連続テレビ小説「エール」 (第117回・2020/11/24) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『エール』(公式サイト)
第24週(最終週)『エール』の
第117回の感想。
※ 本作は、2020/10/29 にクランクアップ(撮影終了)しています。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
ついに華(古川琴音)とアキラ(宮沢氷魚)の結婚を許した裕一(窪田正孝)。二人の結婚式は仲間たちが勢ぞろいし、にぎやかに行われる。音(二階堂ふみ)が見守る中、新婦の父としてあいさつに立った裕一は…。それから数年後、1964年に東京でオリンピックを開催されることが決定し、開会式のオープニング曲の作曲を誰に依頼するかが検討され、裕一の名前も候補に挙がるが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
●原案:林宏司 ●作:吉田照幸 ●演出:吉田照幸(敬称略)
なぜ、前回のラストから今回のアバンに直結しなかったのか
前回のラストシーンが、古山家でアキラ(宮沢氷魚)と華(古川琴音)を目の前にして、裕一(窪田正孝)が「どうして華なんだ?」と疑問形で終わって、「つづく」とテロップを出したのだから、翌日の今回の冒頭のアバンタイトルで、そこからサクッと繋げれば箇条書きの印象が薄まったのに。
いや、他の人はどう思っているのか知らないが、少なくとも私自身は、興味関心の薄い脇役の恋バナ、結婚物語だと思っているから、さっさと終わって欲しいのだ。でも、冒頭で改めてメインタイトル映像を入れて仕切り直しをされたら、正直うんざりしてしまう。
だって、主題歌明けの1分で、残りの14分間の大まかな展開は予告されているわけだから。なぜ、こんな仰々しい構成にしたのだろう。疑問しか湧いてこない…
アキラが華と結婚したい理由なんて、語りで十分では?
で、また病院の入院時代の回想シーンが入った。大人の事情があるのか知らないが、「アキラがなぜ華を結婚相手に選んだのか?」なんて、本作に、それも実質上で残り3回しかない時に描くことだろうか?
単純明快に津田健次郎さんのナレーションで「裕一は、アキラから華と結婚したい理由を聞いて、結婚を許しました」で済ませても良かったのでは?
それこそ、前回でアキラの自作曲を聞いた直後の裕一のアップに、「裕一は、アキラの歌に込めた思いを感じ取ったようです」とナレーションを入れて「つづく」にして、今回の冒頭を結婚式にしたら良かったのに…
もっと、音と関内家(実家)の関係を濃密に描いておけば…
脇役の興味のないエピソードをダラダラと放送するから、本来であれば、かなりの “本作らしさ”、それも初期の頃の関内家パートに於ける “本作らしさ” の象徴である “十字架” や「海辺のシーン」の回想も、どこか取って付けたような印象になってしまった。
まあ、本作は、関内家がキリスト教徒であると言う設定を、都合良く使ってきたせいもあって、唐突にキリスト教が登場すると、なんかなぁって感じ。
だいぶ前に書いたが、豊橋の関内家と福島の呉服屋「喜多一」ですら、音は思い立ったら瞬間移動できるのだから、もっと、結婚後に音と実家のエピソードを、梅(森七菜)と田ノ上五郎(岡部大)の恋バナ以外で盛り込んだら、今回の十字架のシーンも、それなりに最終週に相応しいシーンになったに違いないと思う。
「音楽を描く朝ドラ」の最後の火曜日が孤児院でロカビリー?
あ~あ、なんて気持ちで見ていたら、久し振りに「聖マリア園」が登場した。いや~な予感しかしなかったが、良く見ると入口脇のウエルカム・ボードに「華 アキラ 結婚記念コンサート」と書いてあった。会場内には「アキラ 華 結婚おめでとう」と書かれた横断幕も張られていた。えっ!? まさか、 孤児院を “また” 個人使用するの!?
