なぜなら、一コマの悲劇は描いても、ロングショットの人生が描かれていないから。そのロングショットこそが、日々の “家族” とのやり取りであり、稽古や舞台だと思う。それを描かずして、悲劇に意味を見出せないのではないだろうか?
あとがき
読者の皆さん、前回の感想で、たくさんの応援や共感を頂き、ありがとうございました。取り敢えず、引き続き「様子見モード」で、本音を書きます。
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【これまでの感想】
第1週『うちは、かわいそやない』
1 2 3 4 5 土
第2週『道頓堀、ええとこや~』
6 7 8 9 10 土
第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』
11 12 13 14 15 土
第4週『どこにも行きとうない』
16 17 18 19 20 土
『おちょやん よいお年を!』
第5週『女優になります』
21 22 23 24 25 土
第6週『楽しい冒険つづけよう!』
26 27 28 29 30 土
第7週『好きになれてよかった』
31 32 33 34 35 土
第8週『あんたにうちの何がわかんねん!』
36 37 38 39 40 土
第9週『絶対笑かしたる』
41 42 43 44 45 土
第10週『役者辞めたらあかん!』
46 47 48 49 50 土
第11週『親は子の幸せを願うもんやろ?』
51 52 53 54 55 土
第12週『たった一人の弟なんや』
56 57 58 59 60 土
第13週『一人やあれへん』
61 62 63 64
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