連続テレビ小説「おちょやん」 (第40回・2021/1/29) 感想 ※追記あり

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』(公式サイト)
第40回/第8週『あんたにうちの何がわかんねん!』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
父・テルヲ(トータス松本)にまたも裏切られた千代(杉咲花)は、これを境にやる気を失い、撮影所にも行かなくなる。一方、最後の挑戦と意気込んで書いた脚本も不採用になり、実家に帰る決意をした小暮(若葉竜也)は、東京で暮らそうと千代にプロポーズする。うれしいはずの言葉に喜べず困惑する千代。それを見透かすように絡む一平(成田凌)の存在が煩わしく、悔しさが募っていく。自分にとって芝居とは、女優とは何なのか…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
●作:八津弘幸 ●脚本協力:吉田真侑子 ●演出:盆子原誠(敬称略)
連ドラなのに"物語"や"話の流れ"が乏しくなっている…
それなりに期待をして観始めた『おちょやん』だが、最近、かなり好意的に見て、解釈をしているつもりだし、コロナ禍の撮影の朝ドラだから余計に応援しようとは思ってはいるのだが、どうも、ここんところ、連続ドラマなのに “物語” や “話の流れ” が乏しくなっているように見えて仕方がない。
「いつの間にか 好きになってた」と小暮に言われても…
例えば、今回の前半で描かれた「助監督・小暮の悲恋物語」的なパートだが。そもそも(私から、この言葉が出るようになると、本編への愚痴が更に増える合図!)、助監督の小暮(若葉竜也)は高城百合子(井川遥)の好きだったはず。
なのに、高城が監督と意見の不一致を理由に撮影所を出て行ったら、いつも間にか千代(杉咲花)を好きなっている設定になったのが、良く分からない。まあ、今回のアバンタイトルで小暮自身が「いつの間にか 好きになってた」と言っていたが、そこを描くのがドラマでは?
「いつの間にか」だから、ビールのガブ飲みも意味不明…
その上、先日は結婚のプロポーズをし、今回では「映画で主役にしてあげられへんかったから せめて ここで1等にしてやるんだぁ」とカフェー 「キネマ」のボーイ・平田(満腹満)わざわざ告げて、酒が弱いのにビールをガブ飲み。
どうやら、小暮なりの千代への愛情表現なのか “エール” なのか、自分の力不足への後悔なのか、それも分からない。
小暮の脚本が採用され、新人監督になっても、配役まで…
分からないと言えば、そもそも(また、出た!)小暮の脚本が「鶴亀撮影所」の所長・片金平八(六角精児)に認められたとしても、映画化が決定するのかどうかも分からないし、新人監督の小暮に配役の決定権があるのかも分からないわけで。
それなら、ちゃんと脚本を何度も提出する過程の中に、所長に「この脚本(ホン)が採用されて映画(シャシン)になって、自分が監督に選ばれたら千代ちゃんを主演女優にさせて下さい」と、願い出る場面がないと、なんかだいぶ話が端折られているような感じになってやしないだろうか。
「堪忍。うち やっぱり 女優続けたい」の本心も分かり難い
その上、千代は退職届まで出して小暮と一緒になるつもりのようだったが、こう描かれてしまうと、千代がいつのどのタイミングまで女優をやりたかったのかが不明瞭では? こんな不明瞭な主人公の心理描写をやっているから、3分頃の千代が小暮に言った「堪忍。うち やっぱり 女優続けたい」の本心も分かり難い。
まあ、「時代だから」で片付けてしまいそうだが。確かに、山村千鳥一座の女性たちはみんな独身ばかりのようだったし、高城も独身のようだが、果たして当時は、結婚したら女優は諦めなければならない… なんて描写、一つも無かったから、ここもだいぶ端折られている印象。
せめて、“ワンサ” の大部屋女優たちのシーンで、「こんなワンサでも、女優をやってたら結婚も出来ない」などと愚痴を零していれば、納得出来たとは思うが…
3年間の描写をせず、「何もでけへんかった」と言われても…
あと、未だに良く分からないのが、千代にとって、「女優」、「芝居」、「舞台」がどのような定義で、その上に千代の言動が作られているのかってこと。
例えば、9分過ぎの美髪部で。主任・柳たつ子(湖条千秋)に千代は「ここでは 結局 何もでけへんかった」と言っていた。でも、「中堅女優」としては一応認められたし、たった一人だが鉢植えの花を持って来たファンもいたと描かれていた。だったら、「何もでけへんかった」では無いのでは?
