サザンオールスターズ「無観客ほぼほぼ年越しライブ2020配信」の感想 ※セットリストと、ほぼ完全ネタバレ再現あり
©サザンオールスターズ(撮影=西槇太一)(MusicVoice)
今回も、前回6月の無観客ライブ配信時と同様に事前に収録
私も妻も愛して止まないサザンオールスターズが、2020年12月31日、横浜アリーナで6年ぶりとなる年越しライブ『サザンオールスターズ ほぼほぼ年越しライブ2020「Keep Smilin’ ~皆さん、お疲れ様でした!! 嵐を呼ぶマンピー!!~」』を無観客配信で実施した。
今回も、前回6月の無観客ライブ配信時と同様に、事前に収録した模様を大晦日の午後10時から年越し(00:00)のタイミングに合わせて配信された。
"サザンと一緒にサザンを見て"の年越しスペシャル企画!
オープニングは、こたつを囲んだサザンオールスターズのメンバーが、視聴者と一緒にサザンのライブを見て大晦日の年越しを過ごすと言うコント風な映像から始まった。
長年のファンにとって、年越しライブに参加すること(出来ること)は大変特別なことなのに、2020年から2021年は “サザンと一緒にサザンを見て” の年越しと言うスペシャル企画。もう、これだけで涙が出そうな企画なのだ。
ライブでの最大の関心事は、1曲目が何なのか?
やはり、ライブでの最大の関心事は、1曲目が何なのか? お茶の間コントの終盤での桑田佳祐さんの「嵐を呼ぶマンピー!?」の台詞をきっかけに、映像は暗転のライブ会場に切り替わり、『RIZIN』のようなアナウンスに続いて、ゆっくりとメンバーがステージへ登場。
桑田さんのスライドギターが印象的な「ふたりだけのパーティ」
なんと、1曲目は桑田さんのテレキャスのスライドギター奏法のイントロが印象的な「ふたりだけのパーティ」で幕開けだ。この「ふたりだけのパーティ」は、サザンの数多い「企画盤(ベスト盤)」には一切収録されておらず、唯一、1980年にリリースされたアルバム「タイニイ・バブルス」だけ収録されている。
このことから、今回の「ほぼ年越しライブ」は、「企画盤」しか聞いたことのない人では楽しめない仕掛けが施されているのではないかと言う期待が膨らむ選曲だったのだ。
「東京VICTORY」は、最後の歌詞を替えて…
2曲目の「My Foreplay Music」が終わると、会場全体がブルー一色に染まる中、球体型の立体LEDパネルに地球の映像を映した光るオブジェがステージ上空に浮かび上がると、2020年に活躍したスポーツや将棋界で活躍した各界の人たちの映像がスクリーンに映し出され、「東京VICTORY」へ。
ステージ上のメンバー、会場各所のスタッフ全員が拳を天に突き上げた。そして、最後の歌詞を「皆さん 良いお年を 迎えましょう」と替えて歌って、MCへ。
序盤の桑田さんのMCには、様々な人への感謝の気持ちが…
桑田さんの「皆さん 元気ですか~!」で始まったMCは、こんな内容だった。
桑田「この1年、本当にお疲れさまでした。長かったのか短かったのか、皆さんも不安で心休まることのない1年だったと思いますけども。とにかく医療に携わる多くの方々、幅広い分野でお仕事をされているエッセンシャルワーカーの方々、あの~本当にご苦労をお掛けしております。我々メンバー、スタッフ一同心より感謝申し上げます。ありがとうございます」
と、コロナ禍で年末年始に関わらず頑張っている方々に感謝とねぎらいの言葉を送ったのが印象的だった。もう、この時点で、医療従事者で偶然に大晦日の勤務が休暇になった妻は、涙涙…。続けて…
桑田「サザン、スタッフ、全国のファンの皆様の魂と共に、ここ横浜アリーナにまた帰って参りました~! コロナウイルスと言う本当に大変な災害の年が、まもなく暮れようとしておりますけれどもね。来年こそはどうか幸せな年でありますように、祈りを込めて今日は歌わせて頂きます。新たなる素晴らしい夜明けに向けて、画面越しの皆様と共に、スタンド、アリーナ、センター、立ち見、今日は楽しく過ごして参りたいと思います!」
