連続テレビ小説「おちょやん」 (第12週/土曜日版・2021/2/27) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』(公式サイト)
第12週『たった一人の弟なんや』の
『土曜日版』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
一平(成田凌)は自分の力試しに、前座で千代(杉咲花)と舞台に立つことにする。台本は新作の「若旦那のハイキング」。商売敵の親同士のせいで結婚を反対された恋人たちの物語だった。それは、みつえ(東野絢香)と福助(井上拓哉)の結婚を参考に一平が書き上げたものだった。だがこの頃、警察の検閲が厳しくなり、男女の恋愛場面が書き直されてしまう。また一か月前にえびす座でボヤ騒ぎがあり、気がかりなことが続いていた...
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
今週は「喜劇女優として奮闘する千代ちゃん」には見えなかった
毎度のことだが、「土曜日版」の冒頭で黒衣が言うのが、本編の今週が伝えたかったことで、今週は、下記のことが言いたかったらしい。
N「喜劇女優として奮闘する千代ちゃんに
とんでもない試練が待ち受けます」
一体、どこをどう好意的に解釈しても、「喜劇女優として奮闘する千代ちゃん」には見えなかった。当然、今週、鶴亀家庭劇も新作の「若旦那のハイキング」を盛り込んだ意味すら全く分からなかったのだが…
先週のみつえと福助の恋バナから、千代と一平の恋バナに直結した方が良かったのでは?
これ、先週が脇役のみつえ(東野絢香)と福助(井上拓哉)の恋バナ(結婚)でスピンオフ週だったのを受けて、恐らく、満を持しての脇役の恋バナを新作の「若旦那のハイキング」の内容になぞらえて書いて、時代を活かして検閲だのを描きつつ、千代(杉咲花)の “初めてのせっぷん” に持って行ったと言うのは、想像できる。
だったら、「未来の芝居に ささげた思たらを活かして、そのまま “嘘から出た実” のように、千代と一平(成田凌)の恋バナへ続けた方が良かったのでは? だって、先週で全115回の前半が終わるのだから、ぼちぼち千代の結婚話に移行しつつ、本格的に夫婦と、千代の女優になる物語にシフトした方が得策だったと思う…
千代を "肝の据わった姉御" に描きたいのか知らないが…
恐らく、今週の評価の分かれ目、今後の本作への期待度の分かれ目になったのは、3つあると思っている。1つ目は、千之助(星田英利)が “マットン婆さん” の恰好で、千代の弟・ヨシヲ(倉悠貴)が芝居小屋へ放火するのを「ふう~! 寒(さぶ)いだすなあ。あの たき火だすか?」と止めた場面。
2つ目は、「土曜日版」で意図的にカットされた、一平が千之助に「千さん。ヨシヲのことは 見てへんかったことに しれもらえませんか」と頼む場面。そして3つ目は、千代がヨシヲに向かって「あんたは うちの自慢の弟や」と弟を褒めて出て行くのを見送る場面だ。
あの3つの場面を見て、「ヨシヲが放火魔にならなくて良かった!」、「一平の千代の絆が見えた!」、「千代ちゃんとヨシヲ、再会できると良いな」と喜び、涙した人は、今週は感動の1週間だっただろうし、今後、ヨシヲのためにも一層稽古に精を出す千代ちゃんに期待できたと思う。
でも、「放火は未遂でも、歴とした犯罪行為である脅迫を見逃すの?」、「入れ墨は怒って、放火は未遂で良かった… でいいの?」、「一平が犯罪の隠ぺいに加担するのは残念過ぎる」と思った人、すなわち私だが。流石に、前者の人とは今週は分かち合えない。千代を “肝の据わった姉御” に描きたいのか知らないが、幾ら何でも、あまりにもご都合主義すぎるからだ。
せめて、ヨシヲが自分から放火を躊躇したように描いていれば…
これ、せめて、せめて、もう一回、せめて、ヨシヲがマッチに火を点けて、燃やすものに火を点けようとするが、大火事になるのが怖くて手が震えて、何度も躊躇っているところに、千之助が通り掛かって、「お前 何しとんねん!」としたなら、百歩譲って一平の千之助への見逃すように促したのも、千代が警察に連れて行かなかったのも、まあ許容できなくもない。
しかし、放火する気満々の弟を「自慢の弟」と見送るのは、呆れた姉であり、父・テルヲ(トータス松本)と大して変わらないと思う。まあ、似た者親子と言うし、これが炎上商法なら大成功かも知れないが…
あとがき
予告編にはありませんが、感想を書く手順として、月曜日のあらすじをYahoo!テレビで読みましたら、次のように書いてありました。
千代(杉咲花)は、道頓堀で起こった放火騒ぎが弟のヨシヲたちの仕業だったと、劇団の仲間たちに謝る。
※連続テレビ小説 おちょやん - Yahoo!テレビ.Gガイド [テレビ番組表]より引用
これが本当であるなら、金曜日の最後に、千代の謝罪をくっつけたら良かったと思います。それでも、不快感は完全に払拭できませんが、事実を一平と隠ぺいした印象はなくなるので、次週のサブタイトル『一人やあれへん』で描かれるであろう、千代と一平の物語をまともに見る気になる人が多くなったと思います。
予告編によると、次週は一平がメインのストーリーになるようですね。全23週なので、これで前半が終わったわけですが。12週のうち、最初の2週は幼少期、シズ(篠原涼子)と娘の恋バナで2週消化、テルヲの騒動で1週消化。残りの6~7週が、主人公の女優業のエピソードってことになります。
多めに7週と見積もっても、6割も「喜劇女優として奮闘する千代ちゃん」は無かったことになります。これではこの先、不安しかありません。何とか、巻き返して欲しいものです。
感想の締め括りに、また、私の愚痴ばかりの感想のお口直しに、生前の浪花千栄子さんが小津安二郎監督の映画『彼岸花』で魅せた、ハキハキした口調やしなやかな所作をお楽しみ下さい。
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【これまでの感想】
第1週『うちは、かわいそやない』
1 2 3 4 5 土
第2週『道頓堀、ええとこや~』
6 7 8 9 10 土
第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』
11 12 13 14 15 土
第4週『どこにも行きとうない』
16 17 18 19 20 土
『おちょやん よいお年を!』
第5週『女優になります』
21 22 23 24 25 土
第6週『楽しい冒険つづけよう!』
26 27 28 29 30 土
第7週『好きになれてよかった』
31 32 33 34 35 土
第8週『あんたにうちの何がわかんねん!』
36 37 38 39 40 土
第9週『絶対笑かしたる』
41 42 43 44 45 土
第10週『役者辞めたらあかん!』
46 47 48 49 50 土
第11週『親は子の幸せを願うもんやろ?』
51 52 53 54 55 土
第12週『たった一人の弟なんや』
56 57 58 59 60
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