そもそも(またまた、出た!)、千代はまだ「喜劇女優」になりたいわけではなく、漠然と「映画や舞台に出る女優」の第一歩を歩んでいる真っ最中だと思っていたから、ここで「何もでけへんかった」と言われると、「だから、あの3年間はすっ飛ばしたのか!?」と思ってしまった。なんか、話が繋がりを持っていないような…
社長や守衛が「大女優になりそう」と千代を褒めていたが…
また、7分頃では道頓堀の芝居小屋を牛耳る上方演劇界のドンで、「鶴亀株式会社」社長・大山鶴蔵(中村鴈治郎)が、10分頃には守衛・守屋(渋谷天外)が千代の “大女優になりそうな容姿や存在感” を褒めていたが。
それなら、例えば、撮影所に入った直後で、エキストラの一人としてドジをやったのを大山社長が見て、「笑いのセンスにピンと来た!」みたいなワンシーンがあっても良かったし、中堅女優になったあとでも、撮影現場を和やかにする千代の立ち振る舞いを見て、「喜劇女優に向いてる!」と思うようなカットがあっても良かったと思う。
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ここから追記
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【追記 2021/01/29 18:00】
第37回(1/26)での、オーディションのシーンで、千代のアドリブの演技に驚いた感じで(そう見えると言えば見えます)湯呑み茶碗をテーブルから落とす「鶴亀株式会社」社長・大山鶴蔵(中村鴈治郎)の描写はあります。
©NHK
ただ、私は今回の台詞と、第37回が直結したように好意的に解釈はしませんでした。もちろん、今回で回想シーンとしてインサートされれば解釈は変えますが…
-------------------------- ここまで追記 --------------------------テルヲの騒動に尺を割き過ぎ、描くべきことを描かなかった
朝ドラでは、良く「エピソードの箇条書き」になる作品が多いが、今週に於いては、箇条書きと言うより、ただただ単純に、父・テルヲ(トータス松本)の騒動に放送尺を割き過ぎた結果、描いておくべき部分が蔑ろにされて、ドタバタした印象だけが残ってしまったと言うことだと思う。
強烈なキャラクターで大騒ぎをやれば、ドラマが楽しくなるなんてことは、まずないと思う。やはり、ドラマ、特に朝ドラで大切なのは「物語の流れや繋がり」。そこを無視して、騒動ばかりやっても、本当に面白いドラマにはならないと思う。
あとがき
欲を言うなら、能動的なヒロインなのですから、女優と言う絶対的な目標にむかって、演技の勉強や、大部屋女優たちと交わす演技論とか、脚本の解釈について小暮と喧々囂々やり合うとか、そう言うヒロインの頑張る姿も見たかったです。それが、何となく、また “棚ボタ” で喜劇女優に。
なんか、物足りません。だから、杉咲花さんは応援したいけど、千代ちゃんを応援したくなるようなシーンがないのは致命的と言うか、もったいないです…
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【これまでの感想】
第1週『うちは、かわいそやない』
1 2 3 4 5 土
第2週『道頓堀、ええとこや~』
6 7 8 9 10 土
第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』
11 12 13 14 15 土
第4週『どこにも行きとうない』
16 17 18 19 20 土
『おちょやん よいお年を!』
第5週『女優になります』
21 22 23 24 25 土
第6週『楽しい冒険つづけよう!』
26 27 28 29 30 土
第7週『好きになれてよかった』
31 32 33 34 35 土
第8週『あんたにうちの何がわかんねん!』
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