と語り、年越しライブらしいコアなファンが夢中になれる選曲と演出が始まった。
「いとしのフィート」と「恋するマンスリー・デイ」に感動
やはり、長年のファンとして前半のセットリスト(以下「セトリ」)で最も注目したし、私がだいぶ前から「絶対にやって欲しい曲」として挙げていた2曲が演奏されたのは嬉しかった。
それが、サザンで恐らく唯一「お正月」を歌った「いとしのフィート」と、男性歌手が女性の生理を歌った当時は革新的な楽曲だった「恋するマンスリー・デイ」の2曲。やはり、年越しライブで「いとしのフィート」は相性抜群だった。
前半のセトリの特徴は、比較的サザンの初期の楽曲が多く、サウンド的にはバンド・サウンドを全面に押し出したアレンジになっており、当時、レコード盤やカセットテープで必死に聞き覚えては歌っていた頃を思い出させてくれた。
「Ya Ya(あの時代[とき]を忘れない)」に込められた強いメッセージ
前半の大きな見せ場の一つが「Ya Ya(あの時代[とき]を忘れない)」だった。オリジナルのイントロの前にライブ用のフレーズが入ったため、一瞬なんの曲か分からなかったが、あの特徴的なギターのリフが鳴り始めると、無観客の全客席に設置されたLEDライトが星のように光り輝き、まるで宇宙空間にでもいるような幻想的な世界に包まれた。
画面越しなのに…。そして、メンバーの後ろのスクリーンには、大勢のファンの笑顔も映し出された。そう、だから、この演出こそ数年後のアフターコロナにとって “あの時代[とき]を忘れない” と言う強いメッセージなのだ。
ドラムの松田弘さんが完全復帰!
「俺、ライブで一番好きなの、メンバー紹介」と言ってギターの斉藤誠ちゃんからツッコまれていた桑田さん。メンバー紹介では、各メンバーがソロでパフォーマンスを。実は、このライブで一番心配だったのは、8月に右肩手術で音楽活動を休止していたドラムの松田弘さんの状態。
しかし、桑田さんが「肩のケガから不死鳥のごとく復帰して参りました!」と紹介すると、完全復帰を魅せるがごとく、キレのいいドラムソロを披露してくれた。
"シングルカップリング曲"の2曲が聴けて、嬉しかった
もう一つ、ファンとして触れておきたいのが、12曲目の「走れ!! トーキョー・タウン」と、13曲目の「世界の屋根を撃つ雨のリズム」だ。
この2曲はかなりのレアもの。何せ、「走れ!! トーキョー・タウン」は「匂艶(にじいろ)THE NIGHT CLUB」の、「世界の屋根を撃つ雨のリズム」は「BLUE HEAVEN」の、いずれも “シングルカップリング曲”、いわゆる “B面” で、アルバムにも「企画盤」にも収録されていない。だから、長年のファンでも、知らない人や歌えない人も多かったと思う。
サザンのライブは、妖艶でエロくて絢爛豪華なダンサーが加わってこそ
そして、後半のお約束のイケイケムード満載の観客煽りまくりの怒涛のセトリ。まずは、意外なジャズアレンジで始まった「ボディ・スペシャルII(BODY SPECIAL)」。
一瞬の暗転を挟んで、ライブ用アレンジのイントロから始まった、「エロティカ・セブン EROTICA SEVEN」、水着のキャット・ウーマンたちも登場して、間髪を入れずに「BOHBO No.5」へ。やはり、サザンのライブは、妖艶でエロくて絢爛豪華なダンサーが加わってこそ、最大のエネルギーを発するパフォーマンスになるのだ。
「マンピーのG★SPOT」で、年越しのカウントダウン
そして、「ほぼ年越しライブ」のクライマックスであり、年越しの瞬間が委ねられたのが「マンピーのG★SPOT」。年越しの0時に活動を休止するアイドルグループ「嵐」へのリスペクトなのか分からないが、桑田さんの被ったヅラの真正面には「嵐」と書かれていた。
そして、曲の中盤では、高所恐怖症の桑田さんが、クレーンに乗り込んで、ステージからせり出して会場全体に紅白の紙吹雪を撒いて、ヴォルテージは最高潮へ達したところで、年越しのカウントダウンが始まって、「郁美ちゃん、おめでとう!」の桑田さんの言葉で、サザンも我が家も無事に2021年が明けた!
