連続テレビ小説「おちょやん」 (第23回・2021/1/6) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』(公式サイト)
第23回/第5週『女優になります』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
活動写真で有名になれば、弟ヨシヲが会いに来てくれるのではないかと思いつき、黒木社長の誘いを快諾する千代(杉咲花)。しかし、黒木は詐欺師だった。黒木は逮捕され、幸いにも被害がなかった千代。そもそも女優なんて全く興味がないと、その夜も平然と女給として働き、チップを稼ぐ。しかし、ふと一人になると突然、悔しさが込み上げてくる。不覚にも、この騒動をきっかけに自分の本当の思いに触れ、千代は戸惑うのだった。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
●作:八津弘幸 ●脚本協力:吉田真侑子 ●演出:椰川善郎(敬称略)
ネットニュースや、私の周囲でも話題になっていない…
前回の気合の入っていない私の感想にも、11回(投稿時点で)もWeb拍手を頂いた。だから、今回は、少し本腰を入れて感想を書こうと思う。
昨今の朝ドラは、NHK発信の情報がネットニュースになって話題性を作り出すのが定番の作戦だが、不思議と今作については、前回の視聴率の話題くらいしか記事が無い。私の周囲の朝ドラを毎朝見ている知り合いの中でも、あまり話題になっていない。
確かに、前作の印象が強かったせいもあるだろうし、その逆に今作はNHK大阪制作のベタな朝ドラ悲喜劇だから、物足りないと感じる人も多いのだと推測は出来る。
話題にならないのは、いろいろモヤモヤするからでは?
ただ、なんか、モヤモヤするのだ。そこで今週の月曜日から今回までを繋げて再生して見てみた。すると、何となく “モヤモヤ” の原因が見えて来た。それは、「今の千代」が長い人生の中の “どの地点” に存在するのか分かり難いから、作品にもヒロインにも入り込み難いし共感しづらいのでは? と言うことなのだ。
モヤモヤの要因のヒントが、7分頃の次の千代の台詞に!
本作は、今のところ「全125回」とされている。と言うことは、今週末で、「全体の1/5」が終わることを意味する。まあ、「起承転結の起」と言うより、「少し前倒しの “承”」と捉えるのが妥当だろう。
実際に、今回を良く見れば、「ヒロインの女優を目指す宣言」が盛り込まれており、一応、いよいよ 千代(杉咲花)が女優を目指すお話になることが分かった。分かったのだが、モヤモヤは晴れない。モヤモヤの要因のヒントが、7分頃の次の千代の台詞に隠されていると思う。
千代「小さい頃 一人で道頓堀に方向に出て
つろうて さみしいて どないしようものうて…
そないな時 うちの前には いつもお芝居があったんだす
うちは お芝居が大好きや
うちが元気貰たみたいに 今度は うちが誰かの力になりたい
(中略)
うちは 今まで ずっと どっかで そないに思てきたんやと思います
そやさかい うちは役者になりたい。女優になりたい」
超が付く程に好意的な脳内補完をすれば、上記の千代の言っていることは間違いない。あの幼少期があって、道頓堀時代があって、今、弟を見つける手段としても、女優になって有名になりたいと言う流れも決して不自然ではない。
ただ、恐らく、時計代わりに朝ドラを見ている人や、超が付く程の好意的な脳内補完をしていない視聴者には、この千代の発言は “ただの唐突な宣言” に移っただけではないかと思う。
だって、好意的に解釈せずに、単純に過去の映像を繋ぎ合わせて考えれば、 「いつも近くに芝居があった=奉公先が芝居茶屋だから当然」となるし、「芝居が大好き」とか「元気を貰った」のも、どの案件のことを指して言っているのか分かり難い。分かり難いから、「役者になりたい。女優になりたい」の原点がモヤモヤするのだ。
もっと高城百合子と千代の接点を丁寧に描写すべきだった…
過ぎてしまったことに、ああだこうだ言っても無駄だが。やはり、話数が大幅に減っている今作に於いては、まず、千代が道頓堀の芝居小屋で目撃して以来、憧れ続けるスター女優・高城百合子(井川遥)の舞台を千代が何度も見ては感動し、「女優への道」の道標役的に、大きな影響を与えたように描くべきだったと思う。
そこを、しっかりと描かずに、天海一平(成田凌)や岡田シズ(篠原涼子)の脇役の話に尺を割いてしまった。きっと、ここが本作に於ける「起承転結の起」の大きな失敗だと思う。でも、終わってしまったことは、どうにもできない。
「本作はヒロインが喜劇女優を目指す一代記」であることを視聴者にすり込むしかない!
では、この先、どうするべきか? それは、徹底的にナレーションで過去を補強しつつ、水先案内人のごとく視聴者を正しい方向へ自然に誘導することだと思う。例えば、女優になる目的を「弟ヨシヲに見て貰って再会すること」だけに絞り込む。
それなら、第1,2週の子役時代の回想シーンを盛り込んで「姉と弟の絆」を映像とナレーションで強調したらいい。また、女優になる目的を「道頓堀時代に元気を貰った恩返し」とするなら、映像が無ければ「辛い中でも、舞台をチラ見すると元気が出た」と言うのを撮影して加えたらいい。
総集編でも使えるから、今からでも遅くない。とにかく、千代が女優になりたいと言う宣言の源を明瞭にするべきだ。そこが、誰にも理解されれば、「本作は、ヒロインが喜劇女優を目指す一代記」なんだと、自動的にすり込まれると思う。
あとがき
「芝居が大好き」だから「女優になる」が直結しちゃっているのが、唐突なのですよ。これまでの本作を見ていたら、「芝居が大好き」だから「自分も喜劇一座を作って、座長になりたい」の方が自然ですよね。その方が時代的にも合っているし、それなら一平との関りも自然になって来ます。
もしくは、直接的に「高城百合子のような女優になりたい」ではないでしょうか。しかし、「芝居が大好き」だから「女優になる」と、やっちゃいました。やってしまったことは、視聴者の印象に残りますから、やはり、的確なナレーションで物語を丁寧に補強した方が良いと思います。まだ、全体の1/5ですから、十分に軌道修正は可能だと信じます。
杉咲花さんを始め、キャストの皆さんは頑張っているだけに、もっと根本的な脚本の運び、コミカルなパートの演出的な見せ方の工夫も必要ではないでしょうか。
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【これまでの感想】
第1週『うちは、かわいそやない』
1 2 3 4 5 土
第2週『道頓堀、ええとこや~』
6 7 8 9 10 土
第3週『うちのやりたいことて、なんやろ』
11 12 13 14 15 土
第4週『どこにも行きとうない』
16 17 18 19 20 土
『おちょやん よいお年を!』
第5週『女優になります』
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