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姉ちゃんの恋人 (第8話・2020/12/15) 感想

姉ちゃんの恋人

関西テレビ制作・フジテレビ系・火9ドラマ『姉ちゃんの恋人』公式
第8話『元カノに遭遇…3組のカップルに波乱!』の感想。



桃子(有村架純)とのデート中、元恋人の香里(小林涼子)と再会した真人(林遣都)は言葉を失う。話をしたいという香里からの申し出に応じた真人は、桃子にそばにいてほしいと頼む。そして過去を乗り越えるため、動揺しながらも‘幸せ’についての自分の思いを香里に語る。一方、悟志(藤木直人)に抱き締められた日南子(小池栄子)は、悟志の自分に対する気持ちが分からず困惑する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:なし
脚本:岡田惠和(過去作/ひよっこ、最後から二番目の恋、セミオトコ、少年寅次郎)
演出:三宅喜重(過去作/過去作/銭の戦争、嘘の戦争、10の秘密) 第1,2,3,6
   本橋圭太(過去作/緊急取調室1,2,3、TWO WEEKS、ケイジとケンジ) 第7,8
   宝来忠昭(過去作/僕の初恋をキミに捧ぐ、家政夫のミタゾノ3、セミオトコ) 第4,5
音楽:眞鍋昭大(過去作/SUITS[1,2]、後妻業、おじさんはカワイイものがお好き。)
主題歌:Mr.Children「Brand new planet」(トイズファクトリー)

3つの大きなシークエンスで、過去を乗り越えようとする真人を描いた

今回は、大きく「3つのシークエンス」によって、「過去を乗り越えようとする真人」を、(丁寧に… とは言い難いが)しっかりと、「これでもか!」と言わんばかりに描いたと言える。

カフェの場面で重要なのは、真人が香里に言ったあの台詞…

「過去を乗り越えようとする真人」を描いた1つ目のシークエンスは、序盤の、桃子(有村架純)とのデート中に、元恋人の香里(小林涼子)と再会した真人(林遣都)が、「話したい」と言う香里に同調して入ったカフェの場面だ。

今さら、香里が真人に何を話したいのか、「話したい」と言い出す根拠については、もやもやする。しかし、こう考えるのだ。真人は、そう言う女性を好きなるし、そう言う女性が真人を好きになるのだ。だから、当然、真人が元カノと話すテーブルに、同席する桃子の心情にも、もやもやする。

更に言えば、駐車違反のくだりや、駐禁を理由にそのまま立ち去る香里にも、もやもやする。しかし、このシークエンスで重要なのは、下記の真人が香里に言った台詞だ。

真人「頼むから 謝ったりとかしなくていいから
   幸せでいてくれ ずっと うまくいかないことあっても
   幸せになることから逃げないでくれ
   そうすれば俺は君を守れたことになるから」

偽証をされたことで有罪になった相手に対して、「君が幸せでないと、君を守ったことにならない」と言う、何とも不思議な自己犠牲と自己中心的で、トンチンカンな考え方。でも、それが真人と言う人間なのだ。自分が「世界中に言いたいくらい幸せ」だと、自分が “今の自分の幸せな状況” を認めた証しなのだ。

第3話で、いつものコンビニの前に座って、桃子と親友のみゆき(奈緒)の会話のシーンがあった(毎回あるが)。第3話では、桃子が真人へ気持ちをみゆきに話すのだが、こんなやりとりがあったのを覚えているだろうか?

桃 子「何かを諦めてる感じがするんだよね」
みゆき「何かって?」
桃 子「幸せになること」

桃子にとって、初デートのずっと前、真人は「幸せになるのを諦めている人」に映っていたのだ。そんな真人が、自分にとっての “新たな幸せ” を得たこと、その “幸せ” が桃子自身であることを確かめたいから、カフェで同席したのだ。

だから、桃子は、ずっと真人の指先に注目していた。「なんか、普通じゃないよね」って感じの描写であることは間違いないが、ドラマ『姉ちゃんの恋人』の世界で生きる桃子と真人は、少しずつ前に進んでいることだけは間違いないと思う。