先日の音の夢を裕一が叶える舞台として「慈善音楽会」の会場に孤児院を “私的利用” した時にも不快感があったのに。でも、まだあの時は「慈善活動」と言う名目があったから許せる部分もあった。しかし、今回の “私的利用” の描写を見た限りでは、孤児や関係者たちを追い出して、レンタルスペース的に堂々と利用しているように見えた。
もちろん、好意的に捉えれば、時間経過して孤児たちが成長して巣立って行ったとも受け取れる。ただ、良く見ると、これまで見たことのない少し派手目のロカビリー風の衣装を纏った脇役もゲストの中にいて、それらが「元孤児」である可能性は薄いから、「アキラのファン」である可能性が出て来てしまったような。
もう、こうなると不快感がどうこう以前に、裕一が結婚を許したから、孤児院を私的に利用して、「ロカビリー・ライブ&ウエディング・パーティー」をやっているようにしか見えなかった。
これ、必要か不必要か以前に、連ドラとしての進むべき方向が破綻しているような気しかしなかった。「音楽を描く朝ドラ」の最後の火曜日が、こんなことになるとは…!?
「長崎の鐘」と「栄冠は…」を各1週やって、今回に直結したら…
10分過ぎに「5年経過」した。そして、いよいよ「東京オリンピック」のエピソードが始まった。今回、開会式のオープニング曲の作曲を誰に依頼するかが検討され、裕一を推す人物と反対派が登場した。そして、推す人物が理由に挙げたのが『長崎の鐘』だった。
これ、本編では確か2回しか『長崎の鐘』の誕生秘話は描かれていないが、ここで『長崎の鐘』を持って来ることが当初から分かっていたなら、『長崎の鐘』で一週間きっちりと丁寧に描けば、キリスト教との繋がりも描けたのでは?
いや、第19週『鐘よ響け』を丸々使って、吉岡秀隆さんの渋い演技で『長崎の鐘』を描き、次の第20週『栄冠は君に輝く』は山崎育三郎さんの歌唱力で “裕一と久志の完全復活” を描いて、今回に直結した方が良かったと思う。話数が減っているのだから、これ位の英断はすべきだったと思う…
裕一夫婦の願いを描いたなら、結果や現実を描くべきでは?
13分過ぎには、華に息子の裕太が生まれたような描写があった。直前に孤児院のくだりが入ってしまったから、あの息子が孤児なのか、実子なのかも分からない。それ以前に、アキラの姿が見えないから、華とアキラの夫婦生活すら分からない。え~と、序盤の3分頃に、音と裕一から積極的に、アキラと華にこう言っていた場面があった。
音「アキラさん 華を幸せにすると誓って!
裕一「アキラ君… 華のこと よろしく頼みます。
華… 幸せになれよ」
これ、5年前の結婚を許す時に、裕一と音が、一番心配をしていたこと。だったら、視聴者に、アキラと華が幸せに暮らしていると言う “結果” や “現実” を描くべきではないだろうか?
結婚を許すかどうかをドラマチックにするためにだけ台詞を盛り込むから、回収を忘れるのだ。「ロカビリー・ライブ&ウエディング・パーティー」を数秒削ってでも、華とアキラと息子が朝の慌ただしい時間を幸せそうに迎えていると言う映像くらい撮影するべきだったと思う。
あとがき
このダラダラした感じや、チグハグな感じは、話数減少による影響では無いようですね。キャストを事前に発表してしまうから、登場シーンを削れないと言う大人の事情によって、連ドラとしての流れが壊れているように思いました。
本当は、一人娘が結婚して幸せな暮らしをして、裕一たち夫婦も悠々自適な生活を… と思ったら、突然に一世一代の大仕事が舞い込んで、一気に、「裕一の音楽人生」のラストスパートで盛り上がって欲しかったのに…
【お願い】読者の皆さんも大変な状況とは思いますが、仕事激減の折、勝手なお願いで恐縮でございますが、Amazonと楽天市場からお買い物する際は、当blogのリンク経由で買って下さると、皆さんのおかげで私にポイントが貯まる上に、何よりもブログを書き続けるモチベーションアップになりますので、引き続き、ご協力の程、よろしくお願いいたします(謝) ※暫く“テンプレ”です。
「楽天市場」からのおすすめ商品や企画
「Amazon」からの最新のお知らせ
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/14883/
【これまでの感想】
第1週『初めてのエール』
1 2 3 4 5 土
第2週『運命のかぐや姫』
6 7 8 9 10 土
第3週『いばらの道』
11 12 13 14 15 土
第4週『君はるか』
16 17 18 19 20 土
第5週『愛の協奏曲』
21 22 23 24 25 土
第6週『ふたりの決意』
26 27 28 29 30 土
第7週『夢の新婚生活』
31 32 33 34 35 土
第8週『紺碧(ぺき)の空』
36 37 38 39 40 土
第9週『東京恋物語』
41 42 43 44 45 土
第10週『響きあう夢』
46 47 48 49 50 土
第11週『家族のうた』
51 52 53 54 55 土
第12週『アナザーストーリー ~それぞれの愛のカタチ~』
56 57 58 59 60 土
第13週『スター発掘オーディション』
61 62 63 64 65 土
[再]第1週『初めてのエール』佐藤久志(山崎育三郎)
1 2 3 4 5
[再]第2週『運命のかぐや姫』佐藤久志(山崎育三郎)
6
[再]第2週『運命のかぐや姫』関内吟(松井玲奈)
7 8 9 10
[再]第3週『いばらの道』関内吟(松井玲奈)
11 12
[再]第3週『いばらの道』藤堂清晴(森山直太朗)
13 14 15
[再]第4週『君はるか』藤堂清晴(森山直太朗)
16 17 18
[再]第4週『君はるか』御手洗清太郎(古川雄大)
19 20
[再]第5週愛の狂騒曲』御手洗清太郎(古川雄大)
21 22 23 24
[再]第5週『愛の狂騒曲』村野鉄男(中村蒼)
24
[再]第6週『ふたりの決意』村野鉄男(中村蒼)
25 26 27 28 29 30
[再]第7週『夢の新婚生活』梶取保(野間口徹)
31 32 33 34 35
[再]第8週『紺碧(ぺき)の空』梶取保(野間口徹)
36
[再]第8週『紺碧(ぺき)の空』古山まさ(菊池桃子)
37 38 39 40
[再]第9週『東京恋物語』古山まさ(菊池桃子)
41 42
第9週『東京恋物語』音の妹・関内 梅(森七菜)
43 44 45
[再]第10週『響きあう夢』音の妹・関内 梅(森七菜)
46 47 48
[再]第10週『響きあう夢』川俣銀行時代の菊池昌子(堀内敬子)
49 50
第11週『家族のうた』川俣銀行時代の菊池昌子(堀内敬子)
51 52
[再]第11週『家族のうた』藤堂先生と結婚後の藤堂昌子(堀内敬子)
53 54
[再]第11週『家族のうた』喫茶バンブーの梶取恵(仲里依紗)
55
[再]第12週『アナザーストーリー ~それぞれの愛のカタチ~』梶取恵(仲里依紗)
56 57 58 59 60
[再]第13週『スター発掘オーディション!』川俣銀行支店長(相島一之)
61 62 63 64 65
いよいよ来週から! 連続テレビ小説「エール」再開SP
第14週『弟子がやって来た!』
66 67 68 69 70 土
第15週『先生のうた』
71 72 73 74 75 土
第16週『不協和音』
76 77 78 79 80 土
第17週『歌の力』
81 82 83 84 85 土
第18週『戦場の歌』
86 87 88 89 90 土
第19週『鐘よ響け』
91 92 93 94 95 土
第20週『栄冠は君に輝く』
96 97 98 99 100 土
第21週『夢のつづきに』
101  102; 103 104 105 土
第22週『ふるさとに響く歌』
106 107 108 109 110 土
第23週『恋のメロディ』
111 112 113 114 115 土
第24週(最終週)『エール』
116
- 関連記事
-
- そのご縁、お届けします―メルカリであったほんとの話― (第4話 [全6話]・2020/11/24) 感想 (2020/11/25)
- 姉ちゃんの恋人 (第5話・2020/11/24) 感想 (2020/11/25)
- 連続テレビ小説「エール」 (第117回・2020/11/24) 感想 (2020/11/24)
- 監察医 朝顔[2] (第4話・2020/11/23) 感想 (2020/11/24)
- 連続テレビ小説「エール」 (第116回・2020/11/23) 感想 (2020/11/23)