連続テレビ小説「おちょやん」 (第30回・2021/1/15) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』(公式サイト)
第30回/第6週『楽しい冒険つづけよう!』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
突然の山村千鳥一座の解散。千鳥(若村麻由美)からの紹介で、再び鶴亀撮影所の門前にやってきた千代(杉咲花)。かつて千代が門中に入ろうとすると抵抗し続けた守衛の守屋(渋谷天外)が素直に門を開けてくれて、鶴亀撮影所に初めて足を踏み入れたことに、嬉しさが込み上げる。さらに所内を案内する助監督・小暮(若葉竜也)から、女優と呼ばれ舞い上がる。しかし、その先には、癖の強い所長と監督による面談が待ち受けていた…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
●作:八津弘幸 ●脚本協力:吉田真侑子 ●演出:盆子原 誠(敬称略)
「女優の竹井千代」に拘るお茶目な千代から始まった
撮影所に入るまで、少々 “間” を空けるのかと思いきや、意外にもスッと助監督の小暮真次(若葉竜也)が現れたから、そのままスタジオへ… と思ったら、今度はすんなりとは入らずに、「女優の竹井千代」に拘るお茶目な千代(杉咲花)から始まった。
わたくし事だが、私も35年位前に、初めて東京都世田谷区成城・砧にある東宝撮影所で仕事をした時は、「助監督の○○です」と守衛さんに次げて毎日入るのが “小さな誇り” だったのを思い出した。
今回のアバンタイトルの構成、サクッと進んで良かった
そして、今回のアバンタイトルの構成についてだが、前回での山村千鳥一座の解散と千鳥(若村麻由美)のくだりは、冒頭で少しだけ描いて、早速、撮影所。これを、「物足りない」と受け取る向きもあろうが、私は「物語が前進するのは良いこと」だと思うし、「テンポが悪いよりずっと良いこと」だと思う。
大胆な登場シーンで飾られた撮影所の所長・片金平八
主題歌明け、これまた大胆な登場シーンで飾られた撮影所の所長・片金平八(六角精児)のお出ましだ。恐らく、「セクハラだ」とNHKに抗議を知れた視聴者もいたかも知れない。
ただ、こう言うのは雰囲気であって。ただ、千代のモデルである浪花千栄子の人生年表に照らし合わせば、当時19歳の浪花さんが東亜キネマ・等持院撮影所に所属したのは大正15年(1926)。時代や撮影所と言う特殊な環境を考えたら、私の感覚では、「よくぞここまでセクハラ疑いを恐れずにやった」と感じた。
まあ、セクハラと感じた人にとってはセクハラ、それがセクハラなのだが、ドラマの演出、特に、所長の人柄や人格を表すのには良かったと思う。まっ、千代が入室する直前に、身なりは整えたし…
今回も "千代のモノローグ" が効果的に利用された
やはり、かなり主人公の千代と言う人間像が見えて来たと言う感じがした。例えば、映画監督のジョージ本田(川島潤哉)が、千代に「バンブーベロニカ」との芸名をつけようとした時に、千代は意外と悩むことなくサクッと「本名で 気張らせてもらいます」と切り返して断った。
このように、千代が機転が利く様子を積み重ねるのは実に良いこと。また、この台詞の直前に “千代のモノローグ” を入れて、しっかりと千代の内面も描写した。やはり、本作には “千代のモノローグ” があった方が良いと思う。あればあるほど、千代の表と裏のギャップが表現されるから。
映画監督のジョージ本田を演じた川島潤哉さんは、前作『エール』で小山田先生の…
あと、朝ドラファン向けのプチ情報として。映画監督のジョージ本田を演じた川島潤哉さんは、前作『エール』で、小山田耕三(志村けん)の付き人・猿橋重三を演じた人。小山田が亡きあと、小山田先生の手紙を裕一(窪田正孝)に渡し、小山田が裕一に嫉妬していたことを謝罪した、あの人だ。
「女優たちの大部屋」が説明過多にならなかったのは良い事
9分辺りから始まった「大部屋」も、なかなか良かった。その前段で、カフェー 「キネマ」にて若崎洋子(阿部純子)が「撮影所は 食うか食われるかの戦場や」と前振りをしておいて、その後は語りを入れずに、千代の「にゃろ~!」や大部屋女優たちの嫌味な台詞や態度だけで “食うか食われるかの戦場” を描写した。
更に付け加えるなら、ここで桂吉弥さんの語りが入らなかったことで、“食うか食われるかの女同士の戦場” であることが強調された。このような見せ方は説明過多にならずに良いと思う。
千代が通行人役でカメラの前に立つ姿で思った"2つ"のこと
終盤の、千代が棚ボタで通行人の端役を貰って、撮影に臨むシーンを見て、今後の展開が “2つ” 見えたような気がした。
1つは、大部屋女優になりたての千代は、様々な苦難を乗り越えるにしても、あくまでも最初から個性を発揮して乗り越えること。そして、ドラマも牽引していくこと。もう1つは、第4週まで続いた「人物紹介エピソード」が今後は無くなっていく可能性が高いこと。
話数減少の中で描くべき部分の取捨選択が上手く行っている
今回だって、肩書きの紹介はあったものの、その他の登場人物らの詳細な設定の説明は無かった。それは、前述の千鳥にも言えることで、千鳥の場合は詳細な人物紹介がなかったから、当初は、あのぶっきらぼうな態度が “パワハラ師匠” に見えたが、最後には “愛のムチ” であり “自分への厳しさの反動” であることが分かって納得出来た。
恐らく、今回の所長も監督もいつまで出番が続くのか分からないが、過剰な説明は必要ないのだ。でも、見てお分かりの通り、撮影所と言う千代にとって “新たな環境” が、どんなものであるかは、きちんと説明されているため、描くべき部分だけを描いていると言う印象。
そう、話数減少の関係もある中で、描くべき部分の取捨選択が上手く行っていると言って良いと思う。恐らく、脚本よりも、演出による編集が功を奏したと思うが。
ざっくり数えると「約1/4」が終わったことになる
さて、今回で第6週が終了した。話数が減らされていなければ、例年の朝ドラの放送期間は6か月(約24週)だから、ざっくり数えると「約1/4」が終わったことになる。と言うことで、もしも本作が「起承転結」に基づいて4分割されていれば、「起承転結の起」が終わり、次週から物語が膨らんで行く「承」になる。
まあ、主人公のモデルの人生年表がしっかりしているから、全体の流れに不安はないし、本作の千代もキャラクターが固定化されて来て安定感が出て来たから、もっともっと杉咲花さんの元気を前面に出した朝ドラ『おちょやん』になって欲しい。
あとがき
先週と今週で、期待以上に “きれいに” 本題へ進む道を作ったと思います。とにかく、千鳥との出会いは、あくまでも「撮影所に入るきっかけ」ではありましたが、「千代の最初の師匠」と言う意味では、存在感があって良かったです。もちろん、千代も “千代らしさ” が出てきて良かったです。
来週あたり、高城百合子(井川遥)と千代が再会すると、「承」の第一歩として盛り上がりそうですね。
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【これまでの感想】
第1週『うちは、かわいそやない』
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第2週『道頓堀、ええとこや~』
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第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』
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第4週『どこにも行きとうない』
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『おちょやん よいお年を!』
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第6週『楽しい冒険つづけよう!』
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