就活中のみゆきと、貴子と菊雄の台詞中の"幸せ"の微妙な違いを考えてみると…

2つ目のシークエンスは、正確には2つに分けられる。1つ目は、恒例のコンビニの前に座っての… シーン。会社が倒産して就活を始めたみゆきが桃子に言った、この台詞に注目してみる。

みゆき「今まで 幸せだったんだなあって思うよ
    で… 私なんて ほんとに誰にも求められていないんだなって」

みゆきの台詞の中に “幸せ” と言うキーワードが登場するが、ここでの “幸せ” は、自分に仕事が合って、その仕事が誰かに求められていたことを指している。

一方で、2つ目である、桃子とあれこれ話し合った貴子(和久井映見)が、菊雄(光石研)と藤吉(やついちろう)と語らうシーン。まず、注目すべきは、貴子が泣き笑いしながら言う「私… 幸せだなって思った」と言う台詞。そして、藤吉が貴子を好きなのがバレバレなのに対して菊雄が言う「幸せにしてやれよ」

どっちの台詞にも “幸せ” と言う言葉は入っているが、当然ながら、貴子と菊雄が言った “幸せ” は、意味合いも雰囲気も違う。

でも、ここまでの「大きな2つのシークエンス」の中に、幾つかの “幸せ” が盛り込まれており、恋愛ドラマとしても、ホームドラマとしても、 “幸せ” の “先” には、人と人との出会いや繋がりがあり、ドラマ全体が、そこへ帰着するであろうことが分かる。

いや、「幸せ」と言う単語に多種多様な意味を持たせることで、「きっとそうなるに違いない」と思わせているのだ。

終盤の"あれ"は、映像の説得力を選択するためと、今回の背骨には相応しいとは思う…

そして、3つ目は、終盤でのクリスマスパーティーに向かう桃子と真人が、河川敷で男2人に絡まれる場面だ。まあ、ここの描写と言うか、構成については賛否両論あると思う。私も、令和の時代の東京の昼間の治安を考えればツッコミたくなる。

それに、物語としても、主人公ではない脇役とは言え、主人公に大きな影響を与える重要な脇役に、過去と同じ体験をさせるのは、あまりに安易だし、手法としても古いし、現実味に欠け過ぎて、折角のここまでの40分間とのギャップがあり過ぎるとは思った。

ただ、真人にとっての “幸せ” が “本物” であることを提示するためには、同じような状況下で真人の手が震えないと言う映像が最も説得力があるし、序盤での震える手を見守った桃子と、遂に手が震えなくなった真人、その2人が手を繋ぐと言うのは、前述の “幸せ” の “先” には、人と人との出会いや繋がりがある… へ、ちゃんとリンクして来る。

終盤の和輝のナレーションがあったから、何とか"まとまった"と言える

そして何より、終盤の和輝(高橋海人)の下記のナレーションが、非現実味をファンタジーに変えている点も見逃せない(聞き逃せない… か?)。

和輝(N)「この世界は 愛だけで成り立っているわけじゃないし
    いい人だけしか いないわけじゃない
    一歩 道を曲がれば
    そこには えたいの知れない悪意とか暴力とかがあって
    それは きっと なくなることはなくて

    僕らにできることは 誰かに しっかりつかまって
    誰かと しっかり手をつないで
    自分たちを守るしかないんだ
    でないと 不幸への落とし穴は そこら中にある
    でも 大切な人 守るべき人が 1人増えれば
    その分 世界はいい方向に向かう
    そういうことだよね

    僕らは どんな嫌なことだって
    楽しいことに変えてしまえる力を持ってるんだ
    それを強いっていうんだ
    そうだよね 姉ちゃん」

まあ、最終回直前で、急に全体的に「少女漫画チック」になったし、終盤の “事故(事件?)” については些か気にはなるし、悟志(藤木直人)についても謎が残ったままだし。最終回のエンディングだけは、今回の終盤のような曖昧な感じでなく、丁寧に、且つ、しっかりと、出来ればハッピーエンドにして貰いたい…

あとがき

今回は、カフェのシーンと、終盤の2人組のくだりが、賛否両論に分かれそうですね。まあ、本文中に書いたように、現実の世界のお話ではありませんので、劇中の全ての登場人物たちの “幸せ” を描いて終わって欲しいです。


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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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