連続テレビ小説「おちょやん」 (第60回・2021/2/26) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』(公式サイト)
第60回/第12週『たった一人の弟なんや』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
ヨシヲ(倉悠貴)を説得するも、追い出されてしまう千代(杉咲花)。そんななか、再びヨシヲの宿に戻ったのは一平(成田凌)だった。千代がどんな風に道頓堀で生き延びてきたか、弟をどんなに思ってきたのかを伝える。しかし、仲間から劇場に火をつけろと脅され、追い詰められるヨシヲ。間一髪で止めに入り、人目につかぬようヨシヲを岡安に連れて帰る千代と一平。ヨシヲは、離れ離れになった間の自分のことを話し始めるのだった…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
●作:八津弘幸 ●脚本協力:吉田真侑子 ●演出:盆子原誠(敬称略)
まえがき
今回の感想を書こうと思ったが、またモヤモヤしてきて、前々回と前回を見直したら、今回の感想を書く前に書いておきたいことが出て来たので、まず、それを描こうと思う。
脚本や演出の "千代とヨシヲの姉弟の魅せ方" が下手!
やはり、本作の脚本や演出の “千代とヨシヲの姉弟の魅せ方” が下手なのが露呈しているのだ。幼少期は、超好意的な解釈をすれば、5歳の時に母を亡くしてからは、幼いながらも家事を一手にこなしてきた。9歳の時に父・テルヲが再婚して、あれこれあって、義母の提案で口減らしに道頓堀の芝居茶屋「岡安」へ奉公に出た。
もう、この時点で、千代は(何歳差なのか分からないが、ヨシヲは「生前の母の記憶がない」とされているから3~4歳下だと推測できる)5~6歳の弟を(捨てたとは言わない)家に残して出て行かざるを得なかった。まず、気になったのは、ここの描写の曖昧さなのだ。
ヨシヲが家出した時の事を、少しでも描いておくべきだった
何となく、映像の印象から、千代が父テルヲや義母たちから離れたいために家を出たような印象になっているが、基本的には口減らしのために「家を出された」のだ。千代の言動からは、「私の方から捨ててやった」ような強気で出て行ったが。まあ、簡単に言えば、実父と義母に家を追い出され、仲良しの弟と別れざるを得なかったわけだ。
そして、その後、ヨシヲは何歳の時か分からないが、千代の前に8年ぶりにテルヲが現れた時に家出をしたことが分かっている。
二つ目の曖昧な描写は、いや、やっておくべき描写は、ヨシヲが家出した時のことだ。少なくとも、何故家出をしたのか? 少なくとも『なつぞら』の千遥のような、離ればなれになる理由なり、姉に会いたくないと思う理由が明瞭なら、再会劇は成立する。
ヨシヲは「姉に会いたい」「貧乏から抜け出したい」から家出したことを明確にしておくだけで良かった
私は、少なくとも、「千代姉ちゃんに会いたいから家出をした!」、または、「もう貧乏暮らしから抜け出したい!」の最低どちらかでも、テルヲが8年ぶりに現れて、2000円の借金のカタに千代を売り飛ばそうとした時に、【テルヲの口】から【ヨシヲが出て行った理由】を言わせるべきだったと、今でも思っている。
その理由が前者なら、『なつぞら』のヒロイン同様に、千代は「クレジットタイトルに名前が載るような有名女優になる」ことに必死となって頑張るエピソードにすれば良い、もしも後者なら、千代は「お金を稼いでいつかヨシヲに会ったら贅沢させてあげたい」と必死になって頑張るエピソードにすれば良いだけなのだ。
本当は、二つを理由にヨシヲが家出をしたことにしておけば良かったのは当然のことだが。
千代が女優になるのも"自分と弟のため"と理由付けしておけば良かった
要は、千代が “必死に頑張って有名な女優になる” ことを “自分とヨシヲのため” と理由付けを明確にしておくべきだったのだ。そうしておくだけで、今週の「千代とヨシヲの再会劇」は、それなりにドラマチックになったと思う。もちろん、「私の人生を狂わせた父親を見返すため」などと言う理由付けでは、お話にならないことは、付け加えておくが。
流石に、弟・ヨシヲへのペナルティーが甘すぎるのでは?
