連続テレビ小説「おちょやん」 (第54回・2021/2/18) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』(公式サイト)
第54回/第11週『親は子の幸せを願うもんやろ?』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
犬猿の間柄である母親たちから付き合うことを猛反対されたみつえ(東野絢香)と福助(井上拓哉)は、駆け落ちを決意。みつえが居なくなった岡安は、大混乱に陥る。居間で幼き日のみつえの着物を抱え、放心状態のシズ。千代(杉咲花)は娘の思い出を語るシズの母親の心に触れる。そんな中、鶴亀家庭劇の新作「マットン婆さん」が始まった。予想通り、千之助の容赦の無いアドリブ芝居がさく裂。しかし千代は、あることを教えられる…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
●作:八津弘幸 ●脚本協力:吉田真侑子 ●演出:大嶋慧介(敬称略)
今回のラスト、本当に、あからさまにやり過ぎだと思う…
まあ、脚本家は、千之助(星田英利)が書き直した「マットン婆さん」の主人公・マットン婆さんの言動を見て、「母親の無償の愛」を知って、自分が加担した罪の意識もあって、みつえ(東野絢香)と福助(井上拓哉)の駆け落ち先へ走って行って、シズ(篠原涼子)と菊(いしのようこ)の “母親の無償の愛” を演説して、一件落着させるのだろう。
と言うか、今回を見て、今週が残り金曜日しかないことを考えれば、そうなるしかないわけで、ホント、あからさまにやり過ぎだと思う…
「岡安 VS 福富」の因縁を知っており、シズの客との結婚を許したハナが活躍したら良かったのに…
さて、本編の感想。まず、シズが、みつえとの思い出を千代に語っても、ドラマでも実際にも良くあるような話だし、そもそもシズとみつえの母子関係なんて、ほぼほぼ描かれてこなかったから、前回の啖呵を切ったシズとは真逆の性格になっているのは気になるが、「言い過ぎた」と反省をしたと好意的に解釈すれば悪いとは思わない。
でも、やはり内容がありきたり過ぎて、取って付けた印象しかなく…。こう言ってはなんだが、シズ自身は、夫の宗助(名倉潤)とは、客として来ていた宗助がシズに惚れこんで婿養子になったわけで、ある意味 “客に手を付けた” し、それをハナ(宮田圭子)が許したのだ。
だから、最初からこのような展開になるなら、「岡安 VS 福富」の因縁を知っており、客との結婚を許したハナが、シズを説得して、めでたしめでたし… の方が親子二代の “母親の無償の愛” のエピソードに寄って行ったのでは? まあ、そうやってしまうと、千代も、「鶴亀家庭劇」も喜劇「マットン婆さん」も一切必要なくなるが(苦笑)
第51回で「親は子の幸せを願うもんやろ?」と悟っていた千代なら、とっくに動いていてもおかしくないのでは?
また、どうやって好意的に解釈すれば良いのか悩むのが、「鶴亀家庭劇」も喜劇「マットン婆さん」。
いつもの100倍くらい好意的に解釈すれば、“本編” の「みつえとシズ」に重なているつもりには見える。でも、10倍くらいの好意的な解釈では、完全に別物にしかなっていない。
いや、脚本家は敢えて “重ねているつもりはない” と、しているように見えてしまう。だって、そもそも、第51回(2/15)の終盤14分頃に千代がみつえに、こう言ったのだ。あんな毒親みたいな父・テルヲ(トータス松本)がいるのに。
千代「親は 子の幸せを願うもんやろ?」
まあ、この次の第52回(2/16)で、千代は一平に「うち ほんまは よう分からへんねん。親心いうの?」と言っているから、やはりここでも、いつもの100倍の好意的解釈をして、千代は自分の父親は別にして、一般的な親や子供の幸せを願うものだと、頭では理解していたが、今回の千之助の書いた台本とアドリブの演技によって、心からそう思った… と、するしかないか。
千之助と一平の脚本家としての力量と、アドリブ力の違いも、しっかり丁寧に描写して欲しい!
その上、千之助に手直しされる前の、一平が書いた台本がどうだったのか分からないから、千之助がどう手直ししたから、喜劇「マットン婆さん」で “母親の無償の愛” と言うメッセージ性が演じた本人たちや客らに伝わったのかもよく分からない。
恐らく、母親代わりに育ててくれた “マットン婆さん” の思いを “母親の無償の愛” としているのだろうが。
生活のために、文句も言わずに働き続けてくれた両親を見て、働くことの大変さがわかった今、“親の無償の愛” を有難味として実感するとか。自分の子どもがお金に困らないように、生まれた時にこっそり貯金通帳を作って、コツコツとお金を貯めてくれていて、それで何とか学費が払えたて、“親の無償の愛” をお金として実感するとか。
こう言うの、言い方は乱暴だが、ドラマにはよくある話ではないか。その程度のことを、一平は思い付かなかったと言うことなのか。
だとしたら、もっと、千之助と一平の脚本家としての力量の違いと、アドリブ力の違いも、しっかり丁寧に描写して欲しい。だって、そこがきちんと描かれて、初めて千代が脚本や演技に真剣に取り組めるわけだから。今のままの描写では、千代が大女優になるようには見えな過ぎる… と、思う。
あとがき
“母親の無償の愛” を脚本に書き、ドラマ化するのは、実はとても繊細なセンスが必要だと思うのです。だって、“無償” と言うのは、単純に考えれば「対価を払わない(で済む)こと」ですよね。でも、私はその向こうに「お金や時間には代えられない、もっと大切なもの」と言う意味も含まれていると思うのです。
でも、今回で数分間だけ見た人情喜劇風の「マットン婆さん」では、『愛=お金」になっていたように見えました。その思想が、本編にも漂っているのです。だから、今週の内容が、未だにサブタイトル『親は子の幸せを願うもんやろ?』と釣り合っていないように見えて、残念でなりません…
『おちょやん』とは関係ありませんが、明日(2/29)のNHK総合『あさイチ』は、『プレミアムトーク 吉原光夫』です。朝ドラ『エール』で寡黙な馬具職人・岩城さんを演じた吉原光夫さんがゲスト。ドラマの最終回で「イヨマンテの夜」を披露して下さった感動は今でも鮮明です。『エール』の舞台裏はもちろん、スタジオで歌声も披露してくれます!
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第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』
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第4週『どこにも行きとうない』
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『おちょやん よいお年を!』
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