青のSP(スクールポリス)―学校内警察・嶋田隆平― (第5話・2021/2/9) 感想

関西テレビ制作・フジテレビ系・火9ドラマ『青のSP(スクールポリス)―学校内警察・嶋田隆平―』(公式)
第5話『いじめは犯罪だ! 鉄拳制裁を… 学校内警察の正体』の感想。
なお、原作の漫画、佐々木充郭「スクールポリス」(ポプラ文庫)は、未読。
また、本作は昨夏に全話を撮影終了しているため、要望などは基本的に書きません。
男子バスケットボール部のアレン(川村ジーモン凜一朗)が同じく部員の市原(奥智哉)と西田(池田優斗)からいじめを受けていると分かる。顧問の涼子(真木よう子)は、西田に代わりアレンをスターティングメンバーにしたことが原因だと責任を感じる。そんなある日、市原が帰宅途中に何者かに襲われ、犯人はアレンに違いないと主張。隆平(藤原竜也)はアレンへの聴取を行う。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:漫画佐々木充郭「スクールポリス」(ポプラ文庫)
脚本:大石哲也(過去作/遺留捜査シリーズ、満願) 第1,2,4話
山岡潤平(過去作/家政夫のミタゾノ1,3,4) 第3,5話
小島聡一郎(過去作/俺のセンセイ)
演出:国本雅広(過去作/デカワンコ、保育探偵25時、カンナさーん!) 第1,2,5話
白川士(過去作/ドクター調査班、遺産相続弁護士 柿崎真一) 第3,4話
高橋貴司(過去作/家族の旅路、限界団地)
音楽:菅野祐悟(過去作/半分、青い。、シャーロックUS,テセウスの船、危険なビーナス)
主題歌:追い風/SHE’S
撮影終了しているから、無駄を承知で感想を書いてみる
記事の冒頭で書いているように、本作の撮影は既に昨夏に終了しているため、既に完パケ(「完全パッケージ」の略で、完成品ってこと)になっている可能性がある。従って、この先の展開はもちろんのこと、編集をどうこうして欲しいと言うことを書いたところで、一切無駄なのを承知で、第5話の感想を書いてみる。
嶋田が"志願して"スクールポリスになった"縦軸"は重要だが
本作は、これまで、いじめを始めとした学校内で起こる様々な事件や騒動が、教師たちの手に負えない現状を加味して、明瞭には描かれていないが、教育委員会の「学校内外の問題解決の最後の一手」として、警視庁捜査一課から住浜署生活安全課少年係スクールポリスとして赤嶺中学校に配属された。
そして、その一方で、主人公の嶋田(藤原竜也)は “志願” してスクールポリスとなったことは、きちんと描かれている。だから、「嶋田が “志願” した理由は何なのか?」が、本作の “縦軸” であり、最終的に解決しなければならないことは、重々承知している。
これまで嶋田らしい正義感と本作らしい痛快さがあったのに
また、これまでの4話については、現実には存在しない「スクールポリス」と言う登場人物を活かして、ダメ教師たちでは解決できない事件を、刑事時代の後輩である住浜署生活安全課少年係の刑事・三枝(山田裕貴)の協力を得ながら、最後の最後は、嶋田らしい “正義感” と、本作らしい “痛快さ” で、「スクールポリスが学校内外の問題に立ち向かう学園エンターテインメント」になっていた。
第5話の「3つの"やり過ぎ"」が、ドラマを変な方向へ…
なぜ、「なっていた」と過去形にしたか? それには、この第5話に於ける、下記の「3つの “やり過ぎ”」があったから。
【1】 刑事の三枝が活躍し過ぎ
【2】 涼子(真木よう子)の過去を描き過ぎ
【3】 嶋田を “公私混同の警察官” に描き過ぎ
「学校外の問題」部分を小さくした方が良かったと思う…
1つ目の「刑事の三枝が活躍し過ぎ」については、少しは納得出来る。『オクタゴン』と言う外人の大人の反社会的勢力が絡んだ事件にしてしまったから、嶋田一人のでは負えなくなり、そうなると都合良く使えるのは三枝しかいないから。
でも、ほぼ全ての真犯人への情報提供を三枝がやるなら、嶋田は、ただ学校にいる警備員で、何かあったら管轄の住浜署生活安全課少年係への連絡係に格下げしてしまうわけで。もう少し「学校内外の問題」の「学校外の問題」部分を小さくした方が良かったと思う。
涼子の過去、トラウマを唐突に挿入したのは理解出来ない…
2つ目の「涼子の過去の描き過ぎ」については、1ミリも納得できない。まだ、涼子が “自分もいじめられていた過去がある” と言う設定があって、その体験があるからいじめられている生徒を見て見ぬ振りは出来ずに、熱血教師になっている。そう、これまで描かれて来たなら納得出来る。
しかし、本作は、これまで涼子先生が校内で “最も勘の悪い教師”、言い換えれば “とんちんかんな先生” に描いて来たのだから、ここで 男子バスケットボール部のアレン(川村ジーモン凜一朗)ら生徒に重ねて頑張っていると、これまで唐突に “過去のトラウマ” 的な描写がインサートされても、口を開けてみるしか無かった。
「復讐ドラマ」の部分を強調すると、本作らしさが薄まる…
そして、3つ目の「嶋田を “公私混同の警察官” に描き過ぎ」だ。確かに “縦軸” だから、全部で何話か知らないが、恐らく折り返し地点を過ぎた第5話で、一気に嶋田の本性を見せて、ドラマに勢いをつけるつもりだったのだろう。
ただ、設定が「スクールポリス」と言う新鮮味があるだけで、公私混同の、それも個人的な復讐刑事にしてしまったら、いや「復讐ドラマ」の部分を強調してしまったら、類似ドラマはたくさんあるわけで、その中に埋もれてしまう可能性がある。やはり、ここは、最終章まで引っ張って、最後に「実は、そうだったのか!」で良かったと思う。
「いじめ」「人種差別」「同一人種の群れ」など、扱ったテーマが良かっただけに残念…
で、結局、「3つの “やり過ぎ”」をやってしまったために、今回で描きたい「いじめ」や「人種差別」や「同一人種の群れ」などの、大きな社会問題に発展しているタイムリーなネタが奥に引っ込んでしまった。
だから、最後のアクションシーンが凄いのは認めつつ、やはり最終的に、警察官2人が、反社会的勢力を相手に、ドタバタやった印象の方が強く残ってしまったのだ。いや、もしかしたら、あの『オクタゴン』がもっと巨大な悪の組織だったら、嶋田の手に負えないことに説得力があった可能性は否めないが…
あとがき
これまで本当に本作を楽しんできた私には、今回が最も「スクールポリス」らしい活躍が乏しい内容でした。ほぼ、いじめの被害者と加害者が中学生の刑事ドラマ、警察ドラマに見えてしまいました。
スクールポリスのドラマだからと、わざわざ “いじめ” を “事件” と絡める必要があったでしょうか? 単純に、赤嶺中学校で人種差別によるいじめが起きて、それを嶋田が「コラッ!」って叱れば良かったように思います。次回は、校内問題と “縦軸” だけ描いてくれるのを期待します。
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