ここからが、今回の感想。
さて、一体どんな結末を描いて金曜日を締め括るのかと思いきや… う~ん、ドラマだから? フィクションだから? ヒロインの弟だから? いずれにしても、流石に弟・ヨシヲ(倉悠貴)へのペナルティーが甘すぎるのでは?
確かに、父・テルヲも酷い人間だが…
確かに、父・テルヲ(トータス松本)も酷い人間だと思う。これまでやって来たことは、ほぼ犯罪行為だと思う。でも、本作に於けるテルヲの描写を見ていれば、テルヲは元々自制心に乏しい人間で、家族だから… と言う甘えや狎(な)れ合いのような感情もあると、私には見えている。
だから、千代(杉咲花)だって、クズ親父だが一部許していた部分もあったわけで…
テルヲがやった事と、ヨシヲのやった事は、レベルが違う!
でも、テルヲがやったことと、ヨシヲのやったことは、レベルが違うってことを言いたいのだ。いくら未遂とは言え、放火未遂は明らかな犯罪。ヤクザ者たちの下っ端とは言え、放火の実行犯(未遂だが)だ。そして、千代だけでなく店の人たちへの脅迫行為はあったわけで、あれは完全に犯罪行為。
弟だから、未遂だからと、主人公が何とか庇おうが、千之助(星田英利)が止めなければ、放火されて生活や命が奪われた人たちも出た可能性があるわけで、脅迫行為を含めて、「ヨシヲの身の上話」と「ともに苦労した姉弟の再会劇」で、話をすり替えて、結果オーライで済ませるのは、流石にやり過ぎと言うか何と言うか…
千代はヨシヲと一緒に頭を下げて、道頓堀中を謝罪して回った方が良かったのでは?
今回のアバンタイトルで放火未遂を見つけたのだから、その後、千代はヨシヲの将来を考えて、大山鶴蔵(中村鴈治郎)や「鶴亀家庭劇」の座員たち、芝居茶屋「岡安」含めた道頓堀の人たちに、ヨシヲと一緒に頭を下げて謝罪して回った方が良かったのではないだろうか。
自分を2000円で身売りするような父親に有り金をぶちまけて啖呵を切った千代なら、ヨシヲと一緒に謝罪する位できたと思うし、その方が、ドラマとして納得しやすいし、ヒロインとしても共感できたのではないだろうか。
千代は、大山社長に頼んで熊田支配人の下で修業を兼ねて恩返しさせても良かったと思う
いや、いっそ、千代の才能を評価している大山社長に、「自分が近くで、責任もって面倒見ます」と泣いて頼み込んで、劇場の支配人・熊田(西川忠志)のもとで修業を兼ねて恩返しさせても良かったと思う。そうすれば、女優になる夢を持つ姉を支える弟の物語も出来るし、姉弟で夢を叶える物語にもなっただろうし。
例え、ご都合主義や綺麗事に見えても、そう言う設定に持って行くことが、大阪の道頓堀を舞台にした朝ドラであり、大阪から生まれた喜劇女優誕生の朝ドラがやるべきことだったと思う。
あとがき
主人公の弟だから、脇役たちも、視聴者も、「放火未遂を無かったことにする」と言うテレビから放出される “圧” みたいなのが引っ掛かってしょうがありませんでした。
ヒロイン特権を使うなら、千代がヨシヲを警察に突き出したところに、大山社長とシズたちが現れて「何も、ありませんでした」と言って、あとは、千代がヨシヲと謝罪して回って、熊田の下で恩返しする… で良かったのではないでしょうか。こんなご都合主義過ぎる再会劇で終わって、残念でなりません…
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【これまでの感想】
第1週『うちは、かわいそやない』
1 2 3 4 5 土
第2週『道頓堀、ええとこや~』
6 7 8 9 10 土
第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』
11 12 13 14 15 土
第4週『どこにも行きとうない』
16 17 18 19 20 土
『おちょやん よいお年を!』
第5週『女優になります』
21 22 23 24 25 土
第6週『楽しい冒険つづけよう!』
26 27 28 29 30 土
第7週『好きになれてよかった』
31 32 33 34 35 土
第8週『あんたにうちの何がわかんねん!』
36 37 38 39 40 土
第9週『絶対笑かしたる』
41 42 43 44 45 土
第10週『役者辞めたらあかん!』
46 47 48 49 50 土
第11週『親は子の幸せを願うもんやろ?』
51 52 53 54 55 土
第12週『たった一人の弟なんや』
56 57 58 59
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