「希望の轍」は、正に「希望の2021年」に!
アンコールの1曲目、2021年の1曲目は、原坊のピアノソロで始まった「希望の轍」。光る全客席を後方から一気にステージに寄って行くカメラワークと、本作の持つ力強いメロディーが相まって、「希望の轍」の新たな魅力が引き出された。正に「希望の2021年」になるようにと…
オレンジ色の照明での「夕方 HOLD ON ME」に涙が溢れた…
アンコール2曲目は、私が大好きな「夕方 HOLD ON ME」。もう、あのヒロシのドラムのカウントと、ホーンセッションのイントロ、夕日色の照明、これだけで自然と泣けて来るのに…
「今年は、本当にみんなの願いが叶いますようにねぇ!」と歌い始めた桑田さん。演出の南谷さん、オレンジ色の照明をありがとう! そして本当に、今年は笑顔が溢れる一年になって欲しい…
「勝手にシンドバッド」の替えた歌詞は全ての人へのエール
そして、ラストナンバーは王道の「勝手にシンドバッド」へ。桑田さんはギターソロの後の歌詞を「暮れも正月もなく 人の命を守る 医療従事者のみなさん そして家族の方々を守ろう 収束が見えて来ない みんな苦しいけど コロナ禍を乗り越えて いつか素敵な未来を 迎えよう」と替えて歌って、全ての人たちにエールを送った。
2021年の幕開けを飾った花火は、よりも美しく、雄大だった
ライブ終了後には、疫病退散と無病息災を祈念して、この配信ライブのためだけに、全国6か所(北海道札幌市、岩手県陸前高田市、神奈川県茅ヶ崎市、愛知県名古屋市、滋賀県大津市、宮崎県宮崎市)で、桑田佳祐さんの楽曲「SMILE~晴れ渡る空のように~」とシンクロして打ち上げられた『みんなで上げよう!! 全国Keep Smilin’花火』のダイナミックで美しい映像が流れた。
2021年の幕開けを飾った花火は、いつもより、どの花火よりも美しく、雄大だった。
あとがき
全23曲、約2時間30分に及んだ「ほぼ年越しライブ」。ライブの中、あちこちに散りばめられた “感謝” と “希望”、そして、「願いは叶う」、「一緒に頑張ろう」と言うメッセージは、力強さの中に、明るさと優しさが溢れていました。本当に、ライブで見て良かったです。
このライブの映像は、各配信プラットフォームで1月7日の午後23時59分まで見逃し配信を実施中。チケットの購入は1月7日午後9時30分まで。
なお、サザンオールスターズの公式ホームページでは、桑田さんからの新年のあいさつメッセージが掲載されています https://special.southernallstars.jp/kuwata2021/
サザンオールスターズ ほぼほぼ年越しライブ 2020
「Keep Smilin’~皆さん、お疲れ様でした!! 嵐を呼ぶマンピー!!~」
supported by SOMPOグループ
●無観客公演開始日時:2020年12月31日(木)22:00 (1日のみ)
●見逃し配信期間 2021年1月7日(木)23:59まで
●公演会場:横浜アリーナ (神奈川県横浜市)
●演奏時間:約2時間30分
●販売期間:2021年1月7日(木)21:30まで
●公式サイト:https://special.southernallstars.jp/keepsmilin
セットリスト
1.ふたりだけのパーティ
2.My Foreplay Music
3.東京VICTORY
4.いとしのフィート
5.恋するマンスリー・デイ
6.あっという間の夢のTONIGHT
7.君だけに夢をもう一度
8.夜風のオン・ザ・ビーチ
9.LONELY WOMAN
10.Ya Ya(あの時代[とき]を忘れない)
11.愛は花のように(Ole!)
12.走れ!! トーキョー・タウン
13.世界の屋根を撃つ雨のリズム
14.栄光の男
15.はっぴいえんど
16.LOVE AFFAIR~秘密のデート~
17.ボディ・スペシャルII(BODY SPECIAL)
18.エロティカ・セブン EROTICA SEVEN
19.BOHBO No.5
20.マンピーのG★SPOT
[ アンコール ]
21.希望の轍
22.夕方 HOLD ON ME
23.勝手にシンドバッド
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