連続テレビ小説「おちょやん」 (第37回・2021/1/26) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』(公式サイト)
第37回/第8週『あんたにうちの何がわかんねん!』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
鶴亀撮影所を訪ねてきた父・テルヲ(トータス松本)から性懲りもなく、一緒に暮らそうと言われ、断る千代(杉咲花)だった。とはいえ結局は見捨てられず、一晩だけカフェーに泊めてしまう。テルヲは翌日も押し掛け、所長の片金(六角精児)に直談判し、千代を売り込む。さらには撮影現場をも巻きこむ無茶をしでかし、千代は尻ぬぐいをする羽目に…。そんな時、小暮(若葉竜也)が新作映画の主演を選ぶ試験の話を持ってくるのだが…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
●作:八津弘幸 ●脚本協力:吉田真侑子 ●演出:盆子原誠(敬称略)
テルヲを「家族思いの千代」を描く都合の良いアイテムに…
前回の感想にも書いた通り、脚本家が、千代(杉咲花)と父・テルヲ(トータス松本)の “父と娘の関係” に拘っているのは、第1,2週を見れば十分に分かる。とにかく、公式サイトの登場人物欄のテルヲの紹介は、このように書いてある。
見えっ張りだが気が弱く、世渡り下手。しかし、口は達者で女性にはモテる。千代にとっては、憎みきれないトラブルメーカーであり続ける。
要は、脚本家の中では、千代にとって「憎み切れないトラブルメーカー」ではあるが、前回で一晩泊めてやるくだりがあったように、完全に “絶縁状態” ではなくて、どこか父親を捨てきれない「家族思いの千代」を描く都合の良いアイテムに利用しているのだ。
テルヲの言動へのメリハリを強め過ぎが間違っているような
ただ、このような解釈と設定が間違っているとは思わない。切っても切れないのが “親と子の縁” であるし、そこを描くのも朝ドラらしい。だから、演出家も、両者が影響し合っているように見せるために、テルヲの言動にメリハリを強めに付けて演じさせているのだろう。しかし、そこが間違っていると思うのだ。
テルヲをコント風に描くから、千代の「おおきに」が霞む…
確かに、テルヲの気性は激しいし、癖が強い。だからと言って、これぞと言わんばかりに画面に登場させては、あれこれさせてしまうと、単純に千代が見えなくなってしまう。正確に表現するなら、“千代の女優になりたい気持ち” がテルヲの影に隠れてしまうのだ。
実際の映像でも、テルヲが現代のマスカラや肩パッドなどを持って来て、それを健気につけてオーディションを受ける千代の描写なんて、一言で「ダメ!」と言うほど悪くない。悪くないが、「土曜日版」では残っても、「総集編」では残らないと思う。
やはり、時間の無駄なのだ。テルヲが娘を合格させたい一心であれこれやるくだりなんて、アバンタイトルで十分な内容なのだ。むしろ、テルヲの言動をコント紛いの脚本と演出で描くから、折角の終盤で千代が言った「おおきに」が霞んでしまったではないか。
"父と娘の切れない絆"を表現する大切な台詞「おおきに」が活かして欲しかった…
今回を見て、私は、こう思う。いくら切り捨てられない父親が邪魔をしているとは言え、千代は何となくテルヲを許しているように描くのでなく、あくまでも迷惑で困っているように描いた上で、邪魔する父親を跳ね除ける勢いで、オーディションに挑む姿や気持ちを重視して描くべきだったと。
そこが中途半端以下だから、折角の “父と娘の切れない絆” の表現の大切な台詞だった「おおきに」が活かされなかったと思う。なぜ、テルヲのパートだけ強調して描くのか、その真意は脚本家の自己満足だけとは思えないのだが…
あとがき
アバンタイトルで、紙芝居風にテルヲが千代にマスカラなんかを持って来るくだりを描いて、主題歌明けにオーディションの練習をする中で、カフェの人たちとマスカラや肩パットをつけるお茶目や千代をコミカルに描きつつ、助監督の小暮との「不景気」のくだりもちょっと描いて… くらいで良かったのでは? まあ、それだと5分位で済んでしまいますが。
でも、ハッキリ言って、この先長い「千代の女優への道」を考えると、今に放送尺を割くのは時間の無駄では? もっと丁寧に描いて欲しいことがあるだけに、全話の時間配分を気にして欲しいです。
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