監察医 朝顔[2] (第9話/年末2時間拡大・2020/12/28) 感想
![監察医 朝顔[2]](https://blog-imgs-140.fc2.com/d/m/e/dmesen/asagao2_2020_dra.jpg)
フジテレビ系・月9『監察医 朝顔[2]』(公式)
第9話/年末2時間拡大『女子大生連続刺殺事件にSNSの暴走!』の感想。
なお、原作の漫画、香川まさひと 画・木村直巳 監修・佐藤喜宣「監察医 朝顔」は未読。
朝顔(上野樹里)は、桑原(風間俊介)が不在の中、つぐみ(加藤柚凪)の保育園の運動会に。その頃、法医学教室では、背中を複数回刺されて死亡した読者モデルの女子大生の解剖が行われる。光子(志田未来)は女子大生の事件をさらに調べることにし、朝顔もそれを手伝おうとするが、茶子(山口智子)から休暇を取るよう促される。一方、桑原は拳銃を発砲した件で、審議会に呼び出される。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:香川まさひと 画・木村直巳 監修・佐藤喜宣「監察医 朝顔」
脚本:根本ノンジ(過去作/監察医 朝顔1、相棒シリーズ、フルーツ宅配便)
演出:平野眞(過去作/監察医 朝顔1、モンテ・クリスト伯、ガリレオ、シャーロックUS) 第1,2,5,7,9話
阿部雅和(過去作/監察医 朝顔1、婚活刑事の第8話のみ) 第3,4,8話
三橋利行(過去作/コンフィデンスマンJP、トレース) 第6話
音楽:得田真裕(過去作/監察医 朝顔1、家売るオンナシリーズ、アンナチュラル、インハンド)
主題歌:折坂悠太「朝顔」(Less+ Project)
本作は"4つのドラマのいいとこどりの人間ドラマ風群像劇"とは言え…
当blogの読者の常連さんなら、私が『1』よりも『2』を好意的に見ているのは承知だと思う。その理由は簡単で、『1』では許せなかった次の点を “本作らしさ” だと諦め、受け入れたから。
それが、これ。本作は、「4つのドラマ(監察医ドラマ+ホームドラマ+刑事ドラマ+東日本大震災の被災者ドラマ)のいいとこどりをした人間ドラマ風群像劇」だと解釈したから。だから、これまで、1時間の中で “4つのドラマ” がブツ切りで嵌め込まれようと、重なって描かれようと、「それが、本作らしさ」だと解釈してきた。
単純に、主人公が白衣を着て解剖をし、死因究明をしている映像が少な過ぎる!
しかし、今回の「2時間拡大」は、好意的に解釈できない。なぜなら、“4つのドラマ” のうちで、最も重要で、且つ、しっかりと描かれるべき主人公がメインのパートである「監察医ドラマ」が、完全に手抜きされて作られていたから。そう判断する理由は、主人公が “監察医” として働いている姿が極端に少ないからだ。
断っておくが、私は主人公が監察医なのだから、事件の真相を解明するべきとか、主人公なのだから大活躍するべきとか、そう言う意味で理由にしているのではない。ただ、単純に主人公が白衣を着て解剖をし、死因究明をしている映像が少な過ぎると言っているのだ。
執刀の始めの姿だけでは、主人公の名台詞も錆びて来る…
そのことも、作り手は十分承知なのは、いつも以上に今回は、主人公に「お願いします。教えて下さい」を言わせて強調させた。しかし、執刀する最初の姿だけで、その後の映像が無ければ、天下の宝刀も錆びてしまう。
だって、『1』の終盤で、主人公は監察医の仕事に挫折した上で『2』で復帰したのだから、より強い “監察医としての意識” を描くのが当然なのではないかと思うのだ。
「主人公の怒りありきの飛んでもないエピソード」だから破綻して当然!
また、この2時間拡大版が、内容が薄く、見せ場が強引に作られ、ストーリーが破綻気味になるのは、偶然にネットで見かけた次の記事内のプロデューサーの金城綾香氏のコメントを読んだ時だ。
『監察医 朝顔』上野樹里、異例の10分間1シーンで圧巻の演技 | TV LIFE web
https://www.tvlife.jp/drama/340508
金城は「いつもは穏やかな朝顔が怒ることって何だろう、と考えて生まれたお話でした。世の中は変わりました。理不尽さに心が痛くなったり、悲しいニュースの連続に、先の見えない不安がまだまだ消えそうにありません。もし、誰か大切な人が亡くなるときに、朝顔先生のような人が親身に考えてくれたら、少しでも救われた気持ちになるのではないか、そういった願いも込めて、みんなで作り上げたお話です。上野さんの熱量の全てが込められたラストのお芝居に、練習に立ち会った私も、その場で涙が出そうでした。カメラがその全てを収めてくれていると思います。2020年の最後、ぜひ『監察医 朝顔』で締めていただきたいです」とコメントしている。
要は、年末最後の放送回だから、「いつもは温和で、時に気弱な主人公を怒らせたら面白いのでは?」と言う金城Pの浅はかな制作意図から脚本家に発注されたエピソードだから、どう考えても、「主人公の怒りありきの飛んでもないエピソード」になっても構わなかったのだと、私は勝手に推測した。
だって、誰が考えても、「法医助手として法医学教室でアルバイトをする大学医学科3年生の牛島(望月歩)が、正義感から法医学者としてやってはならないことを犯してしまう」こと自体に現実味がないし、更にその先で「牛島にお咎めなし」も有り得ない。
あの朝顔の長台詞がやりたいなら、前半は削除で10分拡大で出来たと思う…
前述の記事に次のようにも書かれている。
『監察医 朝顔』上野樹里、異例の10分間1シーンで圧巻の演技 | TV LIFE web
https://www.tvlife.jp/drama/340508
朝顔から牛島へ向けて発せられる言葉には、実は2020年だからこそ届けたい、ドラマサイドの思いが込められている。セリフは制作スタッフと上野本人が練りに練って、撮影前には演出の平野とプロデューサーの金城綾香と上野の3人で、舞台のような場当たり稽古を行ってセリフの確認をするという、異例の入念さで作り上げられた。
正直、あの台詞が『監察医 朝顔』と題された半年間放送が続く連ドラの折り返しとなる2時間拡大版の “監察医である主人公の肝の台詞” として脚本を書かせ、脚本を書き、演出したのは、間違っていたと思う。
やはり、そうしたいのなら、前半で多くの時間を割いた「刑事ドラマ+東日本大震災の被災者ドラマ」は不要だったし、主人公は背中を複数回刺されて死亡した読者モデルの女子大生の解剖に、誰よりも積極的に監察医としてかかわっている姿を描くべきだった。まあ、それなら、10分か15分の拡大版で済んだ話だろうが。
いずれにしても、この調子で、残り3か月も続くと思うと、先が思いやられるとしか言いようがない。
あとがき
確かに、第9話の最大の山場であり、主人公の見せ場でもあった、約10分間のシーンは、朝顔を演じた上野樹里さんと、牛島を演じた望月歩さんの演技、その二人と共に演じた脇役を演じた演者さんたちの演技も確かに見事であったのは認めます。特に、上野さんの長台詞はお見事でした。
ただ、今回は有給休暇を使っていたと言え、流石に、「朝顔=監察医」には見えませんし、そんな主人公が監察の初見を述べたり、SNS拡散を叱ったりしても、説得力を持たないと思います。やはり、ドラマのタイトルを偽ってはだめだと言うことです。そして、ドラマは俳優の演技を魅せるものではなく、登場人物の心情を描くものだと